居眠り運転を防止するには?違反をしたときや対策、罰則を解説

居眠り運転の事故件数

運転中に襲ってくる睡魔。ある調査では「運転中の眠気が原因でヒヤリとした経験がある」と回答したドライバーが半数もいたそうです。

また居眠り運転は、事故に繋がるリスクも高いです。「居眠り運転」単体での集計はないものの、居眠り運転もふくまれる過労運転や漫然運転では多くの事故が発生しています。

  • 過労運転(正常に運転できないおそれがある状態での運転)…年間約400件
  • 漫然運転(注意力や集中力に欠けた状態での運転)…年間約19,000件

特に漫然運転は長年にわたり事故原因第4位と、非常に多くの事故が起こっています。

居眠り運転での違反点数と罰則

居眠り運転は、状況により以下のいずれかの違反とされます。

  • 安全運転義務の違反(道路交通法第70条)
  • 過労運転(道路交通法第66条)

【安全運転の義務】第七十条 
車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。

【過労運転等の禁止】第六十六条 
何人も、前条第一項に規定する場合のほか、過労、病気、薬物の影響その他の理由により、正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転してはならない。

多くの場合、居眠り運転は「安全運転義務の違反」と判断されます。しかし居眠りの原因が超過勤務や疾病、薬の服用などである場合には「過労運転」として判断される可能性があります。

「安全運転義務」違反と「過労運転」での違い

「安全運転義務違反」と「過労運転」による違反点数や罰則は以下の通りです。

  安全運転義務違反 過労運転
違反点数 2点 25点
行政処分 反則金9,000円 免許取り消し
罰則 (3か月以下の懲役又は5万円以下の罰金) 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金

Q&A なぜ「過労運転」は処罰が厳しいの?

過労運転とは「何らかの原因で正常な運転ができないおそれがある状態で運転すること」です。

そのため「正常な運転ができないおそれがあると知っていながら運転した」ことにより、安全運転義務違反より重い処罰が科されると考えられています。

居眠り運転の原因

居眠り運転の主な原因は、以下の通りです。

  • 睡眠不足
  • 疾病(睡眠時無呼吸症候群など)
  • 風邪薬などの抗ヒスタミン剤
  • 生体リズムによる眠気(午前/午後2-4時)
  • 一過性/慢性疲労
  • 天気(曇天時は眠くなりやすい)
  • 直線道路などでの単調な運転

居眠り運転の原因として特に多いのは睡眠不足。アメリカの研究では、2時間の睡眠不足で交通事故のリスクが2倍に上昇するというデータもあります。また風邪薬や花粉症の薬に含まれる抗ヒスタミン剤も眠気を引き起こします。

身体的に健康であっても、生体リズムの影響で眠くなることもあります。午前/午後2-4時は、体を休ませようとする副交感神経の働きが活発化します。昼食後などは特に眠くなりやすいです。

居眠り運転の対策

居眠り運転の対策で大切なのは、以下の3つです。

  • 充分な休息をとる
  • 身体に刺激を与える
  • 危険な時に警告をしてもらう

この3点を踏まえると、以下のような対策ができます。

  主な方法 備考
充分な休息 充分な睡眠 理想の睡眠時間は7時間以上
2時間に一度の休憩 集中力には限界があるため、こまめに休憩する
30分以内の仮眠 長時間寝ると、眠りが深くなるため理想は20分程度
身体への刺激 カフェインの摂取 疲労軽減や覚醒効果あり。ただし効果が表れるまでに15分程度かかる
ガムや昆布を噛む 血行促進や覚醒の手助けをしてくれる
窓を開ける 窓を開けて気温を下げることで身体に刺激を与える
危険時の警告 居眠り運転防止グッズの活用 例)姿勢の変化を検知して警告音を発する装置など
安全装備の導入 例)衝突被害軽減ブレーキ、車間距離制御装置など

自分なりに対策をしているつもりでも、忙しくて疲れている時など「ふとした瞬間」に怒ってしまうのが居眠り運転。

そのため自分なりの対策に加えて、グッズや安全装備を取り入れることをお勧めします。

居眠り運転対策にもなる安全装備

先進安全装備には色々な機能がありますが、居眠り運転やそれによる事故への対策という意味では、以下のような装備が有効です。

  内容
衝突被害軽減ブレーキ 衝突の危険が高まると、警告音を発する。回避行動がとられない場合は自動ブレーキが発動する
車間距離制御装置 システムがアクセル操作とブレーキ操作を行う
車線逸脱警報装置 車線をはみ出しそうになると警告音を発する

後悔する前に対策をしよう

居眠りの兆候を放置して事故を起こせば後悔が残ります。この記事を読んだ今からぜひ対策をしていきましょう。

ガリバーでは安全な車をメーカー横断でランキング化してご紹介しています。こちらの記事もぜひ参考にしてください。

併せて確認!交通ルールや安全運転のポイント

noricoでは、交通ルールや安全運転のポイントについても様々な記事を公開しています。「ながらスマホ」の禁止など新たな交通ルールもありますので、確認しておきましょう。

Supervised by norico編集長 村田創

norico編集長_村田創

中古車のガリバーに勤務して20年以上のベテランが車の知識をわかりやすく解説します。車のことは、多くのメーカーを横断して取り扱うガリバーにぜひ聞いてください。「車ってたのしい!」を感じてほしいと思っています!