4.4Lという大排気量のV型8気筒エンジンは、245kw/450N・mという圧倒的なパワー&トルクを発生する。車両重量は1700kg台で、ボディや排気量の割には軽いので、V8エンジンの圧倒的な動力性能によって気持ちの良い加速フィールを味わうことができる。パワフルかつスポーティな走りのモデルだ。試乗したのはシーケンシャルタイプのSMGを装着したモデルで、2ペダルながらマニュアル車感覚の走りが可能。
このトランスミッションの操作感やレスポンスは、数あるトランスミッションの中でも極めて優れたものといえる。慣れるまではちょっとぎくしゃくするかも知れないが、ダイレクト感のある反応の良さはSMGなではだ。強いて言えば、6速ATよりも高い価格と、6速AT並の重量が難点だが、これはだんだんに解消されていくだろう。
足回りは前が35、後ろが45という超偏平タイヤを履く割には、乗り心地とのバランスも取れていて、硬めではあるが乗り心地も悪くはない。BMW独自の技術によるシャープなステアリングのフィールも良い。
645CSiとしては6速ATとSMGが選択できるほか、6速ATのみの設定となるカブリオレがチョイスできる。いずれも1000万円級の価格が設定されており、簡単に買えるクルマでないのは確か。強いてお勧めを挙げるなら、SGM仕様のクーペということになる。