3代目N-BOX(JF5/6型) vs 中古車シエンタ(170系)徹底比較!

3代目N-BOX(JF5/6型) vs 中古車シエンタ(170系)徹底比較!

ホンダN-BOXは新車販売台数No.1の常連だ。最新モデルである3代目N-BOX(JF5/6型)は2023年10月に登場した。スーパーハイトワゴンは車両価格が年々上昇する傾向にあり、3代目N-BOXも新車価格で200万円を超えている。
車両価格200万円以上の予算なら、中古車で探すと2クラス以上格上である3列シートを持つコンパクトミニバンも視野に入ってくる。
そこで今回はコンパクトミニバンの人気モデル、2代目トヨタ シエンタ(170系)の中古車と新車3代目N-BOX(JF5/6型)の燃費性能、価格、機能、デザインを徹底比較した。

N-BOXは扱いやすさに磨きのかかった

3代目N-BOX(JF5/6型)の特徴

3代目N-BOXの基準車(左図)とカスタム(右図)の全景

※上図:3代目N-BOXの基準車(左図)とカスタム(右図)の全景
2023年10月に登場した3代目にあたるJF5/6型N-BOXの開発コンセプトは、「HAPPY Rhythm BOX わたしも家族も、日本も、ハッピーになれる“幸せな生活リズム”をつくる」だ。女性や家族に留まらず、親しい友人や地域の仲間まで、ユーザーが大切に思う“みんな”のしあわせを後押ししたいと思いが込められている。
モデル体系は標準車のN-BOXと、圧倒的な存在感を演出するN-BOXカスタム、2024年9月にはツール感を強めたN-BOX JOYが追加された。

ボディの骨格にあたる軽量・高剛性プラットフォームは先代からのキャリーオーバーだ。フロントサスペンションアライメントの適正化、フロント&リアサスペンションの結合適正化を行い、乗り心地や操縦安定性、ステアリングフィールを向上させている。

JF5/6型N-BOXに搭載されているエンジンは2種類。先代にも搭載されていたVTECを採用した自然吸気エンジン。そして電動ウェストゲートを搭載したターボエンジンだ。細部の制御を見直し、扱いやすさを向上させている。
CVTは変速制御を細部まで見直しており、全グレードで2WD(FF)と4WDを選ぶことができる。燃費性能は、18.4~21.6km/Lを実現した。

安全装備では、先進の安全運転システム「ホンダセンシング」を全グレードに標準装備した。近距離衝突軽減ブレーキと急アクセル抑制機能を加えた全13の機能でドライバーの運転をサポートする。
また、新世代コネクテッド技術を採用した車載通信モジュール「ホンダコネクト」をホンダの軽自動車として初採用している。

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シエンタは誰にでも優しい装備がコンパクトなボディに凝縮

2代目 シエンタ(170系)の特徴

2代目シエンタの全景

※上図:2代目シエンタの全景
2代目にあたる170系シエンタは2015年7月に登場した。全長4,235mm、全幅1,695mm、全高1,675mmという5ナンバーサイズの枠に収まったコンパクトミニバンだ。路面から330mmという低い乗り込み口と、フラットな床によって子どもからご年配の方まで誰でも乗り降りがしやすい。シート位置は後席ほど高くなる配置なので、どのシートに乗っても開放感に溢れている。

3列シート仕様車のゆったりサイズとなったサードシートは5:5分割可倒式だ。折り畳むとセカンドシートの下にスッポリと収納されるダイブイン機能が付いているので、多彩なシートアレンジが可能だ。

170系シエンタに搭載されているパワートレインは2種類。

  • 1.5L直列4気筒ガソリンエンジン
  • 1.5Lガソリンエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドシステム

駆動方式は2WD(FF)が中心。1.5Lガソリン車には4WDもある。燃費性能はハイブリッド車が22.8km/L、ガソリン車が14.0~17.0km/Lだ(WLTCモード)。

 

