オペル アストラ
アストラ

ボディサイズは、ひとまわり大きくなった。とくに、全長は全モデルより+138ミリも長くなった。

アストラ

センターコンソールなどをメタリック調に塗装したスポーティなインテリア。

アストラ

ホールド性の高いセミバケットタイプのシートを装着

アストラ

オリジナリティの高い菱形のヘッドライト。ひと目でアストラとわかる顔だ。

アストラ

テールランプのヘッドランプ同様に、菱形をモチーフに。切れのある造形が美しい。

ボディもより大きく、そしてなによりも精悍になった!

オペルの主力モデルに位置づけられるコンパクトカーがアストラ。かつてのカデット以来、ゴルフと競争を続けてきたクルマである。次期アストラも現地ではゴルフとタイミングを合わせるようにフルモデルチェンジが行われており、日本でもゴルフに続いてこの秋に導入される予定だ。
本国では、価格アップなどが嫌われて販売開始直後の売れ行きが鈍かったゴルフに対し、アストラは順調な立ち上がりを見せており、販売面でもその差が縮小したという。
今回のアストラは、取り敢えず5ドア車だけが発売されたが、追ってステーションワゴンや3ドアも登場するという。その5ドアボディはひと回り大きくなった。全長が139mmも長くなったのを始め、全幅は44mmも広く、全高は35mmも高くなった。完全にひと回り大きくなったワケで、もはやコンパクトカーとは言いにくいサイズである。
外観デザインは、最近のオペルらしいフロント回りとなり、大型のフロントグリルなどが精悍なイメージを与えている。リヤビューもメッキのバーが配置されて個性的な雰囲気を作っている。

ワイドで広がり感のあるインテリア

転席に座ると、室内にはゆったりした感じの空間が広がる。全幅の拡大が貢献してショルダールームの余裕が大きくなったし、頭上に大きな空間が確保される。この広さは後席に座ったときのほうがよりはっきりと感じられる。ヘッドルーム、ニースペースとも格段に広くなっているからだ。ボディが大きくなったのだから当然ともいえるが、ラゲッジスペースも含めて室内空間の拡大は大きなポイントである。
インテリアデザインは外観デザインとの調和が図られていて、ボンネットからセンターコンソールに連なるラインが設けられるなど、視覚に訴えるデザインが採用されている。インパネ全体のイメージはワイドな広がりを表現したもので、メタル感覚のインストセンターのパネルが斬新なイメージを作っている。
装備関係では安全装備の充実化が注目されるところ。シートベルトは全席とも3点式となり、ベルトテンショナーとフォースリミッターが備えられる。シートベルトを装着しないで走り出すと警告ランプと警告音で知らせる仕組みだ。このほかアクティブ・ヘッドレストやペダルリリースシステムなど、さまざまな安全装備が採用されている。

軽快なフットワークと優れた乗り心地を両立!

アストラはオペルの主力モデルであるだけに、5種類のガソリンエンジンと3種類のディーゼルエンジンという豊富なエンジンラインナップが用意されている。日本には1.6Lと1.8L、それに2Lターボのエンジンが導入される予定とのこと。ヨーロッパではオペルに限らずデキの良いディーゼルエンジンが用意されているが、日本には導入される予定はない。
今回オペル本社のあるリュッセルハイム周辺で試乗したのは1.6Lと1.8Lのガソリン車。1.6Lはイージートロニックと呼ぶオートマッチモード付きの5速MTで、1.8Lは通常の5速MT仕様とされていた。
新型アストラを走らせてまず感じられたのはフットワークの軽快さだ。アストラのサスペンション形式はストラット/トーションビームで変わらないが、IDS(インタラクティブ・ドライビング・システム)プラスと呼ぶ進化型のシャシーシステムが採用され、電子制御式のCDC(連続ダンピング制御)と合わせて優れた乗り心地と高い操縦安定性を高次元でバランスさせている。
アストラの1.8L車などは17インチの45タイヤというスポーツカー並の超偏平タイやを履いていたので、乗り心地そのものは相当に硬くて安定性重視の味付けなのだが、その割に乗り心地がスポイルされることはなかった。
日本へはパワフルな2Lターボも含めて導入されるはずなので、ゴルフと競合するだけでなく、スポーティカーとしても注目される存在になりそうだ。

ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
4249×1753×1460
車両重量[kg]
1230
総排気量[cc]
1796
最高出力[ps(kw)/rpm]
(125)/5600
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
(170)/3800
定員[人]
5
税込価格[万円]
未定
発売日
2004年秋頃を予定
レポート
松下 宏
写真
オペルジャパン
取材協力
オペルジャパン