新車N-BOX vs中古フリード徹底比較!中古車なら6,7人乗り「GB系フリードハイブリッド」が手に入る!

新車N-BOX vs中古フリード徹底比較!中古車なら6,7人乗り「GB系フリードハイブリッド」が手に入る!

ホンダ N-BOX(JF5、6系)は、2024年度の新車販売台数で第1位に輝いた。軽自動車の新車販売台数では、10年連続でトップの座を獲得し、金字塔を打ち立てた。まさに、軽自動車の定番と言えるモデルだ。

そんな人気モデルであるN-BOX(JF5、6系)がフルモデルチェンジを迎え、新車価格が大幅に上昇した。特に人気グレードは、200万円台を超える価格帯に達している。

中古車市場で予算が200万円前後の場合、同じスライドドアを装備し、3列シートを備えたホンダ フリードハイブリッド(GB系)も選択肢に入ってくる。

そこで今回は、新車のN-BOX(JF5、6系)と、中古車のフリードハイブリッド(GB系)の燃費性能、価格、機能、デザインを徹底比較した。

N-BOXは走りの質感にもこだわった軽自動車のベストセラー

ホンダN-BOX(JF5、6系)の特徴

※上部:3代目N-BOXカスタムの全景

3代目にあたるN-BOX(JF5、6系)は、2023年10月に販売が開始された。女性や家族だけでなく、親しい友人や地域の仲間を含め、ユーザーが大切に思う“みんな”のしあわせを後押ししたいという想いが込められている。

なお、N-BOXのJF5はFF、JF6は4WDと駆動方式が異なる。

 

先代から引き継いだプラットフォームは、軽量かつ高剛性なものに改良された。

さらに、ルーフライニングを厚くすることで静粛性が向上し、フロアカーペットに遮音フィルムを追加することでロードノイズを低減させている。N-BOXカスタムではルーフライニングに吸音シートを採用し、より高い静粛性を実現させている。

 

搭載されている2種類のエンジンは、いずれも先代モデルからのキャリーオーバーだ。VTECを採用した自然吸気エンジンと、電動ウェストゲートを搭載したターボエンジンは、細部の制御を見直し、より扱いやすさを向上させている。

 

組み合わされるトランスミッションのCVTは、変速制御を細部まで見直した。ドライバーの意図しないG(加速度)の変化を抑制し、無駄な動きのない上質な走りを実現。燃費性能は、18.4~21.6km/Lだ。

運転支援装備は、先進の安全運転システム「ホンダセンシング」が全グレードに標準装備された。近距離衝突軽減ブレーキと急アクセル抑制機能を加えた全13の機能で、ドライバーの運転をしっかりとサポートしてくれる。また、新世代コネクテッド技術を採用した車載通信モジュール「ホンダコネクト」をホンダの軽自動車として初採用しているのも特徴だ。

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フリードはハイブリッド車でも4WDを選べ、シートアレンジも豊富

ホンダ フリード(GB系)の特徴

2代目フリードの車両の全景画像

※上図:2代目フリードの全景

2代目にあたるGB系フリードは、2016年9月に登場した。地上からのステップ高を390mmに設定し、フロアの段差をなくし、優れた乗降性を実現している。

 

搭載されているパワートレインは2種類。1.5Lガソリンエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドシステムと、1.5Lガソリンエンジンだ。組み合わされるトランスミッションは1.5LエンジンがCVT、ハイブリッドには7速ATと異なる。

 

駆動方式は1.5Lエンジン、ハイブリッド車で2WD(FF)と4WDを選ぶことができる。ハイブリッド車の燃費性能は、19.8~20.9km/L(WLTCモード)と優秀だ。

 

安全装備面では、予防安全装備パッケージ「ホンダセンシング」を装備した。以下の機能などでドライバーをサポートする。

  • 衝突軽減ブレーキ
  • アダプティブクルーズコントロール(先行車との車間距離を一定に保ち追従走行)
  • 車線維持支援システム(車高速道路などで車線のセンターを走行できるようにサポート)
  • 誤発進抑制機能(アクセルとブレーキを踏み間違えても急発進しない)

 

