コルベットに搭載されるエンジンはV型8気筒の6000cc。297kWというから馬力表示では400psを超える圧倒的なパワーと546N・mのビッグトルクを発生する。これを後輪2輪に伝えて走るのだから、半端ではない豪快な走りのフィールが得られる。
トラクションコントロールが装備されているとはいえ、スタンディングの状態からアクセルをいっぱいに踏み込めばすさまじいばかりの加速を示してくれるし、クルージングの途中からでもアクセルの踏み込みに応じてキックダウンして加速する。
トランスミッションは6速MTの設定もあるが日本では9割以上が4速AT。大トルクエンジンを搭載するのでATの段数が少なくても良いといえなくもないが、今どきのスポーツカーであれば5速や6速のATが装備されていてもおかしくない。多段化を望みたいところだ。
日本仕様は全車にマグネティック・セレクティブ・ライド・コントロールと呼ぶ連続可変式の減衰力調整システムが装備されている。そのためもあって、前輪が18インチ、後輪が19インチの超偏平ランフラットタイヤを履く割に乗り心地も悪くない。これはちょっとした驚きといえるレベルだ。
ボディとトランスミッションを合わせて3タイプの設定だが、大半のユーザーがクーペの4速AT車を選ぶことになる。これはこれで間違った選択ではないが、コルベットを買うなら6速MT車も選択肢として考えたいところ。今回は試乗できなかったが、スポーツカーらしさを求めるならやはりMT車を重視したい。