スバルワールドラリーチーム インプレッサ WRC エンジンビルドデモンストレーション

異彩を放っていたスバルワールドラリーチームのエンジンビルドデモンストレーション

2006年1月13日(金)〜15日に開催された東京オートサロン2006。
オートサロンといえばカスタムカーの一大イベント!もちろん主催者も各種チューニングパーツに注目してほしいところ。
 メーカー直系のブースも当然のごとく、2005年の東京モーターショーと同様に車をアピールすることに余念が無い。
 フェアレディZを前面に押し出した日産や、iPod対応カーオーディオで成功を収めたアルパインなど、各メーカともカンファレンスに熱心だった。

スバルワールドラリーチーム インプレッサ WRC エンジンビルドデモンストレーション

 男性諸氏は車以外にも、派手なキャンギャルやコンパニオンに目を奪われることだろう。
 ところが今回の女性陣は比較的地味(一般から見れば十分ハデですが・・・)な印象を受ける。モラル面や車への注目度向上の課題があるのかもしれない。
 その中で(ラリー好き&スバル好きの)注目を集めたのがスバルブースのエンジンビルドデモンストレーション。
他のブースとは違い、一風変わったムードが漂っていた。

美しく輝くパーツを眺めるだけでも価値あり

スバルワールドラリーチーム インプレッサ WRC エンジンビルドデモンストレーション

 デモの内容はWRカーのインプレッサ WRC2005のエンジンを、STIのメカニックが実際に組み立ての実演を行うというもの。
 実演を行っていたのははスバルテクニカインターナショナル(株) パワーユニット技術部チューニング課の平田 周柄 主任と鈴木 晋 主任のお二人。

スバルワールドラリーチーム インプレッサ WRC エンジンビルドデモンストレーション

 スバルワールドラリーチームの使用するエンジンは、構成部品のほとんどが日本で製作されている。
 組み立てられたエンジンはSTIのベンチテストで試運転し、性能の確認が行われる。その際に異音やオイル漏れ、性能の問題が少しでも生じた場合は、再分解し再び組み立て直すという。
 また、STIはWRCにも毎戦エンジニアを派遣し、ドライバーと直接コミュニケーションをとるなかで、さらなる性能向上へのフィードバックを行う。
 エンジンの構成部品は、STIの設計者が一つ一つの部品の形状を決めていくそうだ。

スバルワールドラリーチーム インプレッサ WRC エンジンビルドデモンストレーション

 組み立ては使用される約2ヶ月前から始められ、エンジン1台に1人が担当に就き、部品の選別、改修、組み立て、数値計測の全工程を責任をもって担当するという。
 完成後のエンジンは、使用されるイベント日程の1ヶ月前に、スバルワールドラリーチームの元へ送り届けられる。
 ちなみに東京オートサロンの会期中は第3戦メキシコ用のエンジンを組み立て中とのこと。

垣間見える仕事の美しさへのこだわり

スバルワールドラリーチーム インプレッサ WRC エンジンビルドデモンストレーション

取材時間の都合上、完成までお見せできないのは残念だが、お二人のコンビネーションでスムーズに組み立てられていく。
感心するのは「美しさを保つことに余念が無い」ということ。

スバルワールドラリーチーム インプレッサ WRC エンジンビルドデモンストレーション

 組み立て中も、作業台の油汚れを常にふき取り、その丁寧な仕事振りにプロフェッショナルさが伝わってくる。エンジンの美しさもさることながら、身の回りの美しさすら仕事のクオリティの一部というこだわりなのだろう。

組み立て工程