2019年のマイナーチェンジ時には、クロスオーバーテイストのクロスターが追加された。

同時に後方誤発進抑制機能を追加した予防安全装備「ホンダセンシング」を全タイプに標準装備し、安全性が向上している。

*フリードの画像はマイナーチェンジ前のもの

街乗りではN-BOX有利だが、高速道路ならばフリード優勢

1.燃費性能

新車N-BOX(JF5、6系)の評価は4.0

中古車フリード(GB系)の評価は4.0

 

N-BOX(JF5、6系)の燃費(WLTCモード)は下記の通り。

エンジン

2WD燃費

4WD燃費

0.66L直3DOHCエンジン

21.3~21.6 km/L

19.3~19.4 km/L

0.66L直3DOHCターボエンジン

20.2~20.3 km/L

18.4 km/L

 

フリード(GB系)の燃費(WLTCモード)は下記の通り。

エンジン

2WD燃費

4WD燃費

1.5Lエンジンハイブリッド

20.9 km/L

19.8 km/L

1.5Lエンジン

17.0 km/L

15.6 km/L

 

搭載しているパワートレインは、N-BOXが0.66L直3DOHCエンジンと0.66L直3DOHCターボエンジンの2種類。対するフリードは、1.5L直4ガソリンエンジンと1.5Lハイブリッドの2種類だ。

コンパクトミニバンのフリードはN-BOXよりもエンジン排気量が0.9L大きい。純ガソリンエンジン車同士の比較では、排気量の少ないN-BOXの方が大幅に優れた燃費値となった。

 

フリード1.5Lハイブリッド車の燃費は、19.8~20.9km/Lだ。エンジン排気量は大きいものの、さすがハイブリッド車ということもあり、N-BOXとほぼ互角の燃費性能を実現している。フリードハイブリッドは、室内スペースが広く乗員数が多いにも関わらずN-BOXと同等の燃費性能を実現している。

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燃費&走行性能の優れたGB系フリードハイブリッドの高年式中古車がバリュー感高め

2.価格比較

新車N-BOX(JF5、6系)の評価は3.5

中古車フリード(GB系)の評価は3.5

※中古車相場は、2025年6月調べ

 

N-BOXの新車価格とフリードの中古車相場を比較したのが下記の表だ。双方最量販グレードの価格を記載している。

  • N-BOXカスタム 2WD新車価格:192万3900円
  • フリードハイブリッドG 2WD 中古車相場(2020年式):約170万円~230万円
  • フリードG 2WD 中古車相場(2020年式):約150~210万円

フリード(GB系)は2016年に登場し、2024年5月まで販売されていた。2024年の3代目フリード(GT系)登場の影響で、徐々に中古車相場が下がり買い得感が増してきている。

ハイブリッド車の人気グレードは、ハイブリッドG系が中心だ。最も流通台数が多く、装備が充実しているグレードである。

 

2019年のマイナーチェンジ後のモデルでは、ホンダセンシングが標準装備化され、内外装デザインも変更されている。

フリードの中古車を選ぶ場合、このマイナーチェンジ後がお勧めだ。G系のグレードではセットオプションSパッケージが装備されている車両を特にお勧めしたい。純正ナビやサイド&カーテンエアバッグ、コンビシートや本革ステアリングホイールなどが含まれている。

 

N-BOXには、アウトドア志向のグレードJOYにのみ撥水ファブリックを採用している。フリードの2022年6月改良後モデルは、一部グレードを除き撥水・撥油加工を施した「FABTECT」が標準装備した。小さな子供の食べこぼしなど、掃除しやすくなっている。

 

マイナーチェンジ後のフリードは全車に両側スライドドアを標準装備した。対するN-BOXカスタムは、右側スライドドアがオプションなどの差がある。

逆にマイナーチェンジ後フリードでは、サイド&カーテンエアバッグがオプションだが、N-BOXでは標準装備となっている。両車共に、装備面での大きな差はない。

 

価格で比較すると、フリードハイブリッド(2020年式)とN-BOXカスタム系が、ほぼ同等レベルだ。フリードハイブリッドは、中古車とはいえ、燃費性能と室内の広さは圧勝。このあたりをどう評価するかがポイントとなる。

 

燃費はあまり気にしないのであれば、フリードのガソリン車(2020年式)は、N-BOXカスタム系に比べるとグッとリーズナブルな価格になる。安価で広いクルマが欲しいのであれば、フリードのガソリン車も良いだろう。

大量の未使用車が流通するN-BOX。新車値引きは拡大中!

