WRXと1.5はまったく違うクルマ。
WRXに搭載される水平対抗4気筒2.0LのDOHCターボエンジンは、184kW(250ps)/333N・mの実力で、WRX STIに搭載されるエンジンに比べるとやや抑えた動力性能となるが、それでも1400kg前後のボディに250psからのエンジンが搭載されていれば走りは相当にパワフルなものになる。アクセルを踏み込めば直ちに豪快な加速が味わえるのは、ターボのピックアップが良くなっているからだ。
ワインディングを走るときには、コーナーでの回頭時にややフロントヘビーな印象が感じられたりするが、現実にはそれを感じている暇がないくらいに気持ちの良い胸のすく走りを見せる。ワゴンにはSTIの設定はないが、STIではなく標準のWRXで十分という気持ちにさせる。
足回りの安定性の高さも特筆モノだ。倒立式の4輪ストラット式スポーツサスペンションが採用されており、コーナーでも極めて安定感の高い走りが可能。それでいて乗り心地も悪くないのは足回りの熟成が進んだことを示している。
●お勧めグレード
スポーツワゴンWRXは単一グレードだが、標準モデルである1.5iSなどと比べると、価格も走りのレベルも格段に異なっている。エンジンひとつを見ても100psそこそこのエンジンと250ps馬力のターボエンジンなのだから、全く違うクルマと思っていい。セダンのWRX STIほどのスポーツ性は求めないが、スポーティで使い勝手の良いクルマが欲しいというユーザーに、スポーツワゴンのWRXがちょうどぴったりするだろう。