欧州の文化を感じさせるシート
インテリアデザインは全体にフランス車的な柔らかさが特徴となる。丸みを帯びた造形処理が施されるほか、ダッシュボードやセンターコンソール、ドアトリムなどに使われる素材は、手触りも柔らかく、独特の質感が表現されている。各種スイッチ類の形状や操作性なども良くできていると思う。
シートはしっかりしているが硬くはない作りで座り心地とともにホールド性にも優れている。特に凝った作りのシートではないのに座ったときにデキの良さを感じさせるのは、長い椅子文化の歴史を持つヨーロッパ車ならではという印象だ。
室内空間はコンパクトカーとしては広い。運転席に座っても横方向の余裕が感じられるし、後席に座ると頭上や足元に余裕がある。従来のルーテシアに比べるとずっと広くなった印象だ。ラゲッジスペースの容量も33L拡大されて288Lになり、分割可倒式のリヤシートを倒せば694Lとなる。室内の各所に収納スペースが設けられているのは日本のクルマを思わせるようなところがある。
快適装備はひと通りのものが用意される。エアコン、オーディオ、オートライト、雨滴感知ワイパーなどが全車に標準。注目されるのは安全装備で、3ドア車にはアンチサブマリンエアバッグを含む8つのエアバッグが、5ドア車には6つのSRSエアバッグが装備される。ルノーはヨーロッパのNCAPにおいて最高基準の5つ★を最も多くの車種で獲得しているメーカーだが、このルーテシアも5つ★を獲得したという。