3.購入時の値引き術

新車N-BOX(JF5、6系)の評価は4.5

中古車フリード(GB系)の評価は3.5

 

N-BOXは、大量の未使用車が流通している。(2025年6月17日調べ)。中古車流通台数の約73%が未使用車ということになる。

 

未使用車とは、メーカーやディーラーの都合で買い手がいないのに登録(届出)しただけの車両のことだ。実際には使われていないので、ほとんど新車コンディションと言える。だが一度登録(届出)すると中古車扱いになるので、中古車店に並んでいる。

つまり未使用車は新車コンディションながら、新車価格より安く売られていることが多いのだ。

 

未使用車が生まれる理由は様々だ。

例えば生産計画より実際の販売台数が下回ると、未使用車が生まれるケースが多い。つまり、新車販売が厳しい状態であると推測できる。そのため、N-BOXの値引きは拡大傾向にある。

安価な未使用車やライバル車のスズキ スペーシアやダイハツ タントなどと競合させれば、値引き額の拡大が期待できる。

 

N-BOXの場合、グレードやオプションの有無で、やや値引きが異なる。とはいえ、上級グレードなら約20万円の値引きも狙えるレベルになってきている。

フリードは、中古車なので基本的に値引きはゼロだ。利益はかなり少ない。

中古車は総額表示が義務付けられたことから、競争が激化し値引きが厳しい状況になっている。

そのため、容易に大幅な値引きをする店舗は要注意だ。何か理由があるのでは?と、疑ってみる必要がある。

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モデルチェンジの度に完成度が高くなるN-BOXのデザイン。ミニバンにスポーティさを足したフリード

4.デザイン比較

新車N-BOX(JF5、6系)の評価は4.0

中古車フリード(GB系)の評価は3.5

キープコンセプトだが、もはや誰も安心するN-BOX

3代目N-BOXカスタムの後景画像

※上図:3代目N-BOXカスタムの後景

N-BOXの外観デザインのポイントは、以下の2点である。

  • 「ひと目でN-BOXとわかる堂々とした四角いフォルム」
  • 「シンプルに高品位に進化したフロントフェイス」

 

3代目N-BOXは、安定感のある四角いフォルムを基本としている。その上でタイヤを車体の四隅に配置することで、スタンスの良さを生み出し、高いベルトラインによって安心感を演出している点が特徴である。

 

N-BOXは、特徴であるドアパネルの面構成を先代モデル以上にシンプルにすることで、ボディ全体の塊感を強調している。また、塊感を大切にしつつ、サイドのキャラクターラインをリアタイヤ前でキックアップさせた。これにより、ルーフピラーやルーフとの連続感を創出し、広さや安心感を高めている。

 

さらに、前後フェンダーを滑らかに隆起させると同時に、バンパーコーナーにボリュームを持たせることで、安定感を演出している。

3代目N-BOXカスタムのフロントフェイスの画像

※上図:3代目N-BOXカスタムのフロントフェイス

標準車のN-BOXフロントフェイスは、シンプルに高品位に進化した。インターホンやスピーカーなど身近にある家電製品に見られる丸穴デザインを採用することで、生活感や新しさを表現。またヘッドライトは人間の目の構造を参考に、どの角度から見ても瞳らしさを自然に感じられる親しみやすいデザインとなっている。

 

一方、N-BOXカスタムは、グロスブラックのパネルに六角形の吸気口を配置し、立体感のある緻密なデザインを採用することで、フォーマルな印象を強めている。

 

N-BOXカスタムのヘッドライトには、「ダイレクトプロジェクター式フルLEDヘッドライト」をホンダ車として初採用した。反射板や遮光板を用いず、レンズの作用のみで集光・遮光を行う。

 

さらに、左右のポジションランプと中央のアクセサリーランプをつなげ、全幅いっぱいに光る横一文字ライトを採用することで、加飾に頼らずワイド感や存在感を強調している。

3代目N-BOXカスタムのリヤエンドの画像

※上図:3代目N-BOXカスタムのリヤエンド

初代N-BOXからキープコンセプトのデザインではあるが、モデルチェンジの度に洗練さを増している。日本で最も売れている軽自動車であり、見慣れたモデルであることから、安心感は抜群だ。まさに軽自動車の定番といえるデザインへと昇華しているといえるだろう。

