トヨタと日野は、7月22日より、燃料電池ハイブリッドバスの営業運行エリアを、中部国際空港及び周辺地域に拡大すると発表した。

 トヨタと日野は、国土交通省の「燃料電池自動車実用化促進プロジェクト」の一環として、知多乗合株式会社(以下、知多乗合)の協力のもと、3月9日から22日にかけて中部国際空港周辺地域で営業運行を実施した。

 知多乗合に燃料電池ハイブリッドバス「FCHV-BUS」を貸与し、同社の営業路線である常滑線における営業運行を、「知多半田〜中部国際空港」間の全区間に路線延長(3月の営業運行時は、「知多半田〜常滑」間)するとともに、空港到着後は、空港島内を循環する同社の貨物地区循環線にて新たに営業運行を行う。

 また、中部スカイサポート株式会社(CSS)にも「FCHV-BUS」を貸与し、旅客ターミナルと空港内に駐機する航空機との間で旅客を送迎するランプバス運行も実施する。なお、水素の充填は、JHFC(経済水産省「水素・燃料電池実証プロジェクト)の燃料電池自動車用水素供給設備実証研究の一環として、中部国際空港島内に設置される「JHFCセントレア水素ステーション」を使用するとのこと。

 今回使用する燃料電池ハイブリッドバス「FCHV-BUS」は、トヨタと日野が共同で開発した。燃料電池システムはトヨタ、車体をはじめバス本体は日野が担当し、両社がそれぞれ培ってきた技術やノウハウを活用。「愛・地球博」の会場間輸送で使用したバスの外観のラッピングを一新し、運行に必要な装備を追加している。

 高圧水素ガスを燃料とする燃料電池とバッテリーを動力源として、モーターを駆動するハイブリッドシステムを採用。地球温暖化の原因であるCO2や大気汚染物質である窒素酸化物などを排出しないほか、エネルギー効率が高く、静粛性に優れている点などが特徴として挙げられる。

車両名称
FCHV−BUS
ベース車両
日野ブルーリボンシティ(ノンステップ大型路線バス)
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
10,515×2,490×3,360�
最高速度
80�/h
乗車定員
路線バス:62人/ランプバス:63人
最高出力
80kW×2
最大トルク
260N・m×2
燃料電池
トヨタFCスタック
燃料貯蔵方法
高圧水素タンク
燃料最高充填圧力(Mpa)
35Mpa
バッテリー形式
ニッケル水素電池