同時査定だと車は高く売れる?
同時査定とは、複数の買取業者に同じ時間・場所で査定をしてもらうことです。出張査定で業者を集め、一斉に査定額を出してもらいます。
同時査定では業者がお互いを意識し、高い査定額を出そうとします。そのため、1店舗で査定を受けるより高く売れることも多いです。
ただし、談合が起こることもゼロではなく「絶対高く売れる」とは言い切れません。
車の同時査定のメリット・デメリット
同時査定は「手早く、且つある程度高く売る」という目的において便利な方法です。しかし、リスクやデメリットもあるので、以下で注意事項も確認しましょう。
メリット①高値で売却しやすい
冒頭でご紹介したように、同時査定は買取業者の競争意識が働きやすいです。また、少なくともその場にいる業者で最も査定額が高い一社を選べます。
時には、最低価格と最高価格で10万円以上の差が出ることもあります。
メリット②時間や手間を省ける
愛車を高値で売るには、複数の業者間での比較が必須と言えます。また、正確な査定額を知るには車両を見てもらわなければいけません。
こうした中で一社ずつ査定に出すと、時間も手間もかかります。同時査定なら大幅に時間を短縮でき、営業マンとのやり取りも一気に済ませられます。
デメリット①談合の可能性がある
基本的に、買取業者は安く車両を買い取りたいのが本音です。そのため同時査定の現場では「今度そちらに譲るから、今回は〇万円で決めさせて」と談合が行われることも。
談合に気づかず査定額の提示に至ると、かえって車両を安く買い取られてしまいます。
デメリット②売却を断りにくい
同時査定では、どうしても「高値を出した業者に売却」という雰囲気になりやすいです。特に、押しに弱い人や控えめな人は営業を強くかけられてしまいます。
売却するか悩んでいる場合やじっくり考えて結論を出したい場合は、オンラインシミュレーションなどの活用も検討しましょう。
車の同時査定のやり方
ここでは、同時査定の手順とポイントを解説します。
手順1.査定日時と場所を考える
査定時間は、一般に30分~1時間ほどかかります。そこからの商談も踏まえて1時間~1時間半ほど見積もっておきましょう。
場所は、自宅である必要はありません。自宅の駐車場が狭いなら、公園の駐車場などを利用しましょう。
手順2.買取業者に査定を依頼する
出張査定の形で、買取業者に査定を依頼しましょう。業者の数は3社程度がおすすめです。
トラブルを防ぐためにも各買取業者には、同時査定になることを事前に伝えましょう。同時査定を嫌がる業者もいますし、反対に気合いを入れて準備してきてくれる業者もいます。
一括査定サイトなら情報を1回入力するだけで各業者の大まかな査定額が分かり、出張査定も依頼できます。ただし申し込み後、大量に電話がかかってきます。また、買取業者は一括査定サイトに情報提供料を払っているので、その手数料を踏まえた査定額を提示する可能性もあります。
【関連記事】車一括査定はやめた方がいい?5つのデメリットと利用時の注意点
手順3.買取業者に査定をしてもらう
査定当日、業者が来たら車両を見てもらいましょう。事前に「どのように商談先を決めるか」というルールも伝えておくのがおすすめです。
※ルールについては、次の手順4を確認
談合のリスクが心配なら、査定中は車両のそばを離れず、業者の様子を見ておきましょう。
手順4.各業者の査定額を確認する
各社の査定が終わったら、査定額を確認します。現在は「入札形式」での比較が一般的です。名刺の裏に査定額を記載してもらい、依頼者が一斉に金額を確認します。
入札形式であれば「あの業者が高かったから上乗せしよう」など、余計な駆け引きが発生しません。
査定額の競わせ方・売却先の決め方には、上記の「入札形式」の他に「オークション形式」があります。後者はオークションのように査定額を競り合ってもらい、一番高値の業者と商談する方法です。 査定額を吊り上げられるかもしれませんが、自分でその場を仕切る必要があります。
手順5.金額に納得できれば売却する
査定額の高かった買取業者と商談し、金額に納得できれば売却手続きを進めます。