ミニバンだが、ホンダらしいスポーティさをプラス

2代目フリードの後景画像

※上図:2代目フリードの後景

フリードの外観デザインテーマは「Dynamism and Functionality(機能の詰まった躍動感)だ。小さなボディの中に多彩な能力が凝縮され、さらにキビキビとした軽快な運動性能が込められている。

2代目フリードのフロントフェイスの画像

※上図:2代目フリードのフロントフェイス

フロントビューは、ホンダのアイデンティティといえる「ソリッド・ウイング・フェイス」を採用した。より多くの人に「いい顔しているね」と思われるデザインを追求したのだ。

ボンネットは、安心感を強めるためにボリューム感を出し、良好な視界を確保するために左右を縦方向に広げたフロントウインドウも表情に個性と勢いをプラスしている。

 

適度な緊張感を持たせた伸びやかなサイドラインは、張りのある曲面を採用したリアパネルへとつながっている。また、ウィンドウの広い「グラッシーキャビン」を実現するため、フロントクォーターウィンドウを追加している。

2代目フリードのリヤエンドの画像

※上図:2代目フリードのリヤエンド

リアビューは、ミニバンの機能性とパーソナルなクルマとしての存在感の両立を目指している。先代モデル以上に大開口テールゲートで機能性を表現しながらも、全体のシルエットは箱型から下へ向かうにつれて緩やかに広がる形状となり、安定感を演出している。

 

全体的に引き締まったフロントフェイスに、勢いよく跳ね上がるようなサイドのキャラクターラインなど、「いかにもミニバンのようなファミリー感」よりもホンダ車らしいスポーティさを重視したデザインだ。

広さと使い勝手を重視するなら、フリード一択

5.室内空間と使い勝手

新車N-BOX(JF5、6系)の評価は3.5

中古車フリード(GB系)の評価は4.5

 

N-BOXとフリードのボディサイズ・室内サイズ・荷室容量を比較した。

 

N-BOX

ボディサイズ

全長3,395mm×全幅1,475mm×全高1,790mm

ホイールベース

2,520mm

室内サイズ

室内長2,125mm×室内幅1,350mm×室内高1,400mm

 

フリード

ボディサイズ

全長4,265mm×全幅1,695mm×全高1,710(4WD車は1,735)mm

ホイールベース

2,740mm

室内サイズ

室内長3,045mm×室内幅1,455mm×室内高1,275mm

 

N-BOXは軽自動車であり、フリードは5ナンバーサイズのコンパクトミニバンなのでボディサイズには大きな差がある。

3代目N-BOXカスタムの内装:運転席の画像

※上図:3代目N-BOXカスタムの運転席

3代目N-BOXカスタムの内装:後席の画像

※上図:3代目N-BOXカスタムの後席

全高はN-BOXが上回るものの、全長は約870mm、全幅は約220mm、フリードの方が大きい。この数値の差は、室内空間&ラゲッジルームの広さに影響する。

3代目N-BOXカスタムの内装:荷室の画像

※上図:3代目N-BOXカスタムの荷室

3代目N-BOXカスタムの内装:シートアレンジの画像

※上図:3代目N-BOXカスタムのシートアレンジ

特に後席の居住性とラゲッジスペースの容量は、圧倒的にフリードが有利だ。

2代目フリードの内装:荷室の画像

※上図:2代目フリードの荷室

2代目フリードの内装:シートアレンジの画像

※上図:2代目フリードのシートアレンジ

フリードのラゲッジルームの容量は、5人乗車時で715Lだ。2列目シートまですべて倒せば、最大で1,257Lまで拡大する。この広さは、軽自動車であるN-BOXでは到底及ばない。

2代目フリードの内装:運転席の画像

※上図:2代目フリードの運転席

2代目フリードの内装:2列目シートの画像

※上図:2代目フリードの2列目シート

2代目フリードの内装:3列目シートの画像

※上図:2代目フリードの3列目シート

室内の広さという点では、当然ながらボディサイズが大きいフリードが圧倒的である。乗車定員も大きな差となっており、フリードが6人または7人乗りなのに対し、N-BOXは4人乗りだ。

 

N-BOXも軽自動車の中では広く使い勝手の良いモデルではあるが、物理的な大きさの違いを超えることはできない。

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同じホンダセンシングでも、N-BOXのほうが機能面は上

6.安全装備&運転支援機能の比較

新車N-BOX(JF5、6系)の評価は4.0

中古車フリード(GB系)の評価は3.5

 

