夏らしい暑さを感じるこの時期は各地で、夏祭りや花火大会など季節の風物詩とも言えるさまざまなイベントが催される。
7月28日から3日間にわたり開催される『第6回オートギャラリー2006』もそんななかの1つ。
カスタムカーがメインのイベントではあるが、トヨタやホンダなどのメーカーも出品しているので、新車から輸入車、コンプリートカーなどいろいろな車種を楽しめ、家族でも参加できるようなさまざまなイベントが開かれている。
そんなワタクシも自分の得意ジャンルとは少し異なるが、おそらく普通の来場者とは違う視点でみた会場レポートです。
まあ、メインは他のスタッフがうまくレポートしてくれると思いますので、カレーライスの福神漬みたいに息抜き感覚でどうぞ。

トヨタ カローラ アスリート?

トヨタ カローラ アスリート?

単なるフェイスリフトじゃない。専門学校生による自信の作品 

トヨタ カローラ アスリート

多くの参加ブースのなかで他とは異なった雰囲気を醸し出していたのが埼玉工業専門学校のブースだ。
周囲を自動車業界の人間に囲まれるなか、初々しい現役の学生が自分達の作品を展示している。決して他のメーカーの作品に引けをとることのない作品だ。
最初にブースに前を通った際は、普通の「180系ZEROクラウンのコンプリート」だと思っていたが近づいてみると何かが違う。
ピラーの形をみて 初めてベースが120系カローラということに気づかされた。
整備士を目指す専門学校のカスタムボディ科による授業の一環で制作された1台だが、単にフロントマスクを交換しただけというものではない

ベース車はあえて隠さない

カローラ アスリート インパネ

そもそも、カローラの全幅は1695mmの5ナンバーサイズなのに対してクラウンは1780mmの3ナンバーであるので単純に考えても部品のほうが大きくはみ出てしまうのだ。
そこを半年かけて授業の課題としてバランスよく作り直されたのがこの「カローラ アスリート」である。エアロメーカーのジャンクションプロデュースがスポンサーになったことでクラウンに変貌に遂げただけでなく、さらにVIPカーに生まれ変わってしまった。
外装だけでなくシートまでジャンクションロゴ入りの革シートにスワップされているので高級感と威圧感の中にカローラの面影はない。
ただし、学生のこだわりとしてカローラの面影を残すためにインパネ周りはあえてベースのカローラのままに残しており、外装にもCピラーに誇らしげにカローラのマークが取り付けてある。
おそらく彼らにとって、ベース車がわからなくなるような完璧な車を作るのが目的ではないのだろう。ベースを知ってもらった上でできあがった車の完成度の高さを証明することを望んでいるはず。

トヨタ カローラ アスリート リヤビュー
トヨタ カローラ 120系 ベースと同型車
トヨタ クラウン アスリート 本物

フルエアロのAクラス 中身は660cc

日産 モコ Aクラス 旧型ベース

同じ学校の作品のもう一台が「モコ Aクラス」である
その名の通り、日産の「モコ」をベースに「メルセデスベンツ Aクラス」に仕上げられている
こちらは元々のベース車のスタイルが似ているのでそのままAクラスに見えてしまうのがおかしい。
ナンバーが黄色い軽自動車になってしまうのですぐ判別できると思われがちなのだが、ベースのモコより車幅が広くなっているので車検を受ければ普通車になってしまうのだ。
しかもスポンサーのギャルソンのエアロが装着されているので高級感までも漂ってくる。
そうなるとますます判別がしにくくなってしまうが製作者側からすればそれだけ精度の高いものが作れたと胸を張って自慢できる作品に仕上がっている。
この自動車業界を背負っていく学生達が一人前になった時にはもっと驚かされる作品を発表してくれることを期待したい。
缶コーヒーのCMであったような、全く違う車をあっという間に別物そっくりに作られる時代が来るかも知れない。

達人プロフィール: ダーワ教授
職業:生きるクルマデータベース、世界の車種・グレードすべての知識を持つ恐ろしい奴。
中古車情報誌から、自動車販売店・解体屋・ミニカー屋など現場の世界と転々と。基本的に車好きが抜けないようで中古車ブローカー(本人認識無し)と貿易輸出業などを掛け持ち、現在に至る。車の趣味嗜好も偏っており、車と共に本人的にも社会的不適合車(者)です。趣味と...

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