車についた虫の汚れの落とし方、対策グッズを整備士が解説

車についた虫の汚れの落とし方、対策グッズを整備士が解説

気が付くと車のフロントフェイスについている虫の死骸が付着した汚れ…
大切な愛車が汚れてしまっているのは決して気分の良いものではありません。
そのまま放置しているのは、塗装にも良くないという話もチラホラ。
車についた、しつこい虫汚れの落とし方について整備士が解説します。

【ケース別】車についた虫の落とし方

車についた虫の落とし方を、汚れのしつこさに応じて解説します。

虫がついて日が浅い場合

虫がついた当日であれば比較的、落としやすいです。
付着して間もないので、虫の油脂分や体液などが乾燥して完全にこびりつくまでいっていないためです。
そのため、高圧洗浄機で洗い流せばある程度落とせることが多いです。

ボディ全体に虫が付着しているとき

ボディ全体に虫が付着しているときは、潔く洗車をしてしまいましょう。
シャンプーを使って泡立てながら、いつものように洗車をします。
それでも落ちきらない場合は、ボディがしっかりと濡れた状態で、しっかり濡れたマイクロファイバークロスのような柔らかいクロスで傷がつかない程度に優しくこすります。
よほど虫の付着を放置していない限りは、ほとんどの場合で虫汚れを落とすことができます。

虫のシミが取れない。しつこい汚れの場合

上記のような方法でも、汚れがしつこく取れないことがあります。
そんな時には、以下の方法を試してみてください。

  • 水ではなくお湯を使う
  • 虫取りクリーナーを使う

虫汚れに限らず、多くの汚れは水よりもお湯の方が取れやすいです。
これは虫に含まれている油脂は、水よりお湯の方が溶けやすいからです。
お湯をかけながら、しっかり濡らしたマイクロファイバークロスを使ってチャレンジしてみてください。
また、それでもなかなか落ちないときには市販の「虫取りクリーナー」を使います。
泡タイプが多いので、虫汚れ箇所に留まりやすく、クリーナーの成分がしっかりと浸透します。
成分が浸透する分、ここまで試してきた方法と比べてもかなり汚れを落としやすくなります。
それでも薄っすらとシミ付きが残るような場合は、ボディ磨き用のコンパウンドで磨いたりしないと、完全に綺麗にならないこともあります。
クリーナーまで試しても、満足のいくレベルまで落ちない場合には、洗車専門店や整備工場に相談することをおすすめします。

車についた虫の汚れを落とす際の注意点

車についた虫の汚れを落とすときの注意点をまとめました。

かならずたっぷりの水を使用する

ボディに何もつけないで虫だけをこすり落とそうとする行為はNGです。
ボディにこびりついた虫や、こするクロス・タオルが原因で磨きキズがついてしまう恐れがあるので注意しましょう。
流水を掛けながら汚れを落とすのがベストです。

繊維の細かい柔らかい布を濡らして汚れを落とす

虫汚れをこすり落とすとき、普段手を拭いたりするようなタオルだと生地に粗さがあって、ボディに磨きキズがつきやすいです。
カー用品店やホームセンターなどに売っている、洗車用のマイクロファイバークロスのような極細繊維のものを使いましょう。
生地が柔らかく、ある程度毛先のあるクロスだと汚れのかき取り性能もあるので、虫汚れも取りやすいです。
また、どんなタオル・クロスでもしっかりと水で濡らして使わなければ、擦り傷の原因になるので注意しましょう。

長時間、放置しない

虫汚れを長時間放置することはNGです。
汚れが落ちにくくなるだけではなく、虫の油脂分・体液がボディに染み付いて取れなくなったり、ひどい場合にはボディの塗装を傷めてしまうこともあります。
当日中に汚れを落とすことができればベストですが、無理な場合でも数日〜1週間以内には汚れを落としましょう。

車に虫は高速道路や夜間につきやすい

車につく虫汚れは、主に、虫が盛んに飛び回る夏場かつ夜間につきやすいです。
なおかつ、特にスピードの出ている高速道路や、虫の多い田舎や山間部の道を走るときにつきやすいです。
では、夜につきやすいのは何故でしょう。
一部の虫には「正の光走性」という光るものに反応し向かってくる習性があるためです。
ヘッドライトの光に反応し、車に向かってきてぶつってしまうわけです。

虫汚れにおすすめのクリーナー3選

素人でも安心して使える、車の虫汚れにおすすめのクリーナーを2つと、応急用におすすめのシートタイプのクリーナーを1つ紹介します。

おすすめ1.コーティング専門店の虫取りクリーナー

洗車・コーティングで有名な「keePer」ブランドのクリーナーです。
全塗装色に対応、コーティング車にも安心して使える泡タイプということで、誰でも手軽に使えるクリーナーです。
レビュー評価も高く、愛用しているユーザーも多いです。

おすすめ2.シュアラスター ゼロクリーナー

洗車用品で有名なシュアラスターのクリーナーです。
コンパウンド(研磨剤)が入っていないので、安心して手軽に使用できます。
某自動車SNSにおいて、ユーザーの人気投票で様々なカー用品を評価するランキングのボディクリーナー部門で、1位を受賞したこともある実力も評価も伴ったクリーナーです。

おすすめ3.フクピカ 虫取り

水やクロスを用意できず、どうしても応急的に虫取りしたいときには、市販品のシートタイプの虫取りクリーナーもあります。
場合によっては拭き跡が残ることがあるので、あくまで応急での使用をおすすめします。

虫の汚れ付着防止にカーコーティングは有効?

虫汚れ付着の予防にコーティングを施工することは有効です。
コーティングはボディ表面に被膜を作ります。
よって、塗装面に直接虫汚れが付着することを防止します。
虫付着による塗装へのダメージを軽減するだけでなく、全くコーティングを施工していない車と比較して、汚れも落ちやすい・残りにくいです。
コーティングのメンテナンスさえしっかりと行えば、車にとってコーティングはメリットが多いので、大切な愛車のためにもコーティングをすることをおすすめします。

整備士のまとめ

車に付着した虫汚れを放置することは、絶対にボディ・塗装にとって良くありません。
すこしでも早く汚れを取れば、綺麗にすることはそんなに難しいことではありません。
手洗いが難しければ、洗車機でも構いません。
ソリッド塗装のボディは染み付きやすいので、特に注意しましょう。

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Supervised by 整備士 ヒロ

ヒロ 2級整備士

保有資格:2級整備士。国産ディーラー整備士、輸入車ディーラー整備士の経験がある、現役の整備士。 整備士経験は10年以上で過去にはエンジニアとして全国規模のサービス技術大会に出場。 車の整備に関する情報をtwitterで発信している。