2006年F1の変化
2006年のF1はバーレーンで開幕戦を迎えたが、今年のF1は例年になく白熱したレースが繰り広げられ「面白い」。
今年レースを面白くした要因がいくつかあるので紹介しよう。
2006F1の注目ポイント
BMW・ホンダがワークス参戦、ミッドランドやトロ・ロッソといった新チーム。そして純日本チームといえるスーパー・アグリF1の参戦など、参加チームが大幅に変更されたことにより、F1勢力図も変わってくることが予想されるが、同様にマシンのレギュレーションも今年大きく変わったことに注目だ。
今年、最も大きく違うのはエンジンが3.0リッターV10から2.4リッターV8に変わったこと(トロ・ロッソのみ特例で制限付き3.0リッター)。これにより、エンジンパワーが20%ほどダウンし、エンジンによる差が少なくなったこと。当然、マシンとのバランスが大切なので有力チームが速いことには変わりないが、全チーム“ゼロ”からの開発となった。
また、昨年禁止されていたレース中のタイヤ交換も復活し、ブリヂストンタイヤにも期待がかかる。
目が離せない予選
昨年は前レース結果の最後尾から順に予選アタックを1周のみ行うもので、コースには1台しかマシンがいない寂しい状況だったが、今年は3パートに分けたノックダウン方式で、全車一斉にタイムアタックを行うこととなった。
1次予選は22台が一斉にコースインし、15分間でタイムの悪い6台が振り落とされる。そして上位16台により2次予選が行われ、こちらも15分間でタイムの悪い6台を振り落とす。最終予選まで残れるのはトップ10までだ。それ以下の場合1次・2次予選の結果でグリッドが決定される。
そして最終予選がグリッドトップ10を決める重要なパートとなり、20分間でポールポジションを争う。今までの寂しい予選とは一転し、常にコース上にマシンがいる目が離せない予選となった。
そして、その予選でポールポジションを獲得したのはフェラーリのミハエル・シューマッハ。そして2番手もフェラーリのフェリペ・マッサ。そしてホンダのジェンソン・バトンが3番手、昨年王者のルノーのフェルナンド・アロンソが4番手。今年チャンピオン候補の一人であるマクラーレン・メルセデスのキミ・ライコネンは1次予選でマシントラブルによりクラッシュしノータイム、最後尾のスタートとなる。従ってタイム的には最後尾であった注目のスーパー・アグリF1のふたりは佐藤琢磨20位、井出有治21位と最後尾だけは逃れる形となった。
王者同士の争いと新勢力
決勝レースはフェラーリの好スタートで始まったが、2番手マッサの直後には4番手スタートのアロンソが背後に付き、トップのミハエルに追随するためマッサをパス。序盤から王者同士の争いとなった。
8週目、アロンソの直後を走るマッサがスピンしあわやアロンソと接触の場面があったが、間一髪接触は免れた。レースは先頭ミハエル、2番手アロンソの順で周回進んだが、1回目のタイヤ交換のピットストップ時にはややミハエル有利な状況も、2回目のピットストップまでにアロンソがミハエルとの差を縮めてきた。
2回目のピットストップでアロンソがミハエルの10cm前にコースイン、その後トップを守り開幕戦を優勝で飾った。ミハエルは2番手ゴールだったが、昨年の不振から脱し満足気な笑顔だったのが印象的だ。
そして3位表彰台に上がったのが、予選最後尾のライコネンだった。ライコネンは最後尾スタートのためレース戦略を変更し、ピットストップを1回に変更。その作戦が見事に当たったわけだが、それと同時に今年もマクラーレン・メルセデスは速いことが証明された。ホンダのバトンが4位、マクラーレンのモントーヤが5位、6位ウェバー、7位ロズベルグ、8位クリエンの順となった。
レース中の最速ラップは、ウィリアムズ・コスワースの新人ニコ・ロズベルグが記録し、新人ながらチャンピオン2世として十分その力を発揮した。レース中も多くのドライバーとバトルを繰り広げレース自体を面白くさせてくれた。
日本人の注目スーパー・アグリF1のふたりは、トラブルを抱えながら6回もピットインをした佐藤琢磨が18位完走。井出はマシントラブルのため35週目にリタイアとなっているが、事前テストがほとんど行えず、ぶっつけ本番としては十分な結果だろう。
昨年もレギュレーションが変更されたが、今年はそれ以上の変更が行われ多くのオーバーテイクが見られるようになった。そして、ニコ・ロズベルグのような活きの良い新人の加入でレース中の争いが増え、目が離せないレース展開となっている。
そして日本人としては、スーパー・アグリという純日本チームが参戦することによって、応援したいチームが増えた。ふたりの日本人ドライバーにも注目だ。
今年のF1は目が離せない。
そして、今日17日にマレーシアのセパンサーキットで第2戦が開幕する。