安全運転支援システムは、レーザーレーダーと単眼カメラを採用したトヨタセーフティセンスを設定。以下などが含まれたセットだ。

  • プリクラッシュセーフティシステム(緊急時に自動的にブレーキを掛けてくれる)
  • レーンディパーチャーアラート(車線逸脱の可能性をブザーとディスプレイで知らせる)
  • オートマチックハイビーム(ヘッドライトのハイビームとロービームを自動的に切り替える)

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シエンタ ハイブリッドの燃費が優勢

1.燃費性能

新車N-BOX(JF5/6)の評価は3.0
中古車シエンタ(170系)の評価は4.0

N-BOX(JF5/6)の燃費(WLTCモード)は下記の通り。

  2WD 4WD
660㏄直3DOHC自然吸気エンジン 21.3~21.6km/L 19.3~19.4km/L
660㏄直3DOHCターボエンジン 20.2~20.3km/L 18.4km/L

シエンタ(170系)の燃費は下記の通り。

  2WD 4WD
1.5Lエンジン 17.0km/L 14.0km/L
1.5Lエンジンハイブリッド 22.8km/L

JF5/6型N-BOX、170系シエンタともに、エンジンを横置きしたFF(前輪駆動)のレイアウト採用している。
軽自動車のJF5/6型N-BOXに対して、170系シエンタは0.84Lほど排気量が大きくなっている。
また、シエンタのハイブリッド車はJF5/6型N-BOXの燃費を上回っている。170系シエンタ ハイブリッドであれば、燃料経済性はリードできる。
車両重量はJF5/6型N-BOXが910~940kg。170系シエンタは1,320~1,380kg。170系シエンタのほうが440Kg以上重くなっている。これほど車両重量が重く、その上エンジンの排気量が約1Lも大きいにもかかわらず、ハイブリッド車の燃費性能は20km/L超えている。シエンタの実力は世代交代が行われた現在でも色褪せない。

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快適装備は互角。N-BOXは安全装備、シエンタはアクセサリーコンセントがポイント

2.価格比較

新車N-BOX(JF5/6)の評価は3.5
中古車シエンタ(170系)の評価は4.0 
*中古車相場は、2024年11月調べ

JF5/6型N-BOXと170系シエンタの中古車相場は以下の通り。

  • JF5/6型N-BOX新車価格帯:1,689,600円(ベースグレード)~1,921,700円(ファッションスタイル)
  • ションスタイル)
    JF5/6型N-BOXカスタム新車価格帯:1,868,900円(ベースグレード)~2,382,600円(ターボコーディネートスタイル)
  • 170系シエンタ中古車相場(2019年式):約140万円~210万円

170系シエンタの中古車相場は、ハイブリッド車も含めマイナーチェンジ後の2019年式でも十分にJF5/6型N-BOXの新車価格内に入ってきている。170系シエンタは、人気コンパクトミニバンなので中古車相場も高め。だが、3代目がすでに登場していることもあり、値下がりし始めている今(2025年1月)が買い時だ。

JF5/6型N-BOXの新車価格の予算があれば、170系シエンタのハイブリッド車でも十分に購入可能だ。やや年式が古くなってきているとはいえ、優れた燃費値を誇る。しかも、室内スペースや乗員数は170系シエンタが圧倒する。

170系シエンタで多く流通している中古車は、ガソリン車とハイブリッド車がほぼ半々だ。高年式車になるとハイブリッド車の比率が高くなる。
注目したいグレードが、2017年に特別仕様車として登場したクエロだ。Gグレードをベースに、シート表皮に、合成皮革と上級ファブリックを組み合わせ、上質感を高めている。さらにシート、シフトノブ、ステアリングホイールの随所にオレンジのステッチを施し、おしゃれな室内空間を演出している。

さらに以下の装備などを搭載した、充実しているグレードだ。

  • 衝突回避支援パッケージ「トヨタセーフティセンス」
  • 視認性を高めるスタイリッシュなLEDランプパッケージ
  • 先行車が発進したことに気づかず停止し続けた場合、ドライバーに知らせる先行車発進告知機能