もちろん、金額に納得できなければ商談や売却に至らなくても構いません。「明日以降の連絡では査定額が…」と言われることもあるでしょうが、焦らず冷静に対応するのが重要です。
同時査定で車を高く売るためのコツ
愛車を高く売るためには、愛車の買取相場を把握した上で上手く駆け引きすること、また愛車の状態を整えておくことが重要です。
コツ①事前に買取相場を確認しておく
車には、必ず相場価格が存在します。愛車と同じ車種・年式・走行距離・グレード・色などの車が、大よそいくらで買い取られているかを把握しましょう。
買取相場を把握しておけば、万が一談合が起こったり、各社の査定額が安かったりしても「今回は売却しない」と判断できます。
コツ②愛車の状態を整えておく
より高い査定額を提示してもらうためには、愛車の準備も必要です。以下のポイントを押さえ、少しでも高く売れるようにしましょう。
- 外していた純正オプションをつけておく
- 保証書や点検整備記録簿を用意しておく
- 取扱説明書やスマートキーを用意しておく
- 小さなキズは消しておく
- 車内の掃除や脱臭も済ませておく
コツ③安易に「売る」と言わない
「この〇社で査定額が高いところに売ります」と安易に宣言すると、査定額に納得がいかなくても断りづらくなってしまいます。後で強い営業をかけられないためにも「査定額が高かったところと商談します」と検討段階であること強調しましょう。
コツ④最初は買取希望額を伝えない
「できれば〇万円で売りたいです」と最初から希望額を出してしまうと、その金額が安かった場合に高い査定額を見込めなくなってしまいます。そのため、最初のうちは買取希望額を提示を控えましょう。
最後の交渉段階において、査定額が希望額より安い時には希望額を伝えましょう。
コツ⑤最後に2社で競わせる
同時査定後は、基本的には前述の「入札形式」で金額を提示してもらい、査定額の高い業者と商談すると伝えましょう。
その上で、さらに高い金額で売りたいなら査定額の高い2社を残し「これより高い査定額にできますか?」と聞いてみましょう。
車の同時査定に関するQ&A
Q. 一括査定と同時査定は何が違う?
一括査定とは、車両情報をフォームに入力し、複数の買取業者から一斉に査定見積もりを受け取る方法です。業者の絞り込みに役立ちます。ただし、実際に車両を見ている訳ではないので、あくまで見積額です。
同時査定は同じ日時・場所で車両を見てもらい、複数の買取業者に査定をしてもらう方法です。業者への依頼方法は一括査定を利用しても、自分で各社に連絡を取っても構いません。
Q. 業者選びは一括査定を使うべき?
一括査定には、利用のメリットもデメリットもあります。一度の入力で複数の業者から見積もりを受け取れる点は便利ですが、申し込み後は大量に電話がかかってきます。
また、一括査定サイトで入力した個人情報が他のサービスでも共有され「ウォーターサーバーの営業が来た」といったケースもあります。
Q. 同時査定は何社に頼むべき?
同時査定は3社前後に依頼するのがおすすめです。多く頼めばその分比較ができますが、負担も増えるので気を付けましょう。
Q. 査定から売却までの期間は?
査定から売却までの期間は、必要書類などが事前に準備できていれば、即日でも売却できます。書類が準備できていない場合は、準備で2~3日かかることもあるでしょう。
Q. 売却に必要なもの・書類は?
普通車の場合に必要なのは①車検証、②印鑑登録証明書、③自賠責保険証明書、④自動車納税証明書、⑤実印、⑥振込口座情報、⑦リサイクル券(預託済みの場合)の7つです。 軽自動車に関しては、以下の記事で確認してください。
- Supervised by norico編集長 村田創
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中古車のガリバーに勤務して20年以上のベテランが車の知識をわかりやすく解説します。車のことは、多くのメーカーを横断して取り扱うガリバーにぜひ聞いてください。「車ってたのしい!」を感じてほしいと思っています!