【徹底解説】路面凍結(アイスバーン)時の運転のコツと注意点

【徹底解説】路面凍結(アイスバーン)時の運転のコツと注意点

気温の低下や積雪により地面が凍ってしまう路面凍結(アイスバーン)。滑りやすくなることによって、事故につながってしまいます。

どのような状況が路面凍結しやすいのかをあらかじめ知り、適切な対策を取ることが重要です。

今回は、路面凍結が起こりやすい条件(気温・場所・時間帯)と適切な対策、運転のコツについて紹介しています。安全運転の参考にしてください。

路面凍結とは

路面凍結とは路面上の水分が気温の低下により氷状態になることで、別名「アイスバーン」ともいいます。アイスバーンは3つの種類に分けることができます。

圧雪アイスバーン

積雪面が昼間になると溶けてしまい、夜になると気温が下がることで凍結。その状態が繰り返され、車が行き交うことで凍結面が踏み固められて形成されます。

ミラーバーン

信号待ちをしている車の底からでる熱で積雪面が溶け、発生した水が凍結して氷が形成されたもの。主に交差点付近で形成されます。

ブラックアイスバーン

積雪面の水が凍結して薄い氷の膜ができた状態のこと。氷の膜が厚ければヘッドライトを当てることでキラキラと光るため察知がしやすいのですが、ブラックアイスバーンは氷の膜が薄いため気付きにくいのが難点です。

適切な路面凍結対策と運転のコツ

路面が凍結しているところを安全に走行するためには、コツをつかむ必要があります。凍結した路面の適切な対策と運転のコツについてみていきます。

スタッドレスタイヤ(チェーン)の装着

路面凍結時にノーマルタイヤで走行することは危険極まりないため、スタッドレスタイヤを装着しなければいけません。スタッドレスタイヤには発泡性のゴムが採用されており、柔らかいゴムが雪面や凍結面をひっかけながら走行することができます。

毎年積雪・凍結がみられる地方の世帯は、毎冬に必ずスタッドレスタイヤを装着しています。

2018年の冬からは高速道路や国道の一部区間で、タイヤチェーンの装着が義務付けられました。その区間ではスタッドレスタイヤを装着していたとしても、合わせてタイヤチェーンも装着しなければいけません。

タイヤチェーンには金属製のものとゴム製のものがあります。とくにゴム製のタイヤチェーンは速い速度でも切れることなく使うことができるので、走行性に優れています。

路面凍結時の運転方法

スタッドレスタイヤやチェーンの装着だけでは万全ではありません。

路面が凍結している場合は、「スタッドレスタイヤやチェーンを装着しているから大丈夫」と過信することなく、安全な運転を心がける必要があります。

路面凍結時にやってはいけない運転は、「急ブレーキ」「急発進」「急ハンドル操作」です。いくらスタッドレスタイヤやタイヤチェーンを装着していても、こうした「急」な運転には対応できず、スリップの原因になります。

走行中の車間距離も大切です。スタッドレスタイヤ・タイヤチェーン装着時は凍結している路面に食いつきながら車を停める作用を働かせますが、急ブレーキのような強いブレーキには対応できません。

前の車がいつ停まってもいいように広く車間をあけておきましょう。スピードも法定速度内で走行することが大切です。

路面凍結時は他のドライバーも、より安全運転を心がけるため交通の流れが悪くなります。また、事故が起きる可能性が高いため、出かける際は時間に余裕をもって行動しましょう。

路面凍結の条件と発生しやすい場所

路面凍結は単に気温が低いからといって発生するものではありません。では具体的にどのような場所と条件で路面が凍結しやすくなるのでしょうか。

路面凍結の天候(気温)条件

路面が凍結する条件は、「気温が低下していること」「路面が濡れていること」の2つです。

一般に気温が0度以下になると路面が凍結するといわれますが、天気予報などで発表されている気温は、地上から約150cmの気温ですので、路面はそれよりも気温が低いのです。

つまり気温が2~3度と発表されていても路面は凍結している可能性があります。

路面が濡れる原因としては雨や雪があります。雨や雪が降ったあとに気温が低下すると、アイスバーンが形成されます。雨や雪のあとの走行には十分な注意が必要です。

また、雪が降り積もったあとに晴れると雪が溶けていきます。雪が溶けたあとに気温が低下することで、道が凍結することも知っておいてください。

路面凍結が発生しやすい場所

路面凍結が発生しやすい場所はたくさんあります。

例えば、橋やトンネルの出入り口は風が吹き抜けるため他のところよりも気温が低くなりやすく。路面が濡れていると路面が凍結しやすい場所です。橋やトンネルの前後はスピードを控えめにして走行しましょう。

また、交差点では、降り積もった雪が車の排熱によって溶けるため、路面が濡れた状態になります。その部分が夜になると気温が下がることで凍結しやすくなります。

交差点に差し掛かる前にはスピードを調整しながら走行するよう心掛けてください。

さらに信号待ちから車を発進させるときも、道が凍結していることを前提に、アクセルの踏み加減を軽くしてふんわりと発進するようにしましょう。

山間部では坂道・カーブ・日陰が多くなります。坂道やカーブは平らで直線の道路よりタイヤにかかる負荷が大きくなる分、路面凍結しているところでは車が滑りやすくなっています。

そのため、坂道やカーブではより慎重な運転を意識する必要があるのです。また日陰は昼間になっても道が凍結したままになっている部分ですので、スピードを抑えて走行しましょう。

路面凍結が起こりやすい時間帯

路面凍結が起こりやすい時間帯は朝と夜です。

1日のうちで地面の温度が最も高い13時から、地面の温度はどんどん下がっていき、晩になると路面が凍結する温度にまでなってしまいます。

また夜から朝にかけては気温が下がる一方ですので、朝も路面が凍結するほど気温が低くなっています。

路面凍結しているところではスタッドレスタイヤ・タイヤチェーンが有効ですので、それらが劣化していないかを日頃からチェックするようにしておきましょう。

路面凍結対策を万全にして安全運転を

路面凍結が起こる条件は、「気温が低下していること」「路面が濡れていること」の2つです。

凍結した路面を安全に走行するためには、スタッドレスタイヤ・タイヤチェーンが効果的ですが、それらを過信した運転は事故を起こす原因になります。

どのような道でも安全を最優先にした運転を心がけてください。

 

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Supervised by norico編集長 村田創

norico編集長_村田創

中古車のガリバーに勤務して20年以上のベテランが車の知識をわかりやすく解説します。車のことは、多くのメーカーを横断して取り扱うガリバーにぜひ聞いてください。「車ってたのしい!」を感じてほしいと思っています!