事故車を売っているお店の人は、どこを直しているか把握しているハズ

まずはお店の人に修復歴の内容を詳しく聞く!

中古車販売店はオークションで仕入れる時には、このような出品表を見ているので修復箇所は全部把握しているのだ

 前回は私が買った事故車の話をしましたが、今回は私が事故車を買う時に注意するポイントをご紹介します。私が修復歴があるクルマを買う時に最初にやることは、中古車販売店の人にどこを修復しているかを詳しく尋ねることから始めます。

 店側も修復歴があることは明言しているわけですから、どの場所をどのくらい直しているのかは把握しています。その修復場所を最初に説明してもらい、どれくらいのダメージを受けたクルマかの見当をつけます。業者オークションで仕入れた場合は、上の写真のような出品票に修復場所が書かれているので、直した場所は知っているはずです。

 ただし、ほとんどのお店の人は「ドアを交換しただけだから、走りには全然問題ない」みたいなことを言ってきます。ほとんどの場合、このような「少しぶつけただけ」みたいなハナシはアテにならないので、「他に修復している場所は絶対にありませんね?このクルマを私が手放す時には、買ってくれる人にウソをつきたくないので、注文書にすべての修復箇所を書いてもらえますか?」と聞きいてみましょう。もし、それを拒むようなら、もっと大きな修復歴があると思ったほうがいいでしょう。

出品票にはオークション会場の検査員が見つけた修復箇所が明記されている ホントはこの出品票も見せてもらいたい

 最近は修復歴の有無は誤魔化さないようになってきましたが、修復の度合いを誤魔化すことは、いまだに平気で行われているので、一応予防線を張っておきましょう。ひとまとめに事故車といっても、修復の度合いで価格も変わってきますので。

 でも、「どんな事故を起こしたクルマですか?」とか、「人身事故じゃないですよね?」ということを聞くのは無駄です。気持ちは分かりますが、お店の人も自分が事故を起こしているわけではないので、事故の内容までは知りません。修復の内容から、多少の予測はできるかもしれませんが、お店の人が知っているのは、『どこを、どの程度直したか』です。

車検が付いていれば極力試乗させてもらおう!

ナンバーが付いていない中古車は試乗が難しいので、より難易度が高い

 その修復歴がある事故車に車検が付いていれば、極力試乗させてもらいましょう。もし、運転に自信がなければ、お店の人に運転してもらって助手席に乗るのでも構いません。その時には、クルマが直進状態のときにステアリングもまっすぐになっているかや、ステアリングから力を抜いても、まっすぐ走るか、走っているときにヘンな振動がないか、などを確認しましょう。

 車検が付いていない時には、試乗はできないので、お店の人の言う『ちゃんと走る』という言葉を信用するしかありません。ただ、車検が付いていないクルマは、店が仕入れたときから車検が付いていないことが多く、お店の人も回送程度しか乗っていない可能性が高いので、あまり信憑性はありませんが…。

 気の効いた店だと、真剣に買う意志を見せれば、仮ナンバーを取ってまで試乗させてくれる店もあります。ただし、試乗して買わない場合は、手数料として最低でも1万円ぐらいは請求されても文句は言えないでしょう。よって、試乗のできないの事故車を買うのは、少しリスクが大きくなります。

 一般の人が事故車を見て、その程度を見極めるのは難しいものです。従って最初は、いかにお店の人に修復の状態を詳しく教えてもらうかということが、ポイントになってきます。それを踏まえた上で、ご自身でクルマをチェックするなり、試乗するなりして結論を出すようにしましょう。

 次回は私が実際に事故車をチェックする際に、どこを見て購入に踏み切るかをご紹介します。