新型Aクラスに搭載されるエンジンは直列4気筒1.7Lと2.0Lの2機種。いずれもSOHCで動力性能は平均レベルにとどまっている。今回の試乗車はベースグレードとなるA170で、装備面でもウッドパネルや本革巻きステアリングなどが装備されてないシンプルなグレードだ。
動力性能は85kW/155N・mで、やや平凡ともいえる数値だが、最大トルクを発生する回転数が低くて幅広いので、日常シーンでは扱いやすく、アクセルを踏み込んでいったときの加速の伸びもまずまず。ただ、高回転まで回したときのパンチ力などはさほどではなく、箱根ターンパイクの急坂をのぼるようなシーンでは、もう少しパワーが欲しいと感じることもあった。逆に★★★★の低排出ガス車として認定を受けているのは注目される。
トランスミッションは7速マニュアルモード付きのCVTで、変速フィールそのものは上々のレベル。アクセルを踏み込むと先にエンジンの回転が上昇して後から車速がついてくるというCVTに特有の違和感はあるが、特に気になるレベルではない。むしろ7速マニュアルモードを積極的に使って気持ち良く走れるのがいい。
足回りはメルセデス・ベンツらしい安定感にあふふれたもの。横滑りを防止して車両の安定性を高めるESPも標準装備されているが、ドライのオンロードではこれが必要な状況には入りにくい。基本的な安定性が高いのだ。しっかりした手応えのあるステアリングと合わせて安心のドライブが可能である。
●お勧めグレード
今回試乗したA170なら車両価格は252万円とメルセデス・ベンツとしては相当に安めの水準。割り切って考えるならこれでも良いが、できるなら35万円ほど高いA170エレガンスを選びたい。装備や仕様が充実することでより満足できるので、長く乗れると思う。