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元祖 FJ(ランド)クルーザー
乗るための問題は山積み
それでも乗りたいFJ40
ランクルを3枚に下ろしまして…?
生まれ変わった不死身の体。

元祖 FJ(ランド)クルーザー

オートギャラリーの会場に入ってすぐに視界に入ってくるのが真紅の「トヨタ ランドクルーザー」FJ40系(S35〜S59)——最近注目を浴びているFJクルーザーのデザインのモチーフになったと言われる車である。
今でも愛好家には根強い人気で現行のランドクルーザーとは異なり、高級RV路線になる前の硬派な4輪駆動車というイメージが色濃くあった時代の車である。

実際のところ、人気はあっても都心部などでは排出ガス規制などで登録することができないのが現実。
某人気ドラマなどにも登場して注目されたりもしたが実際に乗るにはいろいろとクリアしなければならない問題がある。

乗るための問題は山積み

今回、会場で展示されていた車は綺麗にレストア(再生)された車でオリジナル度も高く、他のブースに展示されている。
FJクルーザーとの比較対象としても注目を浴びていた。

しかし、どんなに綺麗に仕上げても排出ガス規制をクリアできなければ都市部では乗ることができない。

今までに多くのディーゼルや貨物車が排出ガス規制の法律のために乗り換えを余儀なくされてきた。
何年も大事に過ごした愛車が一方的な規制の強化で乗ることが出来なくなるという悲しい現実……。
運送事業者にとっても死活問題である。
この法律も絶対に乗れない訳ではなく、排出ガス浄化装置と着けて新たに排出ガスが指定基準値内にあれば理論上は乗ることが可能だが、現実には技術的にも費用的にも難しく事実上の死刑宣告みたいなものだ

それでも乗りたいFJ40

他人の名義を借りて乗ることや車の為に規制地域外に引越しするなど逃げ道もあるが正直、遠回りな話である。
そのため最近、注目されている方法のひとつがエンジンスワップ(乗せ替え)だ。

排気ガス規制をクリアしている車両のエンジンやマフラー、触媒などを乗せ替えて公認を受けるという方法が注目を浴びている。
言葉で表わすのは簡単だが、実際にはエンジンのマウントから動力伝達装置の強度計算など普通の修理業者でも嫌がるような内容なので、大抵の業者から敬遠される。

しかし逆にそれを新たなビジネスチャンスとして挑戦する業者も現れてきている。
この真っ赤なランドドクルーザーもそういう専門ショップの作品だ。
あえて外観はオリジナルのままでエンジンを載せ替えているがボンネットを開くまでわからないというサプライズな車に仕上がっている。
しかも走ってみると意外と早く快適であるというような見た目と中身の全く異なるジキルとハイド的な車である。

ランクルを3枚に下ろしまして…?

エンジンを載せ替える元々の目的は排出ガス規制の解除であるが、どうせ乗せるなら最近の高性能なものを載せてみるとおもしろい車ができあがる。
3分間クッキング風にいうとまず用意していただく材料は、

●ベースとなるFJ40系ランドクルーザー
●乗せ替え用の排出ガス規制対応エンジン
●ミッションなど動力伝達装置を一組
●排出ガス浄化装置

ここにスパイスとしてエンジンを最近の高性能なものにしてみると更に楽しいものができあがる。
最後は
●腕のたつ料理人として改造業者
●盛り付け役として書類作成公認業者
以上を揃えると新しいランクルの出来上がり?

生まれ変わった不死身の体。

ベースのランドクルーザーがフレーム車なので高性能なエンジンを搭載しても意外と加工がしやすく耐久性も高い。
しかし、これが普通のモノコックボディの車だとエンジンにあわせた補強などがフレーム車以上に必要になってくるので難しくなってしまう。

このランクルの場合、現行モデル100系の2UZ−FE V8 DOHC 4700cc 235馬力のエンジンが換装されているので、昔の軽いボディも手伝ってハンパなくよく走る車に仕上がっているのが想像できる。

ぜひともランクル100系と乗り比べしてみたい1台だ。
トヨタの場合、モデル型式の先頭がエンジンの型式になるので、あえて勝手に名前をつけるなら「UZJ40」というような感じ?
この型式だけ聞いても速そう。