2006年、メルセデスがディーゼル車をついに導入?!

 今年の東京モーターショーでボクが一番衝撃的だったのは、メルセデス・ベンツが2006年にディーゼルエンジンのEクラスを日本で発売しそうだというニュースだ。これはハイブリッドカーだの燃料電池車といったコンセプトカーの展示が空虚に見えてくるニュースだ。
 
 ヨーロッパではディーゼルエンジン車が多い。特に大きなクルマほどそのシェアは高く、街に走っている中型以上の乗用車の中でガソリンエンジン車を見つける方が難しいくらいだ。倹約家が多いといわれるフランスでは、15年以上前からディーゼル車が多かった。

 それは燃費が良いからだ。ガソリン車に比べてディーゼル車は何割か燃費が良いから、燃料代が安く済むのだ。フランスやドイツではレギュラーガソリンと軽油の価格はほとんど同じである。それでも燃費が良い分をメリットとしてディーゼルを選んだのだ。

今のディーゼルは燃費が良くてスポーティ!

 今、日本では軽油の価格は100円前後である。レギュラーガソリンが120円、ハイオクガソリンが140円といったところだ。日本で軽油はハイオクに比べたら3割以上安い。つまり燃費が良い分儲けになり。さらに1リッター当たりの単価も安いときた。もしかしたらハイオクを使うガソリンエンジンの半分くらいの燃料代で済む可能性もある。

 燃費が良いということは地球温暖化で問題となるCo2の排出が少ないということだ。ヨーロッパのカーメーカーはここに敏感に反応し、燃費の良いディーゼルエンジンをより高性能化してきた。

 最近のヨーロッパ車のディーゼルエンジンはターボチャージャーが付いて、燃費が良く(ドイツで満タンで1000km走ったことがある)、排出ガスがきれいで、黒鉛が出ず(本当に出ない)、音が静かで(まろやかな音質でこれまでのディーゼルとは異次元)、走りの性能が良い(同じ排気量ならガソリン車より確実に良い)モノがたくさん出てきた。

 そのためヨーロッパの人たちがディーゼルエンジン車を「スポーティだから」という理由で選んでいるのだ。
そのディーゼルが日本でも手に入るということは非常にうれしい限りだ。

軽油の税金を上げられても、それ以上のメリットがある。

 数年前までは日本にはサルファフリーの軽油がなかったが、今はみなサルファフリー(硫黄分50ppm以下)になっているから、ヨーロッパのディーゼルエンジンでもそのまま使えるから問題ない。

 メルセデス・ベンツに刺激を受けて他の欧州カーメーカーのインポーターもすばらしいディーゼルエンジン車を日本に導入してもらいたいし、日本車メーカーもヨーロッパに出しているすばらしいディーゼルエンジンを国内販売してもらいたい。

 ディーゼルエンジンのシェアが多くなったら、揮発油税(軽油は安く、ガソリンが高い)が取れないからと、軽油の税金の上げてくる可能性もある。しかし運輸業界が、それでは採算が取れないからダメだと反対するだろう。そうなると政府は乗用車に使う軽油だけ増税という手段をとるかもしれない。

 それでもディーゼルエンジンはメリットがある。それくらい良いのだ。