日産 ティーダ
ティーダ

下部へ向かうほど絞り込んだデザインになるハッチゲートは、デザインを優先したカタチ。

ティーダ

ドーンとした存在感のあるセンタークラスター。各スイッチ類が集中している。

ティーダ

ティーダは、サイズの割には大きめのシートをもつ。座面には、低反発のウレタンを使用。

ティーダ

後席は240mmのロングスライドが可能。最前方にスライドさせると、ウイングロード並みの荷室長になる。

ティーダ

ラゲッジ下部の開口部は、絞り込まれたデザインのため長尺物を横に積む場合など若干狭い印象。

ティーダ

新エンジンとCVTのカットモデル。HR15エンジンは、今後日産の主力となる。

理想のカタチ。小さなボディに大きな空間。

「コンパクトカーの質をシフトする」。そんなブランドCMで、すでにお馴染みの「ティーダ」がついにデビュー。その詳細が明らかになった。

 今回のティーダの特徴は、高級なインテリアとクラスを超えた居住性にあるという。その日産のインフォメーション通り、確かに今までのコンパクトカーとはひと味違う高いクオリティが魅力ではある。ティーダのインテリアに使われる素材は、柔らかさをテーマに徹底的に吟味されたものを使用。触れたときの感触はもちろんのこと、素材が持つ風合いが、なぜか落ち着ける雰囲気を作り出しているのだ。

 当然、素材感だけでくつろげる空間を作り出しているわけではない。比較的に大きめのフロントシートや、シーマ並みの1836mmという室内長など、感覚以外の要素もあってこそのラグジュアリー空間である。後席も十分に広い。少々、浅めにリヤシートに座ってみても、膝まわりの余裕は十分。お尻を沈め、膝を抱えるように座り無理やり膝まわりのスペースを稼ぐタイプのリヤシートではないので、長距離ドライブでも疲労は少ないだろう。後席横方向のスペースは、横幅が5ナンバー枠の1695mmということで、大人3人がゆったりというわけにはいかない。これは、5ナンバーサイズにこだわった結果ともいえる。

 ティーダの発表会場では、デザインやインテリアなどのプレゼンテーションに、とても力が入れられていた。確かにコンセプトである質について語るには、一番わかりやすい部分でもある。

 プレゼンテーションでは、軽く流されていたがこのティーダから投入された日産の新主力エンジンHR15DEの役割はとても大きいと思う。コンパクトカーの場合「音」というのは、とても重要な要素をもつ。音ひとつで、どんなに質感を上げても走り出した瞬間にチープさを感じてしまうのだ。とくに、エンジンは多くの音や振動を作り出す。その主役となるティーダのHR15DEエンジンは、10年以上使われた先代のQG15エンジンに代わっての登場だ。オールアルミ化はもちろん、等長インテークマニホールドによる効率のアップと音質のチューニング、振動を軽減するマウントの強化などなど、新世代のエンジンに求められ質の向上に力が注がれた。パワーこそ109馬力とごく平均的なものだが、その余力をすべて日常に使う低中速トルクに振り分けたというほど、走りの質にもこだわったというのだ。ぜひ、そのあたりを試乗記ではチェックしたい。

 ティーダのデザインは、エッジの効いたキャラクターラインをポイントに使い引き締まったシルエットに仕上げている。少々、線が細いように感じるが、日産流にいうと「スパイシーなディテール」なんだそうだ。また、アイキャッチになるのは、大胆なヘッドライトとリヤのコンビネーションランプ。どちらも、フェンダーの奥までグルリとまわり込んだ超大型。そのため、押し出し感のある力強いスタイリングになっている。
 
 キューブやマーチといった個性派コンパクトチームに仲間入りしたティーダ。日産のコンパクトカー戦略が始まった。

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代表グレード
15M
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
4205×1695×1535
車両重量[kg]
1140
総排気量[cc]
1498
最高出力[ps(kw)/rpm]
109(80)/6000
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
15.1(148)/4400
ミッション
CVT
10・15モード燃焼[km/l]
18.2
定員[人]
税込価格[万円]
157.5
発売日
2004年9月30日
レポート
大岡智彦(編集部)
写真
佐藤 誠(編集部)