ディーラーローンと銀行ローンを比較!審査基準と金利の違いとは

 

ディーラーローンと銀行ローンを比較!審査基準と金利の違いとは

車を買うときに販売店から話があるのがディーラーローン。特に、初めて車を買うという方は、何が何だかわからないという方も多いのではないでしょうか。

ディーラーローンとは、自動車販売店が提携しているマイカーローンのことです。銀行マイカーローンにはないメリットがありますが、デメリットも存在します。

こちらのコラムで良し悪しを押さえ、自分に合ったローンを組みましょう。

ディーラーローンのメリットとは?

ディーラーで車を購入しようとしたときに、そのまま契約できるのがディーラーローンの特徴です。土日でも営業しているディーラーで利用できるので、非常に手軽で活用しやすい形態のローンだと言えるでしょう。

ほかにも、ディーラーローンには、以下のようなメリットがあります。具体的なポイントを3つ紹介します。

メリット①審査難易度が普通

ローンを利用するためには、お金を貸す側が設定した審査を受け、それに合格する必要があります。しかし、さまざまな事情により「ローン審査を通るのが難しい」というケースもあるでしょう。

このような場合でも、ディーラーローンであれば「比較的通りやすい」と言われています。というのも、ディーラーローンの場合、購入予定の車をそのまま「ローンの担保」として設定できるためです。

お金を貸す側にとって、もっとも大きなリスクとなるのは「貸したお金が返ってこない」という事態です。車を担保として押さえておけば、返済されなかったお金を、車の売却で補うことが可能となります。

このため、ディーラーローンは銀行ローンよりも審査が通りやすく、多くの人にとって利用しやすいという強みがあるのです。

ディーラーローンが通りやすい人とそうでない人

「比較的審査が通りやすい」といわれているディーラーローンですが、いざ申し込みをしてみると、「残念ながら通らなかった」という方がいるのも事実です。

ディーラーローンに通りやすいのは、一般のローン審査にも問題なく通る人や、「少しだけ条件が悪く、銀行ローン審査を突破できない」という人です。

反対に、ディーラーローンであっても通りにくいといわれているのは、過去に金融事故(ローン返済の延滞や債務整理、クレジットカードのショッピング枠現金化、携帯電話料金の滞納など)を起こしていたり、極端に年収が少なかったり、あるいは現在無職の人などが挙げられます。

非正規雇用で働く人も増えていますが、パートやアルバイトだと収入が不安定だとみなされてしまいがちです。

このため、審査に通ることが難しくなると予想されます。

 

ディーラー 派遣社員・契約社員 パート・アルバイト 自営業・個人事業主 主婦
国産車ディーラーA ×
国産車ディーラーB ×
輸入車ディーラーC

 

専業またはパート主婦の場合は、単独で審査を通るのは難しいかもしれません。この場合は、安定した収入がある配偶者を連帯保証人にすることで審査に通過する可能性が高まります。

メリット②審査結果が出るまでたったの1時間

ディーラーローンには、審査結果が出るまでの時間が非常に短いというメリットもあります。たった30分から1時間ほどで審査結果が通知されるケースも多く、車の商談中にもどんどん話を進めていけます。

また、ローン契約に必要な書類の準備など、面倒なことはお店のスタッフが進めてくれますから、効率よく車の購入を進められます。

メリット③新車購入価格が安くなることもある

ディーラーローンを選んだ場合、金銭的なメリットが発生するケースもあります。

通常の金利よりも安いメーカー特別金利を採用できるケースもあれば、残価設定型(※1)で購入できるケースもあります。

こうしたプランを上手に使うことで、新車購入時の毎月の支払額が抑えられる可能性が高まります。このあたりは、ディーラーの担当者によく確認した上で、契約を進めていきましょう。

※1 残価設定型ローンとは、あらかじめ設定した残価(下取り保証額)を据え置いて、ローンを組むことです。例えば、200万円の車を3年のローンで購入する際に、50万円の残価設定にすると、150万円を35回の分割で返済していくことになります。すると50万円の残価が残るので、最後の36回目に残りの50万円を一括で支払うか、50万円を引き続き分割で支払うか、下取りに出して新車を購入するか、車をディーラーに返却するかのいずれかを選択することになります。ただし、下取り保証となっているものの、走行距離や車の損傷・劣化具合など、各社によって基準が設けられています。この基準以上に走行していたり、損傷が激しい場合は、下取り価格が減額されることになります。契約前によく確認をしておきましょう。