AC100V/1500Wのアクセサリーコンセントはハイブリッド車のみ追加可能なオプションだが、最上級グレードならば装着率は高い。

流通している高年式中古車のグレード構成を見ると、ハイブリッド車、ガソリン車問わず最上級グレードのGクエロが多い。170系シエンタの中古車を探すのであれば、まずこのGクエロからチェックすることをオススメしたい。

JF5/6型N-BOX、170系シエンタともに、デュアルスライドドアやスマートエントリーは標準装備なので互角だ。
アクセサリーコンセントは、170系シエンタのハイブリッド車のみオプションで設定されている。JF5/6型N-BOXには設定されていない装備なので、この装備が付いているだけで大きなアドバンテージと言える。

 

JF5/6型N-BOX、170系シエンタで大きな差があるのが運転支援機能だ。
170系シエンタのトヨタセーフティセンスは、かなり物足りない。

  • プリクラッシュセーフティが昼間の歩行者だけ
  • 機能数もレーンディパーチャーアラート、オートマチックハイブリッドのみ
    対するJF5/6型N-BOXは以下の運転支援機能でドライバーの運転をサポートしてくれる。
  • 最新のホンダセンシングを標準装備
  • 近距離衝突軽減ブレーキと急アクセル抑制機能を加えた全13の機能を持つ

安全装備は年式が新しいほど機能も充実する。そのため、登場から9年が経過している170系シエンタの装備が物足りなさを感じるのは仕方のない部分でもある。

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N-BOXは納期も早く予想以上の値引きも可能か

3.購入時の値引き術

新車N-BOX(JF5/6)の評価は4.0
中古車シエンタ(170系)の評価は3.5

JF5/6型N-BOXの新車の納期は1~2カ月程度と、即納が可能な状態だ。しかも中古車マーケットには大量の未使用車も流通しているため、値引き額も大きくなりやすい。15万円程度の値引きも十分可能だろう。

ただし、ライバル車の見積りを先に取り、しっかりと競合させる必要がある。スズキ スペーシアや日産ルークス、ダイハツ タントや、場合によっては未使用車とも競合させるとよいだろう。値引きが上限に達したと思ったら、ディーラーオプションやボディコーティングなどの無料サービスや値引き切り替えるのもお勧めだ。

 

170系シエンタは、中古車での購入となるため値引きはゼロと考えたい。もし、容易に大幅値引きの提案があれば、その販売店の信用度は低いと考えたほうが良いだろう。最近の中古車販売は、非常に競争が激しく利益ギリギリで商売している店舗が多い。現金値引きができなくても、ボディコーティングの無料サービスや満タン納車などのサービスを要求するのもいいだろう。
また、170系シエンタは、多くの中古車が流通している。予算にあわせて好みのグレード、ボディカラー、装備も選びやすい。

デザインはキープコンセプトのN-BOXと攻めた個性的なシエンタ

4.デザイン比較

新車N-BOX(JF5/6)の評価は4.0
中古車シエンタ(170系)の評価は3.5

N-BOX:ひと目でN-BOXと認識できるデザインを継承

3代目N-BOX(カスタム)の後景

※上図:3代目N-BOX(カスタム)の後景
JF5/6型N-BOXの外観デザインは、“ひと目でN-BOXとわかる堂々とした四角いフォルム”と“シンプルに高品位に進化したフロントフェイス”がポイントだ。
“ひと目でN-BOXとわかる堂々とした四角いフォルム”ではJF5/6型N-BOXの安定感のある四角いフォルムを基本にタイヤを車体の四隅に配置することでスタンスの良さが生まれている。そして高いベルトラインによる安心感や、ドアパネルを先代モデル以上にシンプルな面で構成することでボディ全体の塊感を強調している。
また塊感を大切にしながら、サイドのキャラクターラインをリアタイヤ前でキックアップし、ルーフピラーやルーフとの連続感を創出し、広さや安心感を高めている。さらに前後フェンダーを滑らかなに隆起させると同時にバンパーコーナーにボリュームを持たせることで安定感を演出している。

