フォード・フォーカス
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新型フォード フォーカスを最も印象付けるクーペ風リアビュー。(写真は1.6)

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Aピラーの付け根からリアエンドにつながるまあるいアーチラインも他にない新型フォード フォーカスならではの特長だ。(写真は2.0)

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「コックピットフィーリング」にこだわったという新型フォード フォーカスのインパネまわり。(写真は2.0)

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当初、2リッターと1.6リッター2種類の「デュラテック」エンジンが搭載される新型フォード フォーカス。

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最先端の安全技術を投入した新型フォード フォーカス。世界一厳しいと言われる欧州衝突安全試験ユーロNCAPで、なんと最高ポイント☆☆☆☆☆5ツ星を獲得している。

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フェンダーからボンネットフードにかけての複雑な面構成は、まるでひとクラス上のプレミアムクラスを彷彿とさせる。

フォード・フォーカス

先代からの進化ぶりが良く分かるサイドビュー。もちろん、パネルクリアランスなどディテールの品質にも抜かりはない。

全幅1840ミリって、コンパクトなんですか?

 シャープなエッジの効いたボディデザインで個性的なスタイルを誇っていたフォード・フォーカスがフルモデルチェンジした。先代のフォーカスは1998年にヨーロッパで登場し、世界80カ国で発売され400万台というビックセールスを記録したという、フォードのドル箱といえるクルマだ。日本でもコンパクトで個性的なボディとシャープなハンドリングで、違いが分かる輸入車ファンの間では、抜群の評価を得ていたクルマだ。

 そんな優れた先代フォーカスのイメージをそのままに、新型フォーカスを見た瞬間、思わず「デカイ!」と心の中で思いっきり叫んだ。慌ててカタログを開くと、なんとなんと全幅が1840ミリ! VWゴルフが1760ミリだから、なんと80ミリもデカイ! メルセデスのEクラスだって1820ミリなのだ。どうしちゃったのフォーカス? 

 そんなこんなで、発表会場でのプレゼンテーションでは、フォーカスのブランディングについて延々と説明があった。ひと通り話を聞いたあと、感じたのはVWゴルフやアウディA3などなどプレミアムコンパクトを主張するライバル達と同じ土俵に上がり、フォーカスもプレミアムコンパクトの仲間入りをしたいのだと。プレミアムって言葉は非常にメーカー側にとって都合の良い言葉で、プレミアムってことを連発すれば、多少高価でも良いっていう風潮がある。自動車の販売台数が伸び悩むこともあり、どのメーカーも一台あたりの利益を上げようと必死だからだ。

フォーカスって、無印良品的で好感度大だったのに・・・。

 ちなみに、ボクは少し前までフォードのモンデオに乗っていた。フォード・ヨーロッパのクルマは、無印良品的な魅力があるクルマだ。クルマそのもののクオリティも良いし、それぞれのクルマなりに運転して楽しいという要素も十分にある。そして、価格も他の輸入車よりも良心的だったりと満足感は高い。確かに、ブランドそのもの価値はそれほど高くはないかもしれないが、高いブランド力をもつ数ある輸入車の中からフォードを選んだユーザーにとって無印良品的要素で価値ある一台であることは間違いないのではないだろうか。そんな他の輸入車にはない魅力を持ったフォーカスが、自らその魅力を捨ててしまったような気がするのだ。新型フォーカス2.0のプライスは270万円(税込み)。先代フォーカスの2.0ギアが約244万円。どうしちゃったのフォーカス?

ファンな走りとCマックスの存在は、今から楽しみ!

 デザインは、ひとクラス上を狙っただけあり、以前ほどの個性は感じないがスッキリしていて好感度は高い。インテリアの上質感も先代より明らかに高い。全幅が大幅に大きくなったことで、居住性は大幅に向上した。リヤシートなどは広大で、このクラスで大人3人がきちんと座れる数少ない。すごいぞフォーカス!
 ボディはユーロNCAPで5つ星の最高評価を獲得しており、安全性も高いレベルにある。フォード・ジャパン・リミテッドによると、気になるワゴンボディの導入は今のところ未定。ワゴンボディの代わりに導入が検討されているのが、ミニバンボディをもつフォードCマックスだという。気になるぞCマックス!
 エンジンは2.0と1.6の2タイプが用意されている。2タイプとも直4のデュラテックエンジンで、2.0が145ps(107kw)1.6 が100ps(74kw)を発生する。価格は2.0は270万円(税込み)、1.6は220万円(税込み)。

 ボディサイズが大幅に大きくなったことで、今までのフォーカスらしさとは決別した感じがするが、別のクルマとして理解すれば納得ができる。先代フォーカスもそうだが、フィエスタなどフォード・ヨーロッパのクルマは、とても楽しいハンドリングをもっている。新型フォーカスも走りに関しても徹底的にこだわったというから、試乗するのが今から楽しみだ。

代表グレード
2.0
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
4350x1840x1485mm
車両重量[kg]
1330kg
総排気量[cc]
1998cc
最高出力[ps(kw)/rpm]
145ps(107kW)/6000rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
18.9kg-m(185Nm)/4500rpm
ミッション
電子制御4速AT
10・15モード燃焼[km/l]
11.6km/l
定員[人]
5人
税込価格[万円]
270万円
発売日
2005年8月5日
レポート
大岡 智彦(221616.com)
写真
徳田 透(221616.com)
取材協力
フォードジャパン・リミテッド