中国における燃料電池プロジェクトの一環

 ダイムラー・クライスラー日本は7月27日、ドイツ・マンハイムにあるダイムラー・クライスラー社のバス製造工場において7月12日、3台のメルセデス・ベンツ シターロ燃料電池バスが中国政府の代表団に引き渡されたと発表した。これらのバスは9月半ばに中国に到着する予定とのこと。

 このシターロ燃料電池バスは、中国市場向けに特別に考案された燃料電池プロジェクトの一環として、本年末より北京において19kmにおよぶ長距離路線で運行を開始する予定。この路線は、世界的に有名な庭園である、頤和園(いわえん)やオリンピック会場などを結ぶ、きわめて交通量の多い路線。

 中国における燃料電池プロジェクトは、2007年10月まで継承される予定で、路上での燃料電池技術の実用性、走行技術および輸送分野における水素燃料の生産、取り扱いなどについてその実現可能性を検証する。

 このプロジェクトには、DCのほか、中国科学技術部が参画し、プロジェクト管理部門が統括するとともに、中国国際経済技術交流センターが車両を購入、所有する。また、他のパートナーとして、世界最大交通機関の一つ北京公共交通社が3台の新しいシターロ燃料電池バスの運行を、世界有数のエネルギー企業であるBP社が水素燃料補給を、新しいエネルギーによる輸送技術を研究・開発しているSinohytec社が水素燃料の生産を担当し、清華大学がプロジェクトの科学的なモニタリングと成果の評価を行なうとのこと。さらに、国連開発計画も参加し、車両コストの40%を負担するとのこと。