優れたシャシー性能
新型フォーカスには1.6Lと2.0Lのエンジンが搭載されるが、1.6Lが発売されるのは12月から。当面は上級グレードの2.0のみの設定となる。直列4気筒2.0Lのデュラテックエンジンの実力は107kW/185N・m。特にパワフルというほどではないが、このクラスの自然吸気DOHCエンジンとしては平均的な実力といっていい。
実際に走らせた印象も、タウンモードで走るときにはまずまずのトルク感を感じさせ、わずかなアクセル開度でもしっかりした走りを味わわせてくれるが、箱根の山道で元気よく走らせようとすると、必ずしも俊敏なレスポンスという感じではない。マニュアルモード付きながら4速ATの設定もやや物足りない印象がある。
ちなみにフォーカスのシーケンシャルATはBMWやマツダのようにレバーを前方にに押すとシフトダウンで手前に引くとシフトアップする。この設定はまだ少数派で慣れないと操作に戸惑う感じ。オーナーになればすぐに慣れてしまうのだろうが・・・。
エンジンが平凡な印象であるのに比べると足回りはかなりしっかりした印象がある。前後にスタビライザーが追加され、リヤサスの取付部の剛性が高められたのが効果を発揮して、高い操縦安定性と乗り心地の良さとがうまくバランスされている。このシャシー性能はボディ全体の剛性の高さも貢献しているだろうが、クラスでも上位にくる実力といっていいものだ。電子油圧式のパワーステアリングの操舵感がとても好感の持てるものであるのと合わせ、フォードのあなどれない開発力を感じさせるものである。
●お勧めグレード
1.6が220万円で2.0が270万円。2.0は装備や仕様が向上したこともあって、従来のギアに比べて大きく価格がアップした。それでも買うなら2.0のほうがお勧め。1.6では装備が貧弱になってお勧めしにくい部分がある。ただ2.0がゴルフなどのライバル車として比べてどうかというと、必ずしも優位に立つとはいえない。デザインに対する好き嫌いなども含めて慎重に検討するといい。