フロントガラスなどに走行速度やナビ情報を映してくれるヘッドアップディスプレイ(HUD)。「いらない」という人もいますが、運転の安全性を高める上ではおすすめの装備です。ヘッドアップディスプレイ搭載のメリット・デメリット、ユーザーの評価、特に搭載をお勧めするケースなどをご紹介します。
ヘッドアップディスプレイとは
車のヘッドアップディスプレイ(HUD)とは、フロントガラスや専用の投影板に情報を映し出すシステムです。もとは軍用機などに使われていた技術で、前方を注視したまま、車速やナビのルート案内などを確認できます。
高級車では標準装備の場合が多く、ミニバンやSUVでも上位グレードで標準装備だったり、オプションで搭載できたりします。
搭載のメリット3つ
ヘッドアップディスプレイは安全面でのメリットが非常に大きいです。また使用に慣れれば、ドライバーの疲労軽減にもつながります。
メリット①前方不注意を防げる
ヘッドアップディスプレイでは、運転席の前方に情報が表示されます。そのため視線移動が最低限で済み、前方を注視しながらの情報確認が可能です。
運転初心者でナビ画面などに視線を移す余裕がない場合や、「渋滞で集中力が途切れがち」「高速道路の分岐でルート判断に迷う」といった場面では特に便利でしょう。
メリット②素早く情報を把握できる
最近のヘッドアップディスプレイは、死角の警告など安全に関わる情報を提示してくれることが多いです。そのため危険の素早い認知と判断、対応に繋がります。スピード超過などに気づきやすい点も便利です。
メリット③眼精疲労を軽減できる
運転中、私たちは数m~数十m先にピントを合わせています。この状態からナビ画面などを見ようとすると、一気に数十cm先へと焦点を合わせ直さなければいけません。こうした行為は目に負担がかかります。
一方、ヘッドアップディスプレイではドライバーから数m先に情報が映っているような状態となります。そのため焦点を合わせるのが楽で、目の負担も少ないです。
搭載のデメリット2つ
安全面でのメリットが大きい一方、ヘッドアップディスプレイはコスト面などのデメリットがあります。
デメリット①車両価格が上がる
ヘッドアップディスプレイを搭載した車両は、当然ながら車両価格が高くなります。
全車標準装備であれば価格は気になりにくいですが、現時点では上位グレードやオプションでの搭載も多く、他の装備とセットオプションの場合もあります。例えばトヨタ「ノア」の場合は、デジタルインナーミラーとセットで9万9,000円です。
デメリット②使い慣れない場合もある
これまでナビ画面やメーターを見て運転してきた人にとって、ヘッドアップディスプレイは「無くても困らないもの」です。そのため「使ってみて便利」と感じる人が多い一方で、「視線の端に投影情報がちらついて気になる」という人もいます。
ユーザーの評価は?
上記のデメリットで記載したように、ヘッドアップディスプレイに対するユーザーの評価は分かれています。
「使いやすい」という声は比較的多い
ヘッドアップディスプレイを使っているユーザーの前向きな声としては、以下のような意見が聞かれます。
- 見やすい
- 便利
- 近未来感がある
- 視線が下に落ちず安全
ヘッドアップディスプレイを搭載するのは新しい車を購入するタイミングが多く、慣れない車での運転は緊張を伴います。こうした状況では、前方に集中しながら情報を確認できるヘッドアップディスプレイの魅力を特に強く感じられるでしょう。
一方で「気が散る」という意見も
「使いやすい」という意見が多数ある一方、ヘッドアップディスプレイについては以下のように否定的な意見や「無くても困らない」といった意見もあります。
- 視界の端に情報がちらついて気が散る
- 邪魔ではないが、癖でメーターを見ている
運転に自信がある人にとって、ヘッドアップディスプレイの搭載はメリットを感じにくいでしょう。新しい車であろうと、従来通りに視線を移せば必要な情報を入手できるからです。
ヘッドアップディスプレイの情報投影位置は、ドライバーに合わせて調整できます。また、どうしても慣れない場合は表示をオフにすることも可能です。
ヘッドアップディスプレイは必要?
従来の運転で不自由を感じていなければ、ヘッドアップディスプレイは必ずしも必要ありません。しかし使い慣れれば便利な機能であり、安全性も高まります。予算が許すのであれば、搭載をお勧めします。
特に利用をお勧めする人
以下のような人には、ヘッドアップディスプレイの搭載を特にお勧めします。
- 運転が苦手
- 大きな車に乗り、運転が不安
- 高速道路を走ることが多い
運転が苦手な人や、ファミリーカーとして初めてミニバンを買う人などでは前方から視線を外すことが大きなリスクに繋がります。 また高速道路などではスピードが速い分だけ素早い情報確認と判断が求められるため、搭載がおすすめです。特に遠出をしてナビを使いたい時などは、非常に便利でしょう。
試乗で試すことも重要
搭載を悩む場合は、試乗で実際の使い心地を試してみると良いでしょう。短距離しか使用できず、購入後との感覚はまた異なるかもしれませんが、少なからず参考になるはずです。
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- Supervised by norico編集長 村田創
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中古車のガリバーに勤務して20年以上のベテランが車の知識をわかりやすく解説します。車のことは、多くのメーカーを横断して取り扱うガリバーにぜひ聞いてください。「車ってたのしい!」を感じてほしいと思っています!