NA型ロードスター解体新書
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普通であることで快感が味わえるスポーツカーであった

 搭載エンジンはいたって普通である。何しろファミリア用と基本的に共通の直列4気筒DOHC16バルブ・ペントルーフ型燃焼室、総排気量1597ccのユニットで最高出力120馬力を発揮していたに過ぎない(初期モデル)のだから。280馬力の自主規制というものが作られた時代に登場したスポーツカーだとは思えないスペックをひっさげてスポーツカーであると言っていたのである。
 が、クルマの作りはまさにスポーツカーだった。トランスミッションは3〜5速がクロスレシオとなった5速MT(初期)。エンジン・オイルパンにはギアケースもボルト止めし、駆動系の捩れと曲げに対する耐性を向上させているというのである。さらにエンジン/ギアボックスユニットとファイナルドライブユニットは厚さ6mmの解放断面アルミフレームで連結一体化し、剛性を高めているのである。そして、当然、サスペンションは4輪ダブルウィッシュボーンであった。
 この中身こそ、昔からのスポーツカーなのである。電子制御に頼らず、人間の五感に訴えるもっとも基本的な構造を持った、類い希なるクルマに仕上がっていたのだ。

クルマ好きの心をくすぐるパッケージングと心を放さないスペシャルパッケージ

 素のロードスターからしてクルマ好きの心をくすぐりまくるような存在であったが、マツダはさらなるくすぐりを限定車&特別仕様車としてリリースし続けたのである。最初の限定ロードスタートして発売されたJリミテッド、ロードスターに豪華さを付け加えたSリミテッド、走り重視のRSリミテッド・・・。NA型ロードスター、グレードこそ少なかったが、そこは様々な特別仕様車や限定車を登場させることでカバーしたのである。きっと、次から次へと発売されるスペシャルなロードスターを見ては「俺のロードスターを買い換えようかな・・・」なんて思った人も多いことであろう。
 
 そんな特別なロードスターの中でも、もっとも特別な存在であったのがM2ロードスターであった。M2とはマツダが100%出資して作った会社である。TOKYOソフト開発実験工房と名付けた会社から登場するロードスターはいまだに高値で取引されるほどの人気を誇っているのである。
 たとえば・・・ライトウェイトスポーツとしての本質を堪能するために、エンジンからエクステリアまでに手を入れて登場した1001。1001の雰囲気を愉しめる1002。エンジンに手入れ1001以上の馬力を手に入れた1028。他にも様々などれもがロードスターの歴史に燦然と輝く名車となっているのである。
 
 売れないからと世界中の自動車メーカーが撤退しようとしていたオープン2シーターライトウェイトスポーツの世界。そこに登場したロードスターは、わずか9年間で43万台以上の生産されるまでに至った。このヒットを受けて、フィアットからはバルケッタが登場し、トヨタからはMR-Sが登場し、ベンツからはSLKが登場し、BMWからはZ3が登場した。どの自動車会社もロードスターの登場によって気づかされたのである。
 まだまだ世界中にクルマ好きが多いということを。
 そして、マツダはそんなライバル達の出現を受け、ロードスターをさらに熟成させることにしたのである。NA型ロードスターの製産は1997年で終了。1998年より二代目NB型が登場するのであった。

代表グレード
M2 1001
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
3970mm×1675mm×1225mm
車両重量[kg]
960kg
総排気量[cc]
1597cc
最高出力[ps/rpm]
130ps/6500rpm
最大トルク[kg-m/rpm]
15.1kg-m/5500rpm
ミッション
5速MT
価格
340.0万円
ディーラー
M2