オペル アストラ
アストラ

フロント&リヤとも共通のV字型のフードデザイン。より、立体的な造形をアピール。

アストラ

ボディデザインと共通のコンセプトでデザインされたインパネ。インテリアもスポーティなムードでイッパイだ。

アストラ

1.8リッターの直4エンジンは、扱いやすい実用型だ。

アストラ

200馬力を発生するターボエンジンは、アストラシリーズ初の6MTと組み合わされる。

アストラ

デザイナーは、アストラのプロポーションの良さを徹底的にアピールしていた。

シャシー制御システムなど、プレミアム性を大幅アップ!

モデルチェンジ。モデルチェンジの度に、ボディサイズの拡大化&高級化へと走りつづけたゴルフが、コンパクトハッチバックであるという認識は、もはや過去のこと。プレミアム・コンパクト路線へとシフトしている。その後を追うように、今回のフルモデルチェンジでアストラもまたプレミアム・コンパクト路線へ進化した。

 ボディサイズは、全モデルに比べ全長で145mm長くなり4255mmに。全幅も約50mm拡大されて1760mmとなった。もはや、どこがコンパクトなの? と、思ってしまうほど立派なサイズだ。

 ところが、このアストラ、少し離れて見るとスペックほど大きく見えないのだ。この視覚的効果は、スポーティなデザインによるところが大きい。とにかく、全体にシャープなエッジを効かせたラインを多用。ピンっと張りつめたテンションの高いボディラインこそが、アストラのデザインの生命線。ボディ全体をギュッと引き締め、スポーティなルックスに見事なまでにまとめている。

 インテリアもスピード感あるエクステリアのデザインテイストを踏襲。張りのある面で構成され、力強さを感じさせてくれる。メーターは、同サイズの円形タコメーターとスピードメータを配置したオーソドックスなデザインだ。センターコンソールに装着されたオーディオは、最大150Wのアンプを内蔵。7つのスピーカーで高品質なサウンドを奏でる。リヤシートの特徴は、4:2:4の3分割可等式シート(1.8スポーツと2.0ターボスポーツのみ)にある。中央のシートだけを前方に倒せば、長尺物の楽々積み込めるというわけだ。リヤシートの座り心地は、スッポリとお尻がシートにはまり、ヒザを抱えて座るような印象。お腹の出たオジサンには、少々ツライかも。それでも、BMWの1シリーズと比べれば、さすがに余裕タップリ。

 グレードは1.8CDと1.8スポーツ、2.0ターボスポーツの3タイプが用意される。1.8CDとスポーツは、1.8リッター直4のエコテックエンジンを搭載。125馬力と17.3kg-mのトルクをアウトプットする。1.8リッター車はすべて4ATと組み合わされる。2.0ターボエンジンは200馬力と26.7kg-mというトルクを発揮し、6速MTと組み合わされスポーティドライビングへと誘ってくれる。

 アストラ走りを支えるシステムとして、全グレードにIDSと呼ばれるシャシー総合制御システムを搭載。サスペンションやステアリング、ABSなどなど各システムやセンサーからの状況を集約し、より車両を安定化させる仕組みをもつ。さらに、スポーツとターボスポーツに関しては、走行状況に合わせてサスペンションのダンピングを制御するIDSプラスが設定される。この機能は、スポーツ走行というだけでなく、不意なアクシデントにも対応するアクティブセーフティとしても重要な意味をもつのだ。

 安全性という意味では、アストラはヨーロッパの安全基準であるユーロNCAPで最高の5つ星を獲得したほど。先代のアストラに比べ、曲げ剛性で52%も向上している強固なボディによるところが大きい。

 ヨーロッパでは、永遠のライバルであるゴルフを抑え大きな支持を集めたアストラ。日本市場での結果はどうなるか? スポーティなルックスを武器に、日本市場も席巻するのだろうか? ゴルフ対アストラ、意外なところで、先にワゴンを投入した側に勝機があるのかも・・・。

代表グレード
1.8スポーツ
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
4255×1760×1470
車両重量[kg]
1270
総排気量[cc]
1795
最高出力[ps(kw)/rpm]
125(92)/5600
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
17.3(170)/3800
ミッション
4AT
定員[人]
税込価格[万円]
265.0
発売日
2004年11月6日
レポート
大岡智彦(編集部)
写真
徳田 透(編集部)