クールビズなんてナマぬるい!いっそのこと…

7月頭なのに、連日30℃を越す猛暑。この調子だと、この後いかなる酷暑が待ち受けているのかとても心配です。しかも、都心はヒートアイランド現象のせいか体感温度は2割増し…。近年の尋常でない暑さを体験するにつけ、東北、北海道以外の日本はとっくに亜熱帯地域に入ってるかなと。クール・ビズとか言ってる場合じゃなくって、いっそのことスーツとか禁止にしたほうがいいと思いますよ。

そんな酷暑の中のドライヴも正直、しんどいものがありますね。私が数年前に乗ってたシトロエンBXなんて、フランスの過ごしやすい気候のためか、とにかく空調関係がいっさいペケ。デザインと乗り心地は素晴らしいんだけど、とにかくエアコンの効かないこと効かないこと。走り始め、一瞬だけ冷気を出したかと思うと、あとは熱風が勢いよく…。ほとんどサウナ状態。あんな中でのドライヴに、小言ひとついわず付き合ってくれた当時のガールフレンドの忍耐力には心底頭が下がります。

暑いからこそ、暑苦しい音楽を

In the Jungle Groove
James Brown
Polydor (2003/06/17)
スタンド!
スライ&ザ・ファミリー・ストーン
ソニーミュージックエンタテインメント (1991/09/01)
Live in Europe
Otis Redding
Atco (1991/11/05)

では、そのような不快指数100%のなか、どうやって暑さ対策をしていたか?
実は、過剰なまでにエネルギッシュなブラック・ミュージックを爆音で流すことによって凌いでました。すなわち、気分をアゲアゲにし、毛穴から汗を思いきり噴出させ、暑さそのものを楽しむ、というわけです。
たとえば、スライ・アンド・ザ・ファミリーストーンの『スタンド!』。
「スタンド!」や「エヴリデイ・ピープル」をはじめ、スライの名曲が目白押し!どのナンバーもちょっとロックっぽいファンクなんだけど、クルマなんかで聴いたら窓全開でハコ乗りしたくなっちゃいます。
そしてジェイムス・ブラウン『In the Jungle Groove』。
ヒップホップ世代に熱く支持された編集盤で、ファンキードラマーの延々と続くトグロを巻くようなグルーヴは、帰省ラッシュのハイウェイでこそ聞きたい。
他にもオーティス・レディング『ヨーロッパのオーティス・レディング』やウィルソン・ピケットの『In the Midnight Hour』など、黒人音楽のなかでも特にディープで熱いモノをチョイス。黒人の汗や体臭や息づかいまでも伝わってきそうなダイナミズムあふれる名盤が真夏のドライヴには欠かせないアイテムです。
ビーチ・ボーイズとかボサノヴァ、レゲエとかのいわゆる典型的な夏音楽は、清涼感こそ得られるもののサウナ状態でのドライヴにはまったくもって不向きかなと。毛穴を一気に全快して多量の汗の分泌を促してくれる、濃厚なブラック・ミュージックこそが、酷暑における最強のサマー・ドライヴ・マナーではないでしょうか。