N-BOXとフリードはともに運転支援システム「ホンダセンシング」を採用しているが、搭載されているシステムの世代が異なっている。

N-BOXに搭載された最新のホンダセンシング

3代目N-BOXカスタムのインパネデザインの画像

※上図:3代目N-BOXカスタムのインパネデザイン

2023年に登場したN-BOXは、近距離衝突軽減ブレーキと急アクセル抑制機能を含む全13機能がパッケージ化されたホンダセンシングを全グレードに標準装備している。

3代目N-BOXカスタムのメーターの画像

※上図:3代目N-BOXカスタムのメーター

N-BOXのシステムは、約100°の有効水平画角を持つフロントワイドビューカメラと高速画像処理チップによって、従来のシステムよりも広い範囲を高精度で対象物を検知できるのが特徴だ。また、車両前後に装着されたソナーセンサーにより、「踏み間違い衝突軽減システム」などを実現している。

フリードに搭載されたホンダセンシング

2代目フリードのインパネデザインの画像

※上図:2代目フリードのインパネデザイン

一方、フリードに搭載されているホンダセンシングは、ミリ波レーダーと単眼カメラを組み合わせたシステムである。2016年から2019年のマイナーチェンジ前までは、以下の8つの機能で構成されていた。

 

  • 衝突軽減ブレーキ
  • 歩行者事故低減ステアリング
  • アダプティブクルーズコントロール
  • 車線維持支援システム
  • 路外逸脱抑制機能
  • 誤発進抑制機能
  • 先行車発進お知らせ機能
  • 標識認識機能

2代目フリードのメーターの画像

※上図:2代目フリードのメーター

その後、2019年のマイナーチェンジで後方誤発進抑制機能が追加され、計9つの機能がパッケージ化された。また、アダプティブクルーズコントロールは、前走車が車線変更し、設定速度まで自動的に加速する際のフィーリングがよりスムーズに変更されている。

 

予防安全装備は日々進化しているため、デビューが新しいN-BOXの方が高機能となるのは自然な流れだ。軽自動車の中でもN-BOXの予防安全装備は高いレベルにあり、フリードとは性能差がある。

 

しかし、フリードに搭載されているホンダセンシングも、やや古いシステムとはいえ実用上は十分な性能を持っている。ただし、2019年のマイナーチェンジ前のモデルには、ホンダセンシングが標準装備されていない。フリードの購入を検討する際は、価格の安さだけでホンダセンシング非搭載の車両を選ばないよう注意が必要である。

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2代目GB系フリードのフラつきの少ない走りは絶品

7.走行性能の比較

新車N-BOX(JF5、6系)の評価は3.5

中古車フリード(GB系)の評価は4.0

 

N-BOXとフリードのパワートレインスペックは以下のとおり。

 

N-BOX

  • 66L直列3気筒DOHCエンジン
  • 最高出力58ps、最大トルク65N・m

 

  • 66L直列3気筒DOHCターボエンジン
  • 最高出力64ps、最大トルク104N・m

 

フリード

  • ハイブリッド用5L直4エンジン
  • 最高出力110ps、最大トルク134N・m
  • フロントモーター最高出力5ps、最大トルク160N・m

 

  • 5L直4エンジン
  • 最高出力129ps、最大トルク153N・m

 

N-BOX:軽自動車の域を超えた質の高い走りが特徴

3代目N-BOXカスタムのエンジンルームの画像

※上図:3代目N-BOXカスタムのエンジンルーム

軽自動車においてもマイルドハイブリッドを採用するメーカーが増加傾向にある中、ホンダの軽自動車はマイルドハイブリッドを搭載していない。

 

N-BOXカスタム ターボ コーディネイトスタイル 2トーンのターボエンジンは、最高出力64ps、最大トルク104Nmを発揮する。車両重量940kgと軽自動車としてはヘビー級だ。しかし、発進時や高速道路での追い越し加速は、軽自動車とは思えないほど非常にスムーズである。また、制御が見直されたCVTは、アクセルペダルを踏んでから実際に加速するまでのタイムラグが少なく、レスポンスの良い走りも特徴だ。

 

一方で自然吸気エンジン車は、街中であれば力不足を感じることはほとんど無い。しかし、高速道路や急な登り坂では、ややパワー不足を感じる。これはN-BOXに限らず、スーパーハイト系軽自動車全般に共通する傾向だ。

