



初めてでもできる?ユーザー車検の費用、必要書類、やり方
目次
ユーザー車検とは

ユーザー車検とは、自分で車を車検場に持ち込んで実施する車検のことです。ディーラーや専門業者に委託せず、車の点検・整備、車検に必要な手続きなどを自分で行います。
自分でさまざまな作業を行う代わりに委託料を抑えられるのが、大きな特徴です。
メリットとデメリット
ユーザー車検の最大のメリットは、委託に比べて車検費用を大幅に抑えられる点です。業者への委託では、一般に数万円の委託費用がかかります。ユーザー車検なら、この費用を節約できます。
一方で、ユーザー車検には時間と手間がかかるほか、車に関する知識も必要です。ある程度の知識がないと正確な点検・整備ができず、車検に合格できなかったり、車検後に思わぬ不具合が生じたりする可能性があります。
不安な場合は車に詳しい人に付き合ってもらうか、事前の点検・整備を業者に委託することも検討しましょう。
ユーザー車検の費用目安

車検の費用は、大きく「法定費用」と「点検・整備費用」に分かれます。
法定費用とは、税金や印紙代など金額が定められた費用であり、ユーザー車検を含めてどこで車検を受けても支払う必要があります。
一方、点検・整備費用は車両の点検や整備の代金としてディーラーや専門業者に支払うものです。費用相場は車検を受ける場所や車種によって異なりますが、前章でご紹介したように数万円ほどかかるのが一般的です。
ユーザー車検では、車両の点検と整備を自分で行います。そのため、点検・整備にかかる費用は消耗品の補充や交換などに必要な実費のみです。
以下に、ユーザー車検を受ける場所や予約先、費用目安をまとめましたので、参考にしてください。
ユーザー車検に必要な書類

ユーザー車検に必要な書類や持ち物は、ディーラーなどに依頼する場合と異なります。詳しくは以下の通りです。
※参照:国土交通省、軽自動車車検協会
事前に用意する「点検整備記録簿」とは、その名の通り車両の点検・整備の結果を記録するものです。車検時には24ヶ月点検の結果を記入し、窓口に提出します(点検は車検後実施も可)。
また、車検時は自動車重量税や自賠責保険料、検査手数料の支払いが必要なため、お金も用意しましょう。費用は合計すると軽自動車で約27,000円〜、普通自動車で約37,000円〜です。
なお、車検の検査項目は24ヶ月点検の内容と異なります。そのため、車検に一度で合格したい場合は車検の検査項目について事前に点検し、必要に応じて整備を行わなければいけません。
24ヶ月点検の実施や車検項目のチェックに自信がない場合は、整備工場などに点検を依頼しましょう。
ユーザー車検のやり方と流れ

ユーザー車検は予約から書類の準備、車両の点検・整備まで、基本的にすべて自分で行う必要があります。検査はスムーズに進めば30分程度で完了しますが、不備があると数時間かかることも。
ここでは、予約から検査までの流れを解説します。
1. 車検の予約を行う
ユーザー車検を受けるには、事前予約が必要です。普通車はインターネット、軽自動車はインターネットまたは電話で予約を行います。車検を受ける日の2週間前から予約可能です。次に、車検の予約を行います。車検場は普通車と軽自動車で異なります。
普通車の場合:「自動車検査インターネット予約システム」
軽自動車の場合:「軽自動車検査予約システム」
なお、車検の実施場所である運輸支局と軽自動車検査協会は、平日の日中しか営業していません。業務受付時間は一般に以下の通りですが、検査の内容などで受付時間が異なる場合もあります。事前に公式ホームページなどで確認してください。
※ 2025年11月現在の情報
2. 24ヶ月点検を実施する
24ヶ月点検は法律で義務付けられている定期点検であり、24ヶ月ごとに行います。
実施のタイミングは車検後でも構いませんが、一般には車検前に実施し、その結果を点検整備記録簿に記載してユーザー車検の受付窓口で提出します。
点検整備記録簿は、車の保証書とセットになった「メンテナンスノート」に入っています。紛失した場合は、用紙をダウンロードすることも可能です。
チェック項目や記入方法は用紙に記載されていますが、自分で実施するのが難しい場合は整備工場などに依頼しましょう。
3. 予備検査場で不具合の有無を確認する(任意)
予備検査場とは、車検前に車両の不具合の有無をチェックしたり、車検に通らなかった部分を調整したりする場所です。「テスター屋」とも呼ばれ、多くの場合は車検場の近くに設置されています。
車両の点検・整備ができているか自信がない場合は、予備検査場で車検前の最終確認を行いましょう。利用には最大数千円かかりますが、ディーラーや業者への委託と比べれば、費用を安く抑えることができます。
4. 運輸支局・軽自動車検査協会で受付を行う
予約した日時に運輸支局・軽自動車検査協会へ車を持って行きます。
車検を受ける前に①自動車重量税納付書、②継続検査申請書、③自動車検査票を入手し、必要事項を記入してください。その後、自動車重量税分と検査手数料分の印紙・証紙を購入し、自賠責保険の更新手続きも行います。
上記の書類と、事前に用意していた車検証や自動車税/軽自動車税納税証明書、点検整備記録簿をセットにして受付で提出します。
5. 検査コースで案内表示に従って受検
受付が済んだら、指示された検査コースに入って車検を受けます。実施されるのは、以下の9項目の検査です。
- 同一性の確認(車検証の内容と車両本体の情報が一致しているか)
- 外回り検査(ライト類、ワイパー、クラクション、ナットなどに問題はないか)
- サイドスリップ検査(まっすぐ走行できるかどうか)
- ブレーキ検査(ブレーキの効きに問題はないか)
- スピードメーター検査(スピードメーターの数値に大きな誤差はないか)
- ヘッドライト検査(適切な明るさ・向きの光が発せられているか)
- 排出ガス検査(排出ガスの内容物・濃度に問題がないか)
- 下回り検査(オイル漏れやボルトの緩みなどはないか)
- OBD点検※(車載された電子制御装置に故障が無いか)
※点検対象は、車載式故障診断装置が搭載されている車種のみとなります。
検査コースには適宜案内表示があり、画面説明や音声の指示に従って検査を進めます。
検査に合格したら、新しい車検証と検査標章(ステッカー)を受け取って完了です。
不合格になる原因と対処法
ユーザー車検で不合格になる原因は、基本的に操作ミスか整備不良です。
「ペダルの踏みが甘い」「動かしてはいけないハンドルを操作した」といった操作ミスがあると、検査機器が車両の不具合と見なす場合があります。また「ライトの光量が足りない」「光軸がズレている」といった整備不良で車検が通らないこともあります。
不合格になった場合は、当日または翌日以降に再検査を受けます。
当日中は、2回までなら無料で再検査を受けられます。整備不良が原因で不合格になった場合は、予備検査場で整備を行ってから臨むと良いでしょう。翌日以降も、最初の検査日を含めて15日以内であれば、不適合箇所のみで再検査を受けられます。
費用の安さだけを見てユーザー車検にするのは危険!
ユーザー車検は費用面で大きなメリットがある一方、時間や手間がかかります。また、自分で点検や整備、検査を行うことになるので、車の知識も必要です。自信がない場合は無理をせず、自分に合った車検方法を選びましょう。
ガリバーは中古車の販売だけでなく、車検も承っています。「必要最低限の整備だけで良い」「車検に合わせて消耗品の交換もしたい」といったご要望を伺いながらお見積もりいたしますので、まずはお気軽にご相談ください。


