スウェーデン ザ・対決 日本 VOLVO S60R VS ホンダ レジェンド
ROUND2 達人によるコダワリ評価
評価するのはこの達人たち
松下 宏 松下 宏

小さくて軽く、誰でも買える価格帯、そして燃費がよいということを信念としてクルマを評論。大本命といわれている車種さえ外してでも自らの信念を貫き通す熱いハートをもつ。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員としても、その信念は変わらない。

片岡 英明 片岡 英明

元教師という異色の経歴を持つモータージャーナリスト。クルマの細部まで見逃さない観察力はハンパではなく、徹底的に調べ上げてしまうほどのコダワリ。最新のクルマからヒストリックカーまで幅広い知識をもつ。

国沢 光宏 国沢 光宏

歯に衣を着せぬ原稿で、なにかと話題の自動車評論家。歯切れの良い文章も分かりやすく、多くのファンをもつ。カートップやベストカーなど多数の自動車雑誌に寄稿するだけでなく、WRCなどのTV解説まで幅広い活動を行なっている。

コダワリ評価GO!
エンジンフィーリング VOLVO S60R ホンダ レジェンド
松下 宏

S60Rにはターボ仕様の直5エンジンが搭載されるが、最近流行りの過給圧を抑えたいわゆるマイルドターボではなく、今どき貴重なパワフルな味付けとなっている。

7点

自然吸気の3.5リッターエンジンで300馬力に達する実力は十分なもの。S60に比べると150kgも重くなるが、その重量を苦にしないだけの性能だ。吹き上がりの滑らかで静粛性も上々。

9点
片岡 英明

排気量は2.5リッターだが、直列5気筒エンジンはターボの後押しによって高回転まで厚みのあるトルクを発生する。瞬発力は鋭いし、扱いやすいが、滑らかさは6気筒に一歩譲る。

8点

3.5リッターのV6エンジンは6000回転までストレスなく回り、レスポンスもシャープだ。高回転の伸び感とパンチ力は文句なしだが、排気量の割に低回転域のトルクは細く感じる。

9点
国沢 光宏

2.5リッターの5気筒ターボエンジンは、ターボなしなら3.2リッターと同等のトルクを幅広い回転域で発生する扱い易さ重視のユニットで、最高出力も300馬力と申し分なし。

7点

300馬力を発生する3.5リッターのV6エンジンを搭載。トルク特性はS60よりピーキーだ。2000回転くらいからアクセル踏んだときのパワーなら引き分けだろう。

8点
SUBTOTAL 22点
26点
走り VOLVO S60R ホンダ レジェンド
松下 宏

しっかりしたボディに支えられて安心感のある走りはボルボらしいもの。ハルデックスカップリングを使ったAWDシステムは滑りやすい路面でのレスポンスに優れている。

8点

前後と後輪の左右に自在に駆動力を配分するSH-AWDは画期的な4WDシステムといえる。余裕ある動力性能と合わせた走りの性能の高さはオンロードでも存分に発揮される。

9点
片岡 英明

ロングドライブや高速クルージングでは安定した走りを披露する。高速道路では優れた直進安定性を見せるし、滑りやすい路面でのコントロール性も優秀だ。乗り心地もいい。

7点

4WDであることを意識させない自然なハンドリングを身につけている。滑りやすい路面でもオン・ザ・レール感覚だ。狙ったラインに難なく乗せることができ、コントローラブル。