 

N-BOXのようなスーパーハイト系の車種は、広い室内空間を実現するために全高が高い。重心も高くなるため、カーブを曲がる際やブレーキを掛けた際に前後左右に無駄な揺れが発生しやすい。

しかし、N-BOXカスタムはフロント&リアサスペンション結合部の最適化した。前後のダンパー減衰力の変更を実施した結果、カーブでのクルマの傾きやブレーキ時のダイブ現象等の無駄な動きを抑えてくれる。

 

N-BOXの乗り心地は非常に快適だ。スーパーハイト系の中では、比較的ソフトな乗り味だといえる。ただし、高速道路においては、ソフトな設定である分、大きな路面の凹凸を乗り越える際に揺れが収まるまでに若干時間がかかる場合がある。

フリード:ミニバンながら、ホンダ車らしいキビキビ感のある走り

2代目フリードのエンジンルームの画像

※上図:2代目フリードのエンジンルーム

新車では高価格帯となるハイブリッド車も、中古車であればリーズナブルな価格で購入できる。しかも、価格が安くなってもハイブリッドならではのスムーズな加速性能や低燃費性能が損なわれることはない。中古のフリードを検討するなら、流通台数が豊富なハイブリッドモデルを選ぶメリットは大きいだろう。

 

フリードは、リアハッチの拡大に伴い、リアハッチ周辺のボディ剛性を向上させている。この結果、背の高いミニバンにありがちなコーナリング時のふらつきを抑えるねじり剛性が向上した。これにより、コンパクトミニバンとは思えないほどの回頭性の良さと走行安定性を両立している。高い走行安定性は、乗員全員に安心感と安全を提供してくれるはずだ。

走りの質感は、やっぱりフリード優位

フリードは多人数乗車を前提としているため、しっかりとした乗り心地を提供している。ハンドリングもホンダ車らしいキビキビとした感覚があり、ミニバンでありながら気持ちの良い走りが楽しめるのも魅力である。

フリードのハイブリッド車はモーター駆動のため、非常にスムーズな走りを実現する。EV走行時の静粛性を含めると、さすがに軽自動車のN-BOXでは分が悪い。走行における上質感という点では、旧型とはいえフリードが優位に立つ。

未使用車増で、不透明感あるN-BOX。高値安定のフリード

8.リセールバリュー比較

新車N-BOX(JF5、6系)の評価は3.5

中古車フリード(GB系)の評価は4.0

*中古車相場は、2025年6月調べ

 

N-BOXとフリードの中古車相場と、新車価格比は以下の通り。

 

N-BOXカスタム ベースグレード(2024年式)

  • 中古車相場:約160~180万円
  • 当時の新車価格比:約86~97%

 

N-BOXベースグレード(2024年式)

  • 中古車相場:約140~170万円
  • 当時の新車価格比:約85~103%

 

フリードハイブリッドGホンダセンシング(2022年式)

  • 中古車相場:約210~240万円
  • 当時の新車価格比:約79~90%

 

N-BOXベースグレードの2024年式中古車は、新車価格比で約85~103%と、一部の車両がかなり高値で取引されている。未使用車が中心とはいえ、強気な価格設定が目立つ状況だ。N-BOXカスタムベースグレードも同様に高いリセールバリューを維持している。

 

しかし、この高いリセールバリューの今後の見通しは不透明感が強い。その一因として、多くの未使用車が流通していることが挙げられる。未使用車は中古車扱いとなるため、新車同等のコンディションであっても、新車価格よりも安価でなければ売れにくい。結果として、高年式車を中心に中古車価格が軒並み下がる傾向にある。中古車価格が下がれば、リセールバリューもそれに伴い下落するからだ。

だが、現状のように多くの未使用車が存在しても中古車価格が下がらない、という珍しい状態がしばらく続く可能性もある。このように、今後のリセールバリューは不透明感が強いため、売却を考えているのであれば、なるべく早い時期に決断するのが賢明だろう。

 

フリードのGホンダセンシング(2022年式)中古車価格は、新車価格比で約79~90%となった。すでに3代目となる新型フリードが登場していることを考えると、通常であれば中古車相場はもっと下がっていてもおかしくない水準だ。これは、フリードが長期間にわたって高い人気を維持していることが理由と考えられる。今後は、しばらくの間、緩やかにリセールバリューが下がっていくと予想される。

N-BOXとフリードはどっちがおすすめ?