3代目N-BOX(カスタム)のフロントフェイス

※上図:3代目N-BOX(カスタム)のフロントフェイス
“シンプルに高品位に進化したフロントフェイス”に関しては、標準車のN-BOXでは生活感や新しさを表現した。例えばフロントグリルはインターホンやスピーカーなど身近にある家電製品に見られる丸穴デザインを採用した。またヘッドライトは人間の目の構造を参考に、どの角度から見ても瞳らしさを自然に感じられる親しみやすいヘッドライトデザインとなっている。

3代目N-BOX(カスタム)のリヤエンド

※上図:3代目N-BOX(カスタム)のリヤエンド
N-BOXカスタムはフォーマルな印象を強めている。これはグロスブラックのパネルに6角形の吸気口を配置し、立体感のある緻密なデザインを採用した恩恵だ。ヘッドライトには、反射板や遮光板を用いずにレンズの作用のみで集光・遮光を行うダイレクトプロジェクト式フルLEDヘッドライトをホンダ車として初採用した。さらに、左右のポジションランプと中央のアクセサリーランプをつなげ、全幅いっぱいに光る横一文字ライトを採用。加飾に頼らずワイド感や存在感を強調している。
N-BOX JOYは、道具感を際立たせたアクティブな雰囲気を持つ。N-BOXをベースに立体感のあるヘッドライトや、ブラックとボディカラーのコンビネーションバンパーなどが特徴的だ。

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シエンタ:ひと筆書きをモチーフとしたグラフィックが特徴

2代目シエンタの後景

※上図:2代目シエンタの後景
170系シエンタのデザインコンセプトは「アーバントレッキングシューズ」だ。“アクティブ感”と“使いやすさ”が両立した外観が特徴。ボディ全体でひとつの塊に見せるよう、先端部から後方へ勢いをもたせた紡錘形で構成し、キビキビ感のあるデザインを採用している。

2代目シエンタのフロントフェイス

※上図:2代目シエンタのフロントフェイス
170系シエンタのフロントビューは、ヘッドライトからグリルへと融合したバンパーガーニッシュにより、ユニークな表情を持つ。ビッグキャビンをしっかり支えるロー&ワイドなスタンスの良さを表現している。
170系シエンタのサイドビューは、後方へ行くほど高くなる乗員配置に沿ったセンターシルエットやベルトラインにより、キャビン全体を前傾に見せている。また低床を感じさせるリアドア下部の開口ラインで室内パッケージの特徴を表現した。ベルトラインからリアドア見切りに連続する曲線とリアタイヤからつながるようなサイドプロテクターによるひと筆書きグラフィックにより、独自のダイナミズムを表現している。

2代目シエンタのリヤエンド

※上図:2代目シエンタのリヤエンド
170系シエンタのリアビューは、後方に向けられた紡錘形のキャビンと、コーナーを張り出させたアンダーボディとの対比により、安定感のあるスタンスを表現した。またリアコンビネーションランプと傷付きに配慮したバンパープロテクターを融合させたバンパーガーニッシュを設けた。フロント同様、機能的でユニークな表情を演出している。

JF5/6型N-BOXは人気モデルゆえ、デザインはキープコンセプトとなっている。対して170系シエンタは先代モデルのイメージを一新する攻めたデザインを採用。個性的なデザインだったが、マーケットに受け入れられヒットモデルとなった。

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N-BOXの室内高は立派だが、シエンタの多彩なアレンジが優勢

