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買ってはいけない?中古軽自動車の背景(2006年時)
本当に中古車で軽自動車を買ってはいけないのか?

ライター紹介

モータージャーナリスト

岡島 裕二 氏

自動車雑誌や自動車サイトを経験後、2003年よりフリーとなった若手ジャーナリスト。今まで乗ってきたクルマすべてが中古車という、根っからの中古車好き。レース経験もあるほか、一級船舶免許ももつなど乗り物全般に興味をもっている。

軽自動車は以前は安全性能面や耐久面で他のボディタイプに比べ不安視されることが多く、中古車での購入は敬遠されていた。しかし近年は性能が向上、新車価格も高くなっている背景から中古車での購入も視野に入るようになってきたでしょう。

買ってはいけない?中古軽自動車の背景(2006年時)

中古で軽自動車を買ってはいけないと過去にされていた背景について紹介します。

「少しでも安く!」が中古軽自動車の値段を上げている

軽自動車は値落ち率が普通車よりも低く、中古車の旨味が少ないと考えていたが、今回はなぜ軽自動車の中古車は値落ちが少ないかを紹介します。

まず第一は基本的なことですが、需要と供給のバランスです。つまり軽自動車は、値落ち率の低い、高いクルマでも結構売れてしまうからです。

軽自動車を買おうとする人は、ランニングコストの安い軽自動車を買おうとしているぐらいですから、当然、経済観念の高い人といえるでしょう。したがって、少しでも安いものを買いたいという人が多く、新車よりも直接の出費が抑えられる中古車に人気が集まります。

さらに、軽自動車のメインマーケットが地方ということも理由のひとつだと思います。やはり地方は中古車販売店が集中している場所が少なく、独自の値付けでも他店との競争が少なかったり、「以前もその店で買った」などという、人のつながりで売れてしまうことも多いようです。

最近はネットの普及により、全国的に相場が形成されるようになりましたが、それでも都市部よりは全般的に地方の方が中古車相場が高いように感じます。

軽自動車はタダみたいな値段になりにくい

また、軽自動車は廃車寸前までアシとしての需要があるので、タダみたいな値段にならないのも、理由のひとつに挙げられるでしょう。普通車の不人気セダンだと、まだまだ元気に動いていても、9年目か11年目の車検が切れれば最後はオークションで数千円という値段になってしまいますが、軽自動車の場合は、年式が古く、結構ボロくても、ちゃんと動きそうなら3万円ぐらいの値が付きます。

 ワゴンRのような人気車やワンボックス軽自動車だと、10年選手でもキレイで過走行になっていなければ、10万円以上の値が付くそうです。つまり底辺がゼロではないので、それまでの値下がり曲線も緩やかになってくるのでしょう。

新車で買って3〜5年で売るのが賢い乗り方!(2006年時)

私自身は、軽自動車の中古車は値落ちが少なく、それほどオイシイ買い物ではないと思っています。

私が軽自動車を買うなら、出たばかりの人気の出そうなニューモデルを新車で買い、3年〜5年乗って旧型になる前にガリバーで高く買い取ってもらう、というやり方を繰り返すと思います。今年はニューモデルのデビューが続いているので、そんな買い方をするにはちょうど良い時期かもしれません。

新車か中古車かで悩んだら、『軽自動車は新車』というのが私の考え方です。

本当に中古車で軽自動車を買ってはいけないのか?

記事初稿の2006年から約15年、軽自動車の市場も大きく変わってきた。
15年を経て変わったところは大きく以下の3つです。

・軽自動車の新車価格が約70万円ほど高くなった
・自動ブレーキ搭載といった安全装備の充実
・新車で10年は乗れるといった性能面の向上

軽自動車を選ぶ理由が「運転のしやすいさ」で選ぶ人もいますが、購入費・維持費を抑えたいという人も多いと思います。
新車価格が上昇しており、性能面が向上で中古車でも長く乗れるようになった軽自動車は中古車でも購入の視野に入ってくるでしょう。(2022年5月更新)