GS430の試作車を士別にあるトヨタのテストコースで走らせた。高速周回路やカントリーロード、サーキットなどさまざまなシチュエーションが用意されたテストコースで、GS430はその性能をいかんなく発揮することができた。
高速周回路に入る合流車線に入りながらわずかにステアリングを切ると、一瞬手応えの軽さを感じる。今回のモデルでは車両の運動性能を総合的に制御するシステムの一環としてVDIM(ビークル・ダイナミクス・インテグレーテッド・マネジメント)が装備されていて、その一部に電子制御パワーステアリングと組み合わせたアクティブステアング機能が備えられている。それが低速で操舵力を軽くしているためだ。
高速周回路ではとにかく速い。速さを実感させないうちに超高速域に入っているのでスピードメーターを見て驚くほど。試乗したGSにはリミッターが装備されていなかったので直線の終わりでは250km/hを超える速度を記録したほどだ。安定してこの速度を出せるのは本当にすごい。
左右のタイヤを異なるミューの路面で走らせるようなサーキットでの試乗では、VDIMの効果がはっきりと体感できた。こうした路面で急ブレーキを踏んでも、安定して姿勢で停止できるのは可変ギアレシオのアクティブステア機能によるものだ。
ワインディングを走らせてもボディの大きさや重さを感じさせないのは、本当に高い走りの資質を備えているためだろう。試作車ではなく量産車を走らせるのが楽しみだ。