5.室内空間と使い勝手

新車N-BOX(JF5/6)の評価は4.0
中古車シエンタ(170系)の評価は5.0

JF5/6型N-BOXと170系シエンタのボディサイズ・室内サイズを比較した。

JF5/6型N-BOX

全長×全幅×全高 3,395mm×1,475mm×1,790mm
ホイールベース 2,520mm
室内長×室内幅×室内高 2,125mm×1,350mm×1,400mm

170系シエンタ

全長×全幅×全高 4,260mm×1,695mm×1,675mm
ホイールベース 2,750mm
室内長×室内幅×室内高(3列シート車) 2,535mm×1,470mm×1,280mm
室内長×室内幅×室内高(2列シート車) 1,900mm×1,490mm×1,280mm

3代目N-BOX(左図)、2代目シエンタ(右図)の内装

※上図:3代目N-BOX(左図)、2代目シエンタ(右図)の内装
JF5/6型N-BOXは軽自動車なので、税制は有利だ。一方でボディサイズには制約がある。したがって170系シエンタと比較すると、全高が上回る以外は大きな差がある。N-BOXは高さを活かして、小さな子どもの着替えができる室内高1,400mmを実現しているのは立派だ。しかし絶対的な室内空間の広さと使い勝手の良さでは、ボディサイズが大きい170系シエンタが圧倒的に有利といえる。
室内の広さに大きく影響するホイールベースは、JF5/6型N-BOXが2,520mm。対して170系シエンタは2,750mmと230mmも170系シエンタのほうが長い。このロングホイールベースを活かして、3列シートのレイアウトを実現している。

2代目シエンタの3列目シート

<※上図:2代目シエンタの3列目シート

3代目N-BOX(左図)、2代目シエンタ(右図)の荷室

※上図:3代目N-BOX(左図)、2代目シエンタ(右図)の荷室
ラゲッジスペースは、比較するまでもなく170系シエンタのほうが広い。さらにセカンドシートを畳めば、広大なラゲッジスペースが出現する。
どちらも小さな子どものいるファミリーに人気のクルマだが、室内空間の広さや多彩なシートアレンジによる使い勝手の良さは170系シエンタが優勢だ。ただし、セカンドカーとして所有するのであれば、JF5/6型N-BOXの満足度は高い。

運転支援機能を含む安全装備はN-BOXの圧勝

6.安全装備&運転支援機能の比較

新車N-BOX(JF5/6)の評価は4.5
中古車シエンタ(170系)の評価は3.0

3代目N-BOXのインパネデザイン

※上図:3代目N-BOXのインパネデザイン
JF5/6型N-BOXは2023年に登場したばかりなので、運転支援機能を含めた予防安全装備は軽自動車の中でトップレベルの充実度を誇る。
JF5/6型N-BOXは先進の安全運転支援システムであるホンダセンシングを全グレードに標準装備している。
従来の衝突軽減ブレーキや渋滞追従機能付アダプティブクルーズコントロール(ACC)といった機能に加え、今回近距離衝突軽減ブレーキと近距離衝突軽減ブレーキを加えた全13の機能を搭載している。また、見通しの悪い交差点への進入や狭い道ですれ違う場合や後退駐車時に運転をサポートするマルチビューカメラも設定している。

2代目シエンタのインパネデザイン

※上図:2代目シエンタのインパネデザイン
対する170系シエンタは2015年登場。2024年現在、すでに9年が経過している。以下の運転支援機能を持つが、最新モデルと比べると物足りない。

  • 昼間の歩行者検知機能付のプリクラッシュセーフティ
  • レーンディパーチャーアラート
  • オートマチックハイビーム
  • 先行車発進告知機能

運転支援機能を重視するのであれば、登場して間もないJF5/6型N-BOXの一択だ。

走行性能は同じ予算でハイブリッド車が手に入るシエンタに軍配

7.走行性能の比較

新車N-BOX(JF5/6)の評価は4.0
中古車シエンタ(170系)の評価は4.5

JF5/6型N-BOXと170系シエンタのパワートレインのスペックは以下のとおり。

JF5/6型N-BOX

  最高出力 最大トルク
660㏄直列3気筒DOHC自然吸気エンジン 58ps 65N・m
660㏄直列3気筒DOHCターボエンジン 64ps 104N・m

170系シエンタ

  最高出力 最大トルク
1.5L直4エンジン(2WD) 109ps 136N・m
1.5L直4エンジン(4WD) 103ps 132N・m
ハイブリッド用1.5L直4エンジン 100㎰(システム最高出力)
N-BOX:ターボ車の走行性能は、コンパクトカーに引けを取らない