9点
国沢 光宏

4WDシステムは「電子制御ハルデックス」と呼ばれる「滑ったときだけ後輪も駆動」するタイプ。ただレスポンスが良いため、けっこうキッチリ走ってくれる。不満無し。

7点

凝った4WDシステムを採用しており、ワインディングロードから雪道まで気持ちよく走ってくれる。ただし、ステアリングフィールはイマイチ質感に欠ける傾向にある。

7点
SUBTOTAL 22点
25点
パッケージング VOLVO S60R ホンダ レジェンド
松下 宏

リヤピラーを寝かせてクーペを思わせるような流麗なデザインを採用するが、その割には後席のヘッドクリアランスは十分といえる水準。ただ、足元のスペースは広くない。

6点

大柄なサイズのボディを活かして室内空間にも十分な広さが確保されている。4WD車としてはトランク容量もたっぷりと確保されており、効率的なパッケージングだ。

8点
片岡 英明

インテリアはクールな印象で、質感も高い。シートは大ぶりで、包み込むような座り心地だ。運転席は体格に関わらずベストポジションを取りやすい。後席は頭上空間が少なめ。

7点

外観と比べるとオーソドックスなデザインだが、見栄えはいい。長いホイールベースの恩恵で、後席でも足元は広々としているし、乗降性も優れている。トランクは平均的な容量だ。

8点
国沢 光宏

ヨーロッパでのサイズ区分はアコードやプジョー407と同じ「Dセグメント」に属しているのだが、その割には大きく見えるし、リアシートの居住性もなかなか良好である

8点

セルシオに匹敵するボディサイズを持つ割には、あまり大きい感じはしない。デザイン的に小さく見えるのも、日本だとマイナス点かも。リアシートは十分広い。

7点
SUBTOTAL 21点
23点
安全性 VOLVO S60R ホンダ レジェンド
松下 宏

3点式シートベルトを発明したボルボが、大きなテーマとして取り組んでいるのがクルマの安全性だ。S60についても当然ながら極めて満足できるレベルの仕様が用意されている。

9点

ホンダの衝突実験の設備はボルボ以上のもの。そこで磨かれたレジェンドの安全性は歩行者傷害にも十分に配慮している。先進の車間距離制御やナイトビジョンなどもある。

9点
片岡 英明

ボディの骨格がしっかりしているし、車両安定制御システムやブレーキアシスト付きABSなど、予防安全装備も充実している。SIPSバッグやカーテンエアバッグも標準だ。

9点

世界初の4輪駆動力自在制御システムを筆頭に、横すべり制御のVSA、進行方向を照らすAFS、HIDヘッドランプ、ナイトビジョン、カーテンエアバッグなど、満足できる内容。

9点
国沢 光宏

事故を事前に防ぐ姿勢制御装置(ESC)も標準装備している。万一、事故に遭ってしまったときの衝撃吸収能力は定評あるところで、世界トップクラスの安全性を持つ。

9点

S60と同等の安全装備を確保したうえに、さらに追突事故のダメージを低減するシステムや、暗視装置などもオプション設定している。御予算さえあれば最高の安全が買えます。

10点
SUBTOTAL 27点
28点
プレミアム度 VOLVO S60R ホンダ レジェンド
松下 宏

ボルボのクルマ作りは基本的にファミリーカー。日本では輸入車としてプレミアムブランドの扱いになっているが、ブランド力はともかくプレミアム度はさほどではない。

8点

ホンダの最上級車とはいうものの、これまでのモデルがあまり売れておらず、高級車に必要な歴史の裏付けがない。現行モデルもブランド力はイマイチの印象だ。

7点
片岡 英明

ボルボは日本でも高いブランド力を誇る。だが、ワゴンの認知度は高いもののセダンの存在感は今一歩にとどまっている。プレミアム度もワゴンのV70に及ばない。これが弱点だ。

7点

現行モデルは車格感を大幅にアップし、メカニズムも最先端をいくものになった。が、販売台数を見ればわかるように、まだまだ高級車としての認知度は低い。優越感は今一歩。

7点
国沢 光宏

日本におけるボルボのブランドイメージは高い。ただしワゴンに対してセダンとなると、ベンツやBMWより弱め。したがってS60の販売台数も低空飛行しています。

6点

アメリカ市場を強く意識して開発したスタイルのためか、日本では厳しい。インスパイアにソックリなこともあり、高級車に見えないのだ。こちらも販売台数は伸び悩み中。

5点
SUBTOTAL 21点
19点

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