実はシートベルトをしていないタクシードライバーの実情

死んでもいいの? もはや安全意識や知識だけでは語れないプロドライバーのモラル低下・・・。

実はシートベルトをしていないタクシードライバーの実情

 日本の職業ドライバーの運転モラルは、自動車先進国と比べて決して高いとはいえない。ドイツのプロドライバーは道路交通法を守るだけでなく、相手に思いやりを持って運転する。ドイツでは、初心者に対してトラックドライバーのように運転することを目標にさせるが、日本ではそうはいかないだろう。
 
 日本のタクシードライバーのシートベルトの仕方を見ていると、安全に対する知識がなく、安全に走ろうという意識もないドライバーが過半数を占めることを証明している。確かにシートベルトを肩から廻しタング(金具)をバックルに挿してはいるが、ベルト自体はたるんでいる。たるませるためにショルダーアンカーのところにクリップを使ったり、大きめな安全ピンをベルトに刺して留めたり、紐や針金で縛っている例もある。

プロドライバー達よ、一般ドライバーの見本となって欲しい

実はシートベルトをしていないタクシードライバーの実情

 簡単なクリップなら多少たるませておいてもプリテンショナーによって衝突時にベルトを勢いよく引っ張り込むので、ある程度までならたるみをキャンセルすることもできる可能性はある。しかしタクシー仕様ではプリテンショナーが装備されていないクルマが多い。

 プリテンショナーが装備されていても安全ピンをベルトに刺してしまっては、プリテンショナーが作動したとしてもベルトを切ってしまい、ベルトが機能を発揮できない可能性が高くなる。また針金で縛ってしまってはプリテンショナーもうまく働かないだろう。

 プリテンショナーがうまく作動しないか装備されていないクルマでシートベルトをたるませている場合、もし衝突したらどうなるか?

 シートベルトの拘束力は極端に低下し、シートベルトをしていなのと同じ状態になる。つまり衝突時の身体の移動量が大きくなり、ハンドルやフロンドガラス、ときによってはピラーにぶつかって負傷や死亡に至る可能性も高くなる。

 プロドライバーならシートベルトくらい初心者のお手本になるように正しくしてもらいたいものだ。