3代目N-BOX(カスタム)のエンジンルーム

※上図:3代目N-BOX(カスタム)のエンジンルーム
ターボエンジンを搭載したJF5/6型N-BOXの乗り味は、発進時の加速や高速道路などの追い越し加速が軽自動車とは思えないほど非常にスムーズだ。トランスミッションのCVTもタイムラグがなく、アクセルペダルを踏むとリニアに加速するので、ストレスなく走行できる。
一方、自然吸気エンジンは車重が重いため、ややアンダーパワー気味だ。急な登り坂や高速道路などでは、少し物足りなさを感じるかもしれない。
先代モデルでも高評価だった乗り心地の良さも進化した。JF5/6型N-BOXは、フロント&リアサスペンション結合部の最適化に加えて、前後のダンパー減衰力の変更を実施。カーブでのクルマの傾きやブレーキ時のダイブ現象等の無駄な動きを抑え、ドライバーは気持ち良さ、乗員には安心を提供してくれる。

シエンタ:スムーズな走りと低燃費なハイブリッドは魅力たっぷり

2代目シエンタのエンジンルーム

※上図:2代目シエンタのエンジンルーム

新車では高価格な170系シエンタ ハイブリッドだが、中古車になるとかなりリーズナブルになる。価格は安くなってもスムーズな加速や低燃費といった性能は変わらない。
中古車で170系シエンタを購入するのであれば、ハイブリッドのほうがバリューは高い。170系シエンタハイブリッドのシステム最高出力は100㎰と十分。乗り心地も、当時のモデルとしては快適だ。また、前後左右の揺れを抑えており、セカンド&サードシートに乗る乗員にも安心感を提供してくれる。

同じ予算でハイブリッド車が手に入るのは魅力

新車時価格では差があるJF5/6型N-BOXと170系シエンタのハイブリッド車。中古車(2019年式)ならば、ほぼ同等の予算で選べる。同じ予算ならば、ランニングコストで最も負担に感じる燃料代を抑えられる170系シエンタのハイブリッド車は魅力的だ。ハイブリッド車は新車より中古車で買う方がお得感はさらに高まる。

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旧型になっても高いリセールを維持するシエンタ

8.リセールバリュー比較

新車N-BOX(JF5/6)の評価は4.0
中古車シエンタ(170系)の評価は4.5

JF5/6型N-BOXは登場したばかりの新型車なので、リセールバリューは先代(2代目)N-BOXで比較した。

JF3/4型N-BOX

  • 新車価格帯(2021年):1,428,900円~1,942,600円
  • 中古車相場(2021年式):約110万円~150万円
  • 中古車相場の新車価格比:約77%

170系シエンタ

  • 新車価格帯(2021年):1,818,500円~2,580,000円
  • 中古車相場(2021年式):約180万円~220万円
  • 中古車相場の新車価格比:約85~99%

先代JF3/4型N-BOXは人気モデルなので、中古車価格は高値を維持し続けている。
対する170系シエンタの中古車価格は、かなり高値を付けている。ほとんど新車価格並みだ。今のところ、短・中期であれがリーズナブルに乗ることができるモデルといえる。
3代目 JF5/6型N-BOXのリセールバリューが今後どう推移するかは不明だが、今のところ170系シエンタ優位といったところだ。

