やめた方がいいって本当?中古ハイブリッド車のリスクと購入時のポイント

やめた方がいいって本当?中古ハイブリッド車のリスクと購入時のポイント

中古ハイブリッドはやめた方がいいって本当?

中古ハイブリッドは「故障しやすい」「修理代や部品交換代がかかる」といわれることがあります。しかしこれは一部に限られた話です。
古すぎず、丁寧に整備されているなど「故障のリスクが低いクルマ」を選べば、中古ハイブリッドでも長く乗れる可能性が高いでしょう。

購入者の失敗事例

過去に中古でハイブリッド車を購入した人の中には、確かに「買って後悔した」という事例もあります。ここではどのような失敗があるのか、具体的な例をご紹介します。

事例①メーカー保証が切れていた

中古で購入したハイブリッド車に不具合があり、ディーラーへ向かったAさん。Aさん自身が購入してからの経過期間は短かったものの、5年落ち以上のクルマでメーカー保証が切れていました。そのため修理は有償でした。

事例②購入後に故障、高い修理費がついた

中古でハイブリッド車を購入したBさん。購入から約1年後、走行中に異音がしてハイブリッドシステム異常の警告灯が点灯しました。ディーラーで見てもらったところ、ミッションに異常があり、20万円の修理費がかかりました。「燃費が良くてもすぐに故障し、高い修理費を払うなら新車で良かったのでは…」と後悔したそうです。

事例③水没車の疑い

インターネットで見た中古のハイブリッド車を取り寄せたCさん。外装や内装の状態は良かったものの、エンジンルームを見ると錆びていました。販売店は「水没車でない」と回答してきたものの、状態の悪さに不信感と不安感が残りました。

中古ハイブリッドが嫌厭される5つの理由と対処法

「中古ハイブリッドは買わない方がいい」といわれる理由をまとめると、以下のような意見があります。

  • メーカー保証が切れている可能性がある
  • ガソリン車より修理費が高い場合がある
  • 駆動用バッテリーの交換費用が高い
  • バッテリーが経年や走行で劣化する
  • 修復歴のあるクルマや水没車の可能性がある

メーカー保証が切れている可能性がある

いざとなった時に役立つメーカー保証。多くの場合、保証期間は3~5年程度です。そのため5年落ちなどの中古車を購入すると、メーカー保証を受けられない可能性があります。

メーカー保証を受けたい場合は各メーカーの保証期間を確認するとともに、年式が新しく走行距離の短いモデルを選びましょう。

ガソリン車より修理費が高い場合がある

ハイブリッド車はガソリン車と比べて様々な部品を搭載しており、システムも複雑。そのため故障すると、修理費が高くなりやすいです。

ただし最近のハイブリッド車は以前よりずっと丈夫です。近年は「中古で買ったら故障した」という口コミもかなり減っています。 心配な場合はメーカー保証の残っているクルマを購入したり、保証サービスの充実した販売店でクルマを選んだりしましょう。

駆動用バッテリーの交換費用が高い

ハイブリッド車の駆動用バッテリーは、交換に約20万円かかります。古いモデルであれば、40万円以上するようなこともあります。

ただし近年は駆動用バッテリーの寿命が延びているため、年式の新しいモデルを購入すれば簡単には壊れません。中古でもバッテリーの劣化具合を確認して購入すれば、大きな問題はないでしょう。

バッテリーが経年や走行で劣化している

駆動用バッテリーは一般的なクルマの部品と同じように、経年や走行で劣化します。特に昔のハイブリッド車のバッテリー寿命は短く、中古での購入は良くないと言われていました。

しかし最近のハイブリッド車の場合、駆動用バッテリーの寿命は走行距離15万キロ以上・製造後10年以上といわれています。そのため中古で買っても、新しいモデルならガソリン車とそう大きな違いは出ないでしょう。

修復歴のあるクルマや水没車の可能性がある

悪質な販売店は修復や浸水といった情報を隠してクルマを販売していることもあります。 このような販売店は少ないものの、対策として「全国展開している大手」「修復歴を公開している店」「一般社団法人自動車公正取引協議会(公取協)に加盟している店」など、信頼できる販売店を選ぶようにしましょう。

【まとめ】中古ハイブリッド選びのポイント

上記で紹介した通り、近年のハイブリッド車は技術の向上により故障リスクが低くなり、バッテリー寿命も延びています。中古ハイブリッドを購入する際は、以下のポイントを参考にクルマを選びましょう。

  • ポイント①年式と走行距離を確認
  • ポイント②修復歴や過去の整備状況を確認
  • ポイント③バッテリーの劣化具合を確認
  • ポイント④信頼できるお店で購入

中古ハイブリッドを購入するときは、まず年式の新しいモデルを選ぶのがおすすめです。新しいモデルほどハイブリッドシステムや燃費性能が高く、バッテリーも故障しにくいからです。また中古車は過去の使われ方が分かりにくいため、気になることは販売員に聞き、信頼できるお店を選びましょう。

Q. 走行距離はどれくらいが目安?

走行距離は「長すぎず、短すぎない」ものを選ぶのがポイントです。1年に2万キロといった過走行もバッテリーに負担をかけますが、放置した場合もバッテリーの品質は悪化します。そのため走行距離は「1年あたり5000~1万キロ」を目安にしましょう。

Q. バッテリーの劣化具合の確認方法は?

バッテリーの劣化具合は、クルマの外観では分かりません。しかし車両の燃費情報と、実際の中古車のメーターに表示される燃費計を見比べれば、バッテリーの劣化具合が推測できます。車両の燃費情報に比べて燃費計の数字が低ければ、バッテリーが劣化している状態です。

また電圧のばらつきを数値化した「Δ(デルタ)SOC」を確認してもバッテリーの状態が分かるので、販売店で確認できないか依頼してみてください。

中古ハイブリッドはメリットも多い!

かつて「中古ハイブリッドは壊れやすい」と言われていましたが、現在のハイブリッド車は簡単に壊れず、バッテリーの寿命も長くなっています。また新車時価格が高いからこそ、中古なら車両価格を抑えられるというメリットもあります。

13年越えでも重課されない

ハイブリッド車のメリットの一つは、登録後13年を超えても自動車税や自動車重量税の重課がないこと。そのため故障に気をつければ安い維持費を保てます。今後はクルマの電動化が進み、ますますガソリン車への規制が厳しくなるでしょう。今から低価格の中古ハイブリッドを検討するのもおすすめです。

ガリバーではメーカー横断のハイブリッド車おすすめランキングを紹介しているので、クルマ選びの参考にしてください。

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Supervised by norico編集長 村田創

norico編集長_村田創

中古車のガリバーに勤務して20年以上のベテランが車の知識をわかりやすく解説します。車のことは、多くのメーカーを横断して取り扱うガリバーにぜひ聞いてください。「車ってたのしい!」を感じてほしいと思っています!