クルマ用サンシェードは、夏の車内温度自体を抑制する効果は高くありません。しかしダッシュボード近辺の温度上昇を抑え、始動時のエアコンも効きやすいです。ここではクルマ用サンシェードの温度抑制効果やその他のメリット、種類と選び方のポイント、おすすめ5製品を紹介します。
サンシェードによる温度抑制効果は?
車両の状態とボディカラー | 車内 最高温度 |
車内 平均温度 |
ダッシュボード 最高温度 |
---|---|---|---|
対策なし/黒 | 57℃ | 51℃ | 79℃ |
対策なし/白 | 52℃ | 47℃ | 74℃ |
サンシェード装着/白 | 50℃ | 45℃ | 52℃ |
窓開け3cm/白 | 45℃ | 42℃ | 75℃ |
エアコン作動 | 27℃ | 26℃ | 61℃ |
※参考:JAF「真夏の車内温度」(JAFユーザーテスト)、外気温35℃の環境で4時間車内温度の変化を観察した結果
過去のJAFの実験結果によると、サンシェードが車内温度の上昇を抑制する効果は限定的です。同じ白色の車両を炎天下で駐車した場合、サンシェードの有無で車内最高温度と車内平均温度は2℃ずつしか変わりませんでした。
ただし、ダッシュボードの温度上昇を抑制する効果は高いです。ダッシュボード部分は、対策しない場合と最高温度が20℃以上異なり、エアコンを作動した場合と比べても10℃以上低いです。
ハンドルなどが熱くなりにくい
サンシェードを使うと、ダッシュボードだけでなくハンドルが熱くなるのも抑えられます。炎天下で駐車してクルマに戻ると、ハンドルが熱くて握れないこともあるでしょう。そういった心配がないのが、サンシェードを使う良さの一つです。
始動時のエアコンの効きも良くなる
サンシェードがあれば、わずかでも車内温度の上昇を抑制できます。ダッシュボードに熱が溜まるのを防ぎ、空気も熱されにくくなるため、エアコンの効きも良くなります。
駐車中の温度上昇を抑えるより、エンジン始動後、早く快適な環境を整えることに役立つグッズと考えましょう。
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サンシェードの意外な効果3つ
サンシェードは、夏の暑さ対策に購入する人が多いですが、実は内装の劣化防止やプライバシーの保護、凍結防止にも役立ちます。
効果①内装の劣化を抑える
ダッシュボード近辺は、紫外線により色褪せやひび割れが起こってしまうことも。こうした内装の劣化を抑えれば、クルマを美しく保ちやすいだけでなく、売却時の査定額を下げないことにもつながります。
効果②プライバシーを守る
サンシェードがあれば車内の様子が見えにくく、車中泊や出先で昼寝をするときにも役立ちます。また、サンシェードはフロントガラス以外にサイドガラスやバックガラスに設置できる製品もあり、家族や友人のプライバシーを守ることにもつながります。
効果③外に付ければ凍結防止に
サンシェードの中には外付けするものもあり、こうした製品は冬場の凍結防止に役立ちます。雪の多い地域に住む人やスノースポーツを楽しむ人は、外付けでオールシーズン活躍する製品を買うと良いでしょう。
サンシェードの種類と選び方
一口にサンシェードといっても、その種類はさまざま。ここではフロントガラスとサイドガラスに設置するサンシェードに分けて、主な種類や選び方のポイントをご紹介します。
フロントに装着するサンシェード
フロントガラスに装着するサンシェードには、主に以下のような種類が挙げられます。
- 蛇腹式…最も手軽。安価なものも
- 折り畳み傘式…人気上昇中。収納しやすい
- ポップアップ式…コンパクトに収納できる
- ロール式…ワンタッチで拡大・収納できる
- 外付け式…凍結防止に効果的
蛇腹式は、高価な製品なら筋金が入っており、へたれにくいです。折り畳み傘式は、ガラス面をしっかりカバーしやすい一方、傘の骨でキズをつけたり、柄の部分がナビに当たったりしないよう気を付けましょう。
