三菱 ランサーエボリューションIX
ランサーエボリューションIX

機能性を極限まで高めながら、プレミアム感の向上も図られたランエボIXのエクステリア

ランサーエボリューションIX

でっかいリアスポが目立つが、カーボン製の水平翼は中空化されていて、重量は従来並み!なんだとか。そのコダワリぶりはもはや「執念」!?

ランサーエボリューションIX

新たにMIVEC化された4G63型エンジン。型式こそ初代より変わらないが、環境性能も兼ね備える世界トップレベルの超高性能エンジンに生まれ変わっている。

ランサーエボリューションIX

ランエボIXには、スーパーAYCやACDなど、三菱独自の最先端電子制御装置により、「走る」「曲がる」「止まる」の運動性能全てを極限まで高めた『究極の4WDシステム』が標準装備される。

ランサーエボリューションIX

ルーフ後端で積極的に空気の縦渦を発生させてリアウインドゥ周りの空気を整流し、ダウンフォースを増大させる(!)という、ボルテックス・ジェネレーター(ディーラーオプション)。

ランサーエボリューションIX

エンジン冷却に必要な開口部は確保しつつ、不要な箇所はふさいで空気抵抗の軽減を図ったフロントバンパー。エボIXのアイキャッチとなる左右の丸い穴は、インタークーラーパイプ用の冷却ダクトだ。

ランサーエボリューションIX

これぞ『男の仕事場!』というシンプルなインパネ(写真はGSR)。しかし高価なモデル(GSRで357万円)なのだから、もう少しくらい色気があってもいいかもしれない・・。

ランサーエボリューションIX

GSRに標準装着されるレカロ社製フロントバケットシート。生地には人工スウェード「アルカンターラ」を採用し、サイド部には本革をおごるが、これはあくまでも機能性を重視した結果なのだという。

実に12世代目!三菱の先進技術の粋が集められたスーパースポーツ

 早くからプロトタイプ車の概要が伝えられており、その登場を今か今かと待ち望んでいた人も多いはずの、新しいランサーエボリューションシリーズ。これがいよいよ正式発売された。その名は『ランサーエボリューションIX』。

 ランサーエボリューションシリーズ、通称「ランエボ」は、市販車ベースで戦われるFIA世界ラリー選手権(WRC)への出場条件に必要なホモロゲーション(認可)取得を目的とした、生まれながらの戦闘マシーンだ。「ランサー」名の通りごく普通の4ドア車をベースに、スポーツ4WDと高性能ターボエンジンを搭載し、圧倒的な性能を誇るスーパースポーツセダンとして生まれ変わった人気のクルマだ。もちろんエボリューション(evolution)の名の通り、常に『進化』を宿命付けられたモデルでもある。今回の『ランサーエボリューションIX』は、92年10月に登場した初代のエボリューションから、GT−Aなどの発展モデルもカウントに入れると、実に12世代目のモデルとなる。

目玉は「エンジン」と「空力」の進化

 ランエボIXにおける『進化』の目玉は、第一に三菱自慢の連続可変バルブタイミング機構『MIVEC』の採用やターボチャージャーの改良などによるエンジン性能のさらなる進化、そして第二に空力パーツの改善などがあげられる。

 第二のこだわりである空力パーツだが、これも先代に比べ多義に渡り手が入っている。中でも、空力特性と冷却性能という、一見相反する要件をひとつにまとめているところが新しい。例えばフロントバンパーでは、空気抵抗の妨げとなる箇所はふさぎ風をスムーズに流しながらも、冷却のために必要となる大量の空気を取り入れる左右のダクトを新設するなどの手法を取っているのだ。

 ボディについても、従来型同様にアルミ製ルーフパネルや左右ドア内部のアルミ製インパクトバーを採用。重心よりはるか高い位置にある重量を軽減している。ちなみに、ルーフをアルミにすることによる軽量化はわずか4kg。しかしこれが、旋回時の性能向上には実に効くのだという。その他、今回のエボIXでは、音や振動の軽減も図っているというから立派だ(※GSRとGTのみ)。

 グレード構成は、従来から存在する最上級仕様のGSRと、競技車両ベースとなる簡素で軽量な仕様のRSに加え、今回新たにGTというグレードが追加になった。これはカンタンに言えば、GSR並みの快適仕様を装備したRS、ということになる。GSRには、先代のエボリューションVIII MRから継承された先進の電子制御4WDシステムと6速MTの組み合わせで、GTとRSには新開発チタンアルミ+マグネシウムターボチャージャーと5速MTが組み合わされるなど、各グレードのコンセプトに合わせて異なった設定がされているのが特長だ。

 細かな改良の積み重ねにより、「走る」「曲がる」「止まる」という車の運動性能を極限まで高めたランサーエボリューションIX。その高い実力のほどについては、近日公開される予定の試乗記をぜひ楽しみにしていて欲しい。

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代表グレード
GSR
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
4490x1770x1450mm
車両重量[kg]
1410kg
総排気量[cc]
1997cc
最高出力[ps(kw)/rpm]
280ps(206kw)/6500rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
40.8kg-m(400N・m)/3000rpm
ミッション
6速マニュアルトランスミッション
10・15モード燃焼[km/l]
10.0km/l
定員[人]
5名
税込価格[万円]
357万円
発売日
2005年3月3日
写真
三菱自動車工業