安全装備に目をつむれば、シエンタのほうが楽しいカーライフを送れそう

9.まとめ・総合評価

JF5/6型N-BOXがお勧めな人

  • 税金をなるべく少なくしたい
  • セカンドカーとして使いたい
  • より高機能な予防安全装備が欲しい

170系シエンタがお勧めな人

  • とにかく広い空間が欲しい
  • 少ない予算で3列シート車が欲しい
  • 燃費も重要(ハイブリッド車)
  • リセールバリュー重視

JF5/6型N-BOXの登場は2023年、170系シエンタは2015年だ。運転支援技術やコネクテッドの差は大きい。170系シエンタは一部改良などでアップデートを図ってきたが、装備内容を見ると物足りなさを感じるだろう。

しかし170系シエンタは、取り回しのしやすいサイズ、パワーと燃費を両立したパワートレイン。使い勝手の良い室内空間などたくさんの魅力がある。
170系シエンタのサードシートはダイブイン機能付の5:5分割左右独立式シートを採用し、畳めばセカンドシート下に収納でき、広大な荷室が出現する。そして乗降性の優れた両側リアスライドドアは、開口幅665mmを実現するだけでなく、地面からの高さを330mm(4WD車は350mm)と低く設定することにより、誰でも乗り降りしやすいのが特徴だ。
ファミリーカーに求められる性能が凝縮されているのが170系シエンタの魅力であり、中古車であえて購入する理由となるはずだ。

JF5/6型N-BOXは、軽自動車なので税金が安い。セカンドカーとして街中中心で使うならば、使い勝手も良好だ。予防安全装備では170系シエンタを上回っているので、運転に不慣れな人も安心だ。

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  N-BOXカスタム シエンタハイブリッド
総合得点(40点満点) 32 34
1.燃費 3 4
2.価格 3.5 4
3.購入時の値引きしやすさ 4 3.5
4.デザイン 4 3.5
5.室内空間と使い勝手 4 5
6.安全装備 4.5 3
7.走行性能 4 4.5
8.リセールバリュー 4 4.5

3代目N-BOX(JF5/6型)新車価格とスペック

  • N-BOX 2WD:168万9600円
  • N-BOXカスタムターボコーディネイトスタイル(2トーン)4WD:238万2600円
代表グレード カスタム2WD
ボディサイズ 3,395mm×1,475mm×1,790mm
ホイールベース 2,520mm
最低地上高 145mm
車両重量 920kg
エンジン型式 S07B
エンジンタイプ 直列3気筒DOHC
総排気量 658cc
最高出力 58ps(43kw)/7,300rpm
最大トルク 65N・m(6.6kgm)/4,800rpm
燃費(WLTCモード) 21.5km/L
駆動方式 前輪駆動(2WD)
トランスミッション CVT
サスペンション型式 前:マクファーソン式 後:車軸式
タイヤサイズ 前後 155/65R14
最小回転半径 4.5m

2代目シエンタ(170系)新車価格・中古車価格帯、スペック

  • 1.5 ファンベースX 2WD:181万8500円
  • ハイブリッドGクエロ2WD:258万円
  • 170系シエンタ中古車相場(2019年式):約140~210万円
代表グレード ハイブリッドGクエロ2WD
ボディサイズ 4,260mm×1,695mm×1,675mm
ホイールベース 2,750mm
最低地上高 145mm
車両重量 1,380kg
エンジン型式 1NX-FXE
エンジンタイプ 直列4気筒DOHC
総排気量 1,496cc
最高出力 74ps(54kw)/4,800rpm
最大トルク 111N・m(11.3kgm)/3,600~4,400rpm
モーター型式 2LM
モーター最高出力 61ps(45kw)
モーター最大トルク 169N・m(17.2kgm)
システム最高出力 100ps
燃費(WLTCモード) 22.8km/L
駆動方式 前輪駆動(FF)
トランスミッション 電気式CVT
サスペンション型式 前:マクファーソンストラット式 後:トーションビーム式
タイヤサイズ 前後 185/60R15
最小回転半径 5.2m

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員