銀行マイカーローンとの違いは金利と名義

銀行のマイカーローンとディーラーローンの間には、「金利」と「名義」という2つの違いが存在しています。

ローンを決定する際には、両者の違いについても、しっかりと頭に入れておく必要があります。

金利はディーラーローンのほうが高い

まずは気になる「金利」についてです。金利が安いのは、審査が厳しい銀行ローンのほうです。

残価設定型といったケースを除き、金利はディーラーローンのほうが高くなります。

  業者名 変動/固定 金利
銀行マイカーローン 住信SBIネット銀行 Mr.自動車ローン 変動 1.775~3.975%
三菱東京UFJ銀行 ネットDEマイカーローン 変動 1.70~2.45%
静岡銀行 しずぎんマイカーローン(反復利用型) 変動 2.4~3.4%
ディーラーローン トヨタのディーラーローン (トヨタファイナンス) 固定 最大7.8%
日産のディーラーローン (日産ファイナンス) 固定 4.90%
ホンダのディーラーローン (ホンダクレジット) 固定 3.50%
スズキのディーラーローン (スズキファイナンス) 固定 2.9~3.9%
マツダのディーラーローン (マツダクレジット) 固定 2.99%
ダイハツのディーラーローン (ワンダフルクレジット) 固定 販売会社によって異なる

金利差を実感したいときには、以下の表を参考にしてみてください。それぞれの金利において、5年間のローンを組んだ場合の総支払額の試算となります。

車種 借入額 一般的なマイカーローン (年1.9%の場合) 一般的なディーラーローン (年3.5%の場合)
軽自動車 120万円 約126万円 約131万円
コンパクトカー 140万円 約147万円 約152万円
ミニバン 250万円 約263万円 約272万円
国産SUV 350万円 約368万円 約381万円

ディーラーローンの名義は販売店

ディーラーローンで車を購入した場合、その車の所有者は、「購入した販売店」となります。

これは、購入された車を、ディーラーローンの担保とするために行われる措置で、「所有権留保」と言います。

ローンの支払いが滞ってしまった際に、利用者が勝手に車を売却してしまうと、ディーラーにとっては不足金を回収する手立てが少なくなってしまいます。

こうした事態を避けるため、「ローンの返済が終わるまで、勝手に売却できないよう、こちらで確保させてもらいます」という措置が、所有権留保です。

所有権留保は、あくまでもローン返済中に行われる措置ですから、ローン返済が終われば名義変更をすることが可能です。

必要書類を用意してディーラーへと赴くことで、自身の名前が所有者欄に記載された、新たな車検証を発行してもらうことができます。

結局、どちらを選ぶべきか

さまざまな情報を考慮した上で、「結局どちらにするべきなのか」で迷ったときには、自分にとって、どちらが向いているのかを検討してみると良いでしょう。

ディーラーローンが向いているのは、車購入時の手間をできる限り軽減したい人や、銀行でのローン利用が難しい人です。

一方で、銀行マイカーローンが向いているのは、より低い金利で契約したい人や、少々の手間を惜しまない人、そして問題なくローンが組める人だといえるでしょう。

また、特別低金利や残価設定型を活用する場合はディーラーローンが向いている、ということになります。こちらも事前にチェックしておきましょう。

ディーラーローンを選ぶなら契約前に複数社を比較

ディーラーローンの利用を積極的に検討することになったら、契約前のリサーチが非常に重要です。

契約の際に打診されるケースも多いディーラーローンですが、販売店によって、金利に差があるケースも珍しくありません。

金利の差がわずかに思えても、何年も返済し続けていく中で、10万円以上の金額差が生まれてしまう可能性もありますから、事前にいくつか検討してみましょう。

ボーナス払いより月払いがベター、返済パターンを事前確認!

ディーラーローンに限らず、ローンを利用する際には、「返済日」や「返済方法」について、利用前にしっかりとチェックしておきましょう。

利用するディーラーローンによって、毎回の返済日に違いがあります。

また、支払い方法については「月払い」と「ボーナス払い」を併用できるプランもあります。

月々の負担を抑えたい場合には「ボーナス払い」併用を考えたくなりますが、状況によって「ボーナスがカットされた」なんてことも考えられます。

月払いでコツコツ返済するほうが良いという意見もありますから、自分にとってのベストなスタイルを見極めましょう。

車は大きい買い物、だからこそローンの選択は慎重に

車とは、決して安いものではありません。ローンを利用して車を購入することになれば、「総返済額」についても意識しなければいけません。

ディーラーローンにも銀行マイカーローンにも、それぞれメリット・デメリットがありますから、両者についてしっかりと予備知識を身につけることが必要です。

 

自動車ローン契約前に知っておくべきことをチェック!

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この記事の監修者おおかわ1級FP技能士事務所 大川 敦士

大学卒業後、大手証券会社にて投資信託や保険等の販売営業に従事。
2016年に退職し、FP事務所を開業。現在は、金融商品の販売を行わない顧客目線のファイナンシャルプランナーとして家計の見直しや老後資金対策等の個別相談を中心に活動中。
日本FP協会認定CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士。

Supervised by norico編集長 村田創

norico編集長_村田創

中古車のガリバーに勤務して20年以上のベテランが車の知識をわかりやすく解説します。車のことは、多くのメーカーを横断して取り扱うガリバーにぜひ聞いてください。「車ってたのしい!」を感じてほしいと思っています!