中古車購入時も支払う税金「環境性能割」
車を購入した時に支払う環境性能割。新車を購入した時はもちろん、中古車購入時にも支払う必要があります。
名前から「割引」と誤解されることがありますが、消費者が支払う「税金」です。
自動車取得税の代替として2019年に導入
車を購入した時に支払う税金としては自動車取得税がありましたが、これは2019年の10月に廃止されました。代わりに導入されたのが、この環境性能割なのです。
環境性能割の計算方法
中古車を購入した時の環境性能割は、以下のような式で計算します。
環境性能割の金額=①課税標準基準額×②残価率×③税率(0~3%)
①課税標準基準額は新車価格の約90%
課税標準基準額とは、税事務所等で使われる「自動車税環境性能割の課税標準基準額及び税額一覧表」に記載された価格です。定価から、値引きなどを考慮して決定されています。
目安としては、オプションを含んだ新車価格の90%程度を考えておくと良いでしょう。
②残価率は経過年数によって決定
残価率とは「価値がどのくらい残っているか」を示す割合で、新車にはない考え方です。
残価率は法律で以下のように決まっており、新車の価値を1とした時、例えば1年を経過していた車の価値は0.681となります。
経過年数 | 普通自動車の残価率 | 軽自動車の残価率 |
---|---|---|
1年 | 0.681 | 0.562 |
1.5年 | 0.561 | 0.422 |
2年 | 0.464 | 0.316 |
2.5年 | 0.382 | 0.237 |
3年 | 0.316 | 0.177 |
3.5年 | 0.261 | 0.133 |
4年 | 0.215 | 0.1 |
4.5年 | 0.177 | 0 |
5年 | 0.146 | 0 |
5.5年 | 0.121 | 0 |
6年 | 0.1 | 0 |
※経過年数は1月1日~6月30日までの取得は0.5年、7月1日 ~12月31日までの取得は1年で計算
このように、新車登録から年数が経過するほど価値が下がります。普通自動車の場合は6年、軽自動車の場合には4年が経過した後は、税額計算上の車の価値は0となります。
③税率は環境性能に応じて0~3%
環境性能割の税率は、車の環境性能に応じて税率が変わります。具体的な環境性能と税率は以下の通りです。(出典:総務省サイト)
普通自動車 | 軽自動車 | |
---|---|---|
電気自動車等 | 非課税 | 非課税 |
★★★★かつ2020年度燃費基準+20%達成車 | ||
★★★★かつ2020年度燃費基準+10%達成車 | 1.00% | |
★★★★かつ2020年度燃費基準達成車 | 2.00% | 1.00% |
上記以外 | 3.00% | 2.00% |
※「電気自動車等」は、登録車の場合は電気自動車、燃料電池自動車、天然ガス自動車(平成30年排出ガス規制適合(3.5t以下の自動車)又は平成21年排出ガス規制からNOx10%低減達成車)、プラグインハイブリッド車及びクリーンディーゼル車(平成30年排出ガス規制適合又は平成21年排出ガス規制適合)であり、軽自動車の場合は電気軽自動車及び天然ガス軽自動車(平成30年排出ガス規制適合又は平成21年排出ガス規制からNOx10%低減達成車)である
※★★★★星四つ:平成30年排出ガス規制からNOx50%低減達成車又は平成17年排出ガス規制からNOx75%低減達成車
※ 「2020年度燃費基準+○%達成車」は、エネルギーの使用の合理化等に関する法律(以下「省エネ法」)に基づき設定された、2020年度を目標年度とする自動車の燃費目標基準を○%以上達成している自動車
※ 「2020年度燃費基準達成車」は、省エネ法に基づき設定された、2020年度を目標年度とする自動車の燃費目標基準を達成している自動車
ただし取得価額が50万円未満なら非課税
①課税標準基準額×②残価率で計算する「その時の車の価値」を取得価額といいますが、この取得価額が50万円未満の時は、環境性能割そのものが非課税になります。
新車の場合、①の課税標準基準額が50万円以下の車はなく、②の残価率は1なので、取得価額が50万円以下になることは基本的にないでしょう。
しかし中古車の場合、例えば3年経過した車を購入したとすると、②の残価率は0.316です。そのため、①の課税標準基準額が150万円の車を購入したとしても取得価額は47.4万円。50万円以下でおさまっているので、環境性能割は非課税になります。
2021年12月までは1%の軽減
本来の税率は0~3%の環境性能割ですが、2021年12月末日までは1%の軽減措置が設定されています。例えば本来3%が課されるはずの車なら税率は2%に、本来1%の車なら免税になります。
軽減措置を受けるには12月中に移転登録を
中古車の購入は、一般に以下のような流れで進みます。
- STEP1 中古車の購入契約をし、代金を支払う
- STEP2 移転登録(名義変更)をする
- STEP3 納車される
環境性能割の軽減措置を受けるには、STEP2の移転登録を12月31日までに完了させることです。この移転登録を12月31日までに済ませていれば、STEP3の納車は2022年1月以降でも構いません。
そうはいっても、購入契約から移転登録まで数日はかかることが多いです。そのため軽減措置があるうちに車を購入したいのであれば、急いでお店に行くことをオススメします。
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- Supervised by norico編集長 村田創
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中古車のガリバーに勤務して20年以上のベテランが車の知識をわかりやすく解説します。車のことは、多くのメーカーを横断して取り扱うガリバーにぜひ聞いてください。「車ってたのしい!」を感じてほしいと思っています!