スズキが、ついにジムニーノマドの受注再開予定を発表しました。ここでは、受注再開の時期やノマド人気の理由、さらに受注再開後の納期予測について解説します。
ジムニーノマドの受注再開が決定
2025年10月27日、スズキはジムニーノマドについて「2026年1月30日より注文の受付を再開する」と発表しました。
今回は日にちのみの発表で、詳細は「受注再開時にホームページなどで知らせる予定」とのことです。
発売時は予約開始4日で受注停止
ジムニーノマドはジムニーシリーズ初の5ドアモデルで、普通車の「ジムニーシエラ」をベースに開発。日本では、2025年1月30日に予約が開始されましたが、その後わずか4日で受注停止となりました。
発表当初、スズキは同車の1か月あたりの販売台数目標を1,200台としていましたが、4日間での受注数は約5万台。想定をはるかに上回る数字となり、早々に多量のバックオーダーを抱えることになったのです。
夏には約2.8倍の増産体制を整備
ジムニーノマドに対するあまりの反響ぶりに、スズキは生産体制を再整備。2025年7月から、同車の月間生産台数を約3,300台にすると発表しました。もとの販売台数目標(1,200台)から考えると、約2.8倍の増産です。
こうした生産体制の早期改善などが実を結び、受注再開の目途が立ったと考えられます。
ジムニーノマドが爆発的に売れる理由
ジムニーノマドのベース車両である「ジムニーシエラ」は、軽規格の「ジムニー」と比べて販売台数が決して多くありません。
それにも関わらず、ジムニーノマドが爆発的に売れたのは、これまでのジムニーシリーズになかった「実用性」が理由と考えられます。
「趣味性と実用性の両立」がポイント
ジムニーシリーズは、無骨なデザインと悪路走破性の高さで多くの人を虜にしてきたSUVです。しかし、これまでのモデルはすべて3ドア。後部座席へのアクセスでは、前席を倒さなければいけませんでした。
近年の車は、実用性が求められる傾向があります。ジムニーノマドは「ジムニー系に憧れはあるけど、実用性が乏しく買えない」「これまでは渋々3ドアで我慢してきた」といった人たちの心を見事に射止めたと考えられます。
「軽でないからこその良さ」もある
前述の通り、ジムニーとジムニーシエラでは、ジムニーの方が圧倒的に販売台数が多いです。これは、ジムニーが軽規格で扱いやすく、維持費も安いからだと考えられます。
しかし、シエラは普通車だからこそジムニーよりも排気量が大きく、走行安定性も高いです。
ここに、さらなる居住性を付与したことが、ジムニーノマド「爆売れ」の要因といえます。
ジムニーノマドの納期は何か月?
ジムニーノマドの受注再開発表に、インターネット上では喜びの声も多いです。
しかし、ここで気になるのが「納期」。ジムニーノマドは、納車まで半年~1年以上かかる可能性が充分にあります。
5万台分の解消が2026年夏の可能性も
今後のジムニーノマドの納期を予測するには、まず「5万台分の解消にかかる期間」を計算する必要があります。
これまでのスズキの発表内容から考えると、2025年10月末までの生産台数は多くて2万台程度と見込まれます。今夏には約1か月の出荷停止もあったので、実際はさらに少ない可能性もあります。
バックオーダーが残り約3万台分で、毎月3,300台ずつ解消と仮定した場合、5万台に至るのは約9か月後(2026年夏ごろ)です。実際はもっと早く解消される可能性もありますが、納期が遅いパターンも想定しておくべきでしょう。
次回受注分も納期は半年~1年以上か
仮に、5万台分の解消時期が2026年夏頃だった場合、2026年1月末にジムニーノマドをすぐ予約しても、納車までは半年以上待つことになります。受注を再開すれば大量の予約が入り、納期1年以上になる可能性も高いです。
実は、兄弟車のジムニーやジムニーシエラも、納車には半年~1年半かかるといわれています。そのため、スズキからすると半年以上の納期は「想定内」であり、こうした前提に立っての受注再開なのかもしれません。
ジムニーノマドを早く入手する方法は?
ジムニーノマドを早く手に入れる方法として、中古車の選択肢があります。
現在は、初度登録だけ済ませて使用や運行に供されていない「登録済み未使用車」のノマドが一定数流通しています。人気の色やオプションを採用した車両も多く存在し、納期の目安も2週間~1か月程度と短いです。
ただし、現在のノマドは取引価格が高く、相場価格は支払総額で400万円前後。早く手に入れるために「いくらかけるのか」を考えて決断しましょう。
ジムニーシエラにする選択もアリ
ジムニーシエラは中古車市場でも一定数が流通しており、ジムニーノマドのような高騰は見られません。同じ登録済み未使用車でも、シエラであれば300万円程度で入手できます。
3ドアである点は不便ですが、ノマドよりも小回りが利き、車両重量が軽い分だけ走りも軽快です。また、「ノマドよりは後席の突き上げが小さい」ともいわれています。
さらに他の選択肢を考えるなら?
この他に、思い切ってジムニーノマドやシエラ以外のモデルを選ぶ選択肢もあります。たとえば、中古車で見た場合には以下のような車種が考えられます(カッコ内は2025年9月5日時点の中古車相場)。
- スズキ「ジムニー」(約50万円~300万円)
- トヨタ「FJクルーザー」(約200万円~440万円)
- ジープ「レネゲード」(約100万円~320万円)
- ジープ「コンパス」(約100万円~350万円)
- ジープ「ラングラー」(約170万円~900万円)
ジムニーノマドを購入した場合、乗り出し価格は300万円前後と考えられるため、この価格を参考に検討すると良いでしょう。
納期と予算を踏まえて検討を
ジムニーノマドは、まだまだ新車での入手には時間がかかりそうです。予算と納期を踏まえて「中古で買う価値はあるか」「他の選択肢はどうか」と検討してみてください。