自然なフィールが心地良い「癒し」のクルマ
ルーテシアの走りはごく自然で好ましい印象を与えるものだった。搭載されるエンジンは直列4気筒1.6Lの自然吸気DOHCのみの設定で、82kW/151N・mのパワー&トルクはまずまず平均的な実力。動力性能的には際立ったものではないが、アクセルワークに対する自然な感覚の吹き上がりや、回転の上昇に伴うリニアなトルク感じのトルクの盛り上がりが、自然で好ましい印象につながっているのだと思う。肩の力を抜いて、リラックスした運転のできるクルマだ。
組み合わされるマニュアルモード付きの電子制御4速ATは積極的にレバーを操作してマニュアル車感覚の走りを味わうこともできるが、そうした走りをするにはギアの段数がもうひとつ欲しい感じ。ATモードのままで走らせたほうが良い。ルーテシアには5速MT車の設定もあるので、走りを楽しみたい人はマニュアル車を選べばいい。
足回りはフランス車らしい柔らかさを期待するとやや外された感じになる。思ったよりしっかりした感じの安定感のある足回りなのだ。とはいえ、ドイツ車のように硬めの足回りというわけではなく、足回りのチューンもゆったりしたドライブ向きである。
●お勧めグレード
ボディタイプと3ドアと5ドア、グレードは3ドアには1.6エルが、5ドアには標準の1.6と1.6エルの2グレードが設定されている。両方のボディに注文生産車として設定される5速MT車も含めると5グレードのバリエーションとなるが、選ぶなら5ドアの1.6がリーズナブル。1.6エルを選べばアロイホイールやエアコンのオート機能が付くが、10万円の価格差を考えると標準の1.6で良いだろう。