プジョー407
プジョー407

箱根ターンパイクのような急激な登り坂が連続するような場合だと、2.2リッター車は少々きつい。6ATのミッションを含んだ3リッターのほうが上質感をより体感できる。

プジョー407

電子制御可変ショックを搭載して、ネコ足もさらに進化。しっかりと路面をつかみながら、自在に乗り心地をコントロールする。また、9つのエアバッグやESPなどの予防安全技術が、グレードに関係なく標準装備されている。一部のクルマには、グレードによって安全技術が差別化されているなどの問題があるだけに、安全装備の標準化は高く評価したい。

プジョー407

既存の3リッターエンジンの発展系。トルク&パワーとも約2%ほど進化している。とはいえ、もう少しパワーもトルクも欲しいところ。

プジョー407

158psと22.1kg-mをアウトプットする2.2リッターエンジン。市街地中心なら、必要十分といえる。

スタイル インテリア 走り&メカニズム

 明るく開放的な室内や静かでスムーズな走り、快適な乗り心地などによって、しみじみと「いいクルマに乗っているなぁ」という気分にさせてくれる。画期的なクルマ作りがなされているわけではないが、実感としていいクルマを感じるのだ。
 箱根ターンパイクで走らせた限りでは、正直なところ4気筒2.2Lエンジンではちょっと苦しいかなという印象。116kWのパワーが出ているのだが、車両重量も1500kgを超えて重くなっているからだ。いいクルマと感じたのはV型6気筒の3Lエンジン搭載したエクスクルーシブ3.0を走らせているとき。
 155kWの動力性能には重量に負けない余裕があるし、ATも2.2L車が4速なのに対して3L車にはアイシン製の6速ATが組み合わされる。走りのスムーズさでは断然3L車なのだ。さらに新しくなったダブルウィッシュボーン/マルチリンク式の足回りに加えて電子制御サスペンションまで用意されている。この足回りの乗り心地は標準仕様でもプジョーの猫足を具現化したものに仕上がっているが、電子制御サスペンションではさらに優れた乗り味を味わわせてくれる。
 ボディの全幅が1800mmを超えて小回りが効きにくくなったことなどは決して良いとはいえないのだが、ストレスを感じない快適な走りが407にはある。

●お勧めグレード

 407では2.2L車と3L車の価格差は30万円に設定されている。エンジンの排気量が大きくなってATの段数が増え、いくつかの装備の違いも含めてこの価格差なのだから、3L車のほうに買い得感を感じる価格設定である。当然ながらエクスクルーシブ3.0がお勧めグレードとなる。
 セダンとSWの価格差は20万円。これはどちらの使い勝手を求めるかによって決めれば良いが、ワゴンには電動シェード付きパノラミックガラスルーフが標準で付いてこの価格差なら、これもSWのほうに買い得感がある。

代表グレード
407セダンSPORT3.0
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
4,685×1,840×1,460
車両重量[kg]
1,650
総排気量[cc]
2,946
最高出力[ps(kw)/rpm]
210(155)/6,000
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
29.5(290)/3,750
ミッション
6AT
10・15モード燃焼[km/l]
8.0
定員[人]
税込価格[万円]
450.0
発売日
2005年6月11日
レポート
松下 宏
スタイル インテリア 走り&メカニズム