新型アストラでは快適性と高いアクティブセーフティを両立させたIDS(インタラクティブ・ドライビング・システム)と呼ぶシャシーシステムが特筆される。これは単なる電子制御サスペンションではなく、エンジンやATとの総合制御を可能としたもので、ESPプラスやABS、さらに一部の上級車用のシステムであるCDC(コンティニューアス・ダンピング・コントロール)などが含まれる。特に走行状態に応じてダンパーを連続可変でコントロールするCDCは、このクラスの競合車にはないアストラならではのものだ。
CDCが採用されるのは1.8スポーツと2.0ターボスポーツの2モデルで、インパネ上に設けられたスポーツボタンを押すことで、サスペンション・セッティングのほか、ステアリングとアクセルのレスポンス、ATのシフトチェンジポイントなどが変わり、スポーティな走りに最適化した仕様となる。
実際に走らせた印象でも、それなりにメリハリの効いた走りが可能なので、このシステムのメリットは大きいと思う。強いていえばスポーツモードはサスペンションを中心にもっとスポーティな味付けにしても良いのではないかという印象だった。
1.8LのECOTECエンジンはこのクラスの平均的な動力性能で、市街地から高速クルージングまでフレキシブルな実力を発揮する。普通のユーザーにはこれで十分といった感じだ。これに対して2.0ターボスポーツは、200ps(147kw)のパワーを発生する2LのDOHCターボ仕様のエンジンを搭載することもあって、6速MTとの組み合わせによって豪快な加速フィールが楽しめる。
2.0ターボスポーツもけっこう魅力的なモデルだが、一般的なユーザーの選択としては1.8スポーツだろう。このモデルにも先進の電子制御シャシーが用意されるので、十分に走りを楽しむことができる。265万円という価格設定も実にリーズナブルなものだ。