10万kmを超えるとエンジン回りでも交換したほうが良い部品が山のようにある!

10万kmを目安に交換したいパーツは山のようにある!

走行9万7千kmで買った達人のロードスターは納車整備でタイミングベルトを自腹で交換した…

 では、10万km前後を走った中古車は、実際にお買い得なのでしょうか?私自身、実際に相場よりかなり安い10万kmオーバーの中古車を5台ほど買いましたが、それほど大きな問題には遭遇しませんでした。

 でも、「それほど大きな問題」というのがミソで、人によってはこれが大問題に感じられるかもしれません。

 事実、10万kmぐらい走ったクルマは、様々なところが交換時期に達していたり、ヘタってきているので、6万km程度走った普通の中古車の感覚で購入すると、少し痛い目に会うこともあります。

 まず、国産車でゴム製のタイミングベルトを使っているクルマは、大体が10万kmが交換の目安とされているので、10万km前後のクルマを買う際には、すでに交換してあることを記録簿などで確認するか、購入時の納車整備で交換しないとヤバイことになってきます。タイミングベルトの交換費用は車種によって変わってきますが、安くても3万〜5万円ぐらいは必要になってきます。

 他にもウォーターポンプや点火プラグ、プラグコードなども、それまで交換した形跡がなければ10万kmを目安に交換したほうが安心です。ちなみに、私が若い頃に乗っていたAE86トレノは9万5千kmでキッチリとタイミングベルトのコマが飛び、4年前に乗っていたベンツのCクラスは10万km直前で、ウォーターポンプから水漏れが始まりました。

 さらにサスペンションのダンパーやブッシュ、エンジンマウントなども、10万kmまで無交換だとしたら、かなりヘタって本来の乗り心地を発揮してはくれません。このように10万kmを目安に交換しておきたいパーツは、山のように出てきます。

結局は買ってからも、それなりにお金が掛かってしまう!

記録簿には今まで交換されてきたパーツが記載されているので必ずチェックしたい

 もちろんそれまでに、これらのパーツが交換されていればいいのですが、最近はディーラーの車検もユーザー側のコスト管理が厳しくなり、使える部品はギリギリまで使うことが一般的になっているため、早めに交換しているケースが少なくなってきています。記録簿などでこれらの部品が全く交換されていなければ、それなりの覚悟は必要でしょう。記録簿がない場合は、さらにリスクが大きくなります。

 つまり、10万km前後の中古車は、売っている値段は安くても、買ってから修理やメンテナンスに、それなりの費用がかかることを覚悟しておかなければなりません。加えて、納車前の整備で、それなりの部品を無償で交換してくれないのであれば、過走行で安くなった分の旨味はなくなってしまうと思っておいたほうがいいでしょう。

 次回は高年式の過走行車と、過走行車を買う時の見極め方をご紹介します。