ポップアップ式もしっかりカバーできますが、収納と拡大が少し手間です。
メッシュ素材だと遮熱率が低く、温度抑制効果はやや低いですが、上記でご紹介した種類による差はあまり大きくありません。ただし遮光率や遮熱率のチェックは重要です。愛車のフロントガラスの形に合い、隅までしっかり遮光・遮熱できる製品を選びましょう。
サイドに装着するサンシェード
サイドガラスは面積が小さく、フロントガラスほど形や広げ方に種類がありません。一方で設置方法を見ると、多くの種類があります。
- 吸盤式…安価だが、跡が残りやすい
- マグネット式…金属部分の面積に注意
- 静電気式…窓ガラスのごみや埃に注意
- カーテン式…風を通すが、遮熱性は△
- ロール式…ワンタッチで手軽
- 窓全体包み込みタイプ…虫の侵入防止にも
マグネット式はガラス周辺の金属部分を使って固定しますが、車種によっては金属部分の面積が少なく、使えないことも。静電気式は跡もつかず簡単に貼れますが、ごみや埃があると上手く貼れません。
他にも、さまざまな種類があります。
クルマを走行する際は、フロントガラスはもちろんのこと、前席のサイドガラスもサンシェードの使用が禁止されています。後部座席のサイドガラスであっても、サンシェードをしていると左右後方の確認がしにくくなるので注意しましょう。
サンシェード選びのポイント
サンシェードは、以下の3点を基準に選びましょう。
- 愛車に合う形を選ぶ
- ドラレコやナビの位置も意識する
- 遮光・遮熱性の高い製品を選ぶ
最も大切なのは、愛車のフロントガラスの形に合うものを選ぶこと。小さすぎるものや形の異なるものを選べば、サンシェードの隙間から日光が入り、熱が溜まります。
また、サンシェードでドラレコが隠れたり、ダッシュボードから飛び出しているナビ画面にサンシェードの柄がぶつかったりしないようにも注意してください。
厳選!おすすめのサンシェード5製品
①メルテック「車用日よけ(リバーシブルタイプ)」
蛇腹式のサンシェードで、キルト生地に加えて空気層を2層構造にしているので断熱効果が高いです。また、秋になって日差しの強さが緩んだらオシャレなキルト生地を表にして外観の良さも維持できます。 ただし、生地に厚みがあるからこそ収納で苦労する人もいます。
②エマーソン「かんたん着脱スジガネ入りサンシェード」
サンシェードの中でも筋金が入っており、サンバイザーを下ろすだけでしっかり装着できる製品です。100円ショップなどで売っている薄いサンバイザーで物足りない人は、買ってみると良いでしょう。
③セイワ「車用ワンタッチサンシェード」
最近人気の折り畳み傘式のサンシェードで、柄の部分がひも状になっているので、飛び出し型のカーナビに干渉することもありません。また、コンパクトにしまえる点が折り畳み傘式ならではの良さです。
④カーティスト「トヨタ新型ヴォクシーノア90系フロントサンシェード」
ポップアップ式の製品で、特定の車種専用のグッズも多く存在します(上記商品はヴォクシー/ノア用)。車種専用のデザインならフロントガラスの形に合うと分かりますし、それだけで高い遮光・遮熱性が期待できます。
⑤セイワ「楽らくマグネットカーテン」
サイドガラス上部にある金属面に、マグネットを使って固定する製品です。メッシュタイプなので通気性が良く、窓を開けても使えるのが便利です。また、メッシュタイプだからこそ後方が多少見えやすいのもポイントです。
サンシェード以外の暑さ対策も
年々暑さが増すなか、クルマの暑さ対策は必須です。以下の記事でサンシェード以外の暑さ対策についても知っておきましょう。
- Supervised by norico編集長 村田創
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中古車のガリバーに勤務して20年以上のベテランが車の知識をわかりやすく解説します。車のことは、多くのメーカーを横断して取り扱うガリバーにぜひ聞いてください。「車ってたのしい!」を感じてほしいと思っています!