9.まとめ・総合評価

新車N-BOX(JF5、6系)がお勧めな人

1.維持費を押さえたい人

税金を安く抑えたい人にはN-BOXが推奨される。N-BOXの軽自動車税は年間10,800円である。これに対し、フリードの自動車税は年間30,500円(2019年10月1日以降に新車登録された中古車の場合)となる。年間約2万円の差がつく維持費を安価に抑えたいのであればN-BOXが有利である。

 

2.小回りの利く小さな車を求める場合

狭い道を頻繁に走行する人には、N-BOXのコンパクトなボディが適している。N-BOXの最小回転半径はFF車で4.5m、全幅は1,475mmである。一方、フリードはFF車で最小回転半径5.2m、全幅1,695mmとなる。狭い場所での取り回しやすさを重視するならば、N-BOXが優位性を持つ。

 

3.新車にこだわる場合

「新車であること」を重視する人にも、新型N-BOXは有力な選択肢となるだろう。

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フリード(GB系)がお勧めな人

1.広大な室内空間を求める場合

可能な限り室内空間の広い車を求める人にはフリードが適している。ボディサイズが大きく異なるため、室内や荷室の広さはフリードが圧倒的に優位である。ただし、高さ方向の広さに関してはN-BOXの方が広い。

 

2.多人数乗車の機会が多い場合

N-BOXが4人乗りであるのに対し、フリードは6人または7人乗りである。この乗車定員の差は大きく、多人数での移動が多い人にはフリードが推奨される。

 

3.高速道路の利用頻度が高い場合

高速道路などでの走行安定性は、フリードが圧倒的に優位である。長距離ドライブにおける疲労度もN-BOXより少ないため、高速道路を頻繁に利用する人にはフリードが適している。

 

4.ハイブリッド車を希望する場合

ハイブリッド車を希望する人にとって、フリードは有力な選択肢となるだろう。

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N-BOX(JF5、6系)

フリード(GB系)

総合得点(40点満点)

32.5

33.0

1.燃費性能

4.0

4.0

2.価格

3.5

3.5

3.購入時の値引きしやすさ

4.5

3.5

4.デザイン

4.0

3.5

5.室内空間と使い勝手

3.5

4.5

6.安全装備&運転支援機能

4.0

3.5

7.走行性能

3.5

4.0

8.リセールバリュー

3.5

4.0

ホンダN-BOX(JF5、6系)新車価格帯

  • N-BOX価格帯:1,739,100~2,036,000円
  • N-BOXカスタム価格帯:1,923,900~2,475,000円

ホンダ フリード(GB系)中古車相場

  • フリードハイブリッドG 2WD 中古車相場(2020年式):約170万円~230万円
  • フリードG 2WD 中古車相場(2020年式):約150~210万円

ホンダN-BOX(JF5、6系)スペック

代表グレード

N-BOXカスタム

駆動方式

2WD

全長×全幅×全高

3,395mm×1,475mm×1,790mm

ホイールベース

2,520mm

最低地上高

145mm

車両重量

920kg

エンジン型式

S07B

エンジンタイプ

直列3気筒DOHC

総排気量

658cc

最高出力

58ps(43kw)/7,300rpm

最大トルク

65N・m(6.6kgm)/4,800rpm

燃費(WLTCモード)

21.5km/L

トランスミッション

CVT

サスペンション型式

前:マクファーソンストラット式 後:車軸式

タイヤサイズ前後

155/65R14

最小回転半径

4.5m

ホンダ フリード(GB系)スペック

代表グレード

ハイブリッドG 7人乗り

駆動方式

2WD

全長×全幅×全高

4,265mm×1,695mm×1,710mm

ホイールベース

2,740mm

最低地上高

135mm

車両重量

1,430kg

エンジン型式

LEB

エンジンタイプ

直列4気筒DOHC

総排気量

1,496cc

最高出力

110ps(81kw)/6,000rpm

最大トルク

134N・m(13.7kgm)/5,000rpm

モーター型式

H1

モーター最高出力

29.5ps(22kw)

モーター最大トルク

160N・m(16.3kgm)

燃費(WLTCモード)

20.9km/L

トランスミッション

CVT

サスペンション型式

前:マクファーソン式 後:車軸式

タイヤサイズ前後

185/65R15

最小回転半径

5.2m

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員