対決シリーズ第2回
ドイツ/BMW 540i ザ対決 日本/日産 フーガ450GT 第2回V8Lクラスサルーン編
ROUND3 総合評価
総合評価 BMW 540i 日産フーガ 450GT
松下 宏

BMW5シリーズはメルセデス・ベンツEクラスと並び高級車ブランドして世界中のユーザーから高い評価を受けている。Eクラスと違ってよりスポーティなクルマに仕上げられている点が大いに注目される点。運転する楽しさを追求したクルマ作りはフーガと共通するものでもあるが、総合的に見ればフーガを大きく上回っている。

フーガはアメリカ市場にも投入するクルマとして開発された。国内市場向けのセドリック/グロリアとは違うクルマを目指し、それは一定程度は成功したが、まだアメリカ市場に通用させるのが限界で、ヨーロッパ市場で認められるクルマになるのもまだまだ時間がかかりそう。ブランドの確立には時間も必要だ。

片岡 英明

伝統の走りのよさは、この5シリーズから新しい次元へと突入している。アクティブステアリングに代表される異次元のハンドリングは、新鮮だ。ドライバーズカーとしては一級の実力を秘めているし、V8エンジンも滑らかで気持ちいい。ただし、後席の快適性は今一歩にとどまるなど、プレステージセダンと考えると物足りない面も多々ある。

欧州のプレステージセダンを凌ぐスポーティな走りが自慢だ。ドライバーズカーとしての資質は高く、運転するのが楽しい。また、充実した快適&安全装備もフーガの魅力のひとつにあげられる。ミッションが5速ATにとどまるし、高級車としては乗り心地も今一歩だ。だが、ライバルと比べてリーズナブルな価格設定だから買い得感がある。

国沢 光宏

強い個性を売りにするBMWブランドの中にあって、5シリーズは地味な存在。日本では販売台数も伸び悩んでしまっている。とくに540iの場合、派手な7シリーズやSクラスに手が届きそうな価格設定だという点も厳しいかと。ただ「目立ちたくないけれど速いクルマが欲しい」というお金持ちなら最高のチョイスだと思う。

450GTに乗ると確かに速いし元気もあるし楽しい。けれど残念なことに「奥行き」を感じないのだ。例えばハンドリング。ひと昔前の日産車で感じた「世界一気持ちよく走るクルマを作ってやろう!」という意気込みは無いように思う。ゴーン体制になってからの日産車は薄味である。個性的じゃないと高額車は売れません。

TOTAL 129点
119点

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