T33型エクストレイルvs 3代目アウトランダーPHEV徹底比較!中古車なら、高価なPHEVも手に入る!?

T33型エクストレイルvs 3代目アウトランダーPHEV徹底比較!

T33 型エクストレイル(4代目)は、2022年7月に登場した。ラグジュアリーSUVとして高い人気を誇っている。対する3代目アウトランダーPHEVは、2021年末にデビュー。国産PHEVのパイオニアともいえる。

両車は、日産と三菱のアライアンスにより共通のCMF-C/Dプラットフォームが採用されている。だが、パワーユニットは全く異なるのだ。T33型エクストレイルはハイブリッド、3代目アウトランダーPHEVには、ハイブリッドより高価なPHEVシステムが搭載されている。そのため、新車価格は100万円以上の差がある。

しかし、3代目アウトランダーPHEVは、補助金の関係もあり中古車になるとグッと買い得感を増す。T33型エクストレイルの新車価格と同等程度で手が届くようになってきたのだ。

そこで、新車T33型エクストレイルと、中古車3代目アウトランダーPHEVの燃費性能、価格、機能、デザインなどを徹底比較した。

※3代目アウトランダーPHEVの画像、記事内容はマイナーチェンジ前のもの

エクストレイルはEVに近い走行フィールを味わえる

日産 T33型エクストレイル(4代目)の特徴

T33型エクストレイル(4代目)の全景

※上図:T33型エクストレイル(4代目)の全景

T33型エクストレイル(4代目)は、プラットフォームが刷新された。電動車の魅力であるスムーズな加速と高い静粛性を余すことなく味わうことができるよう、高剛性なボディと徹底した遮音構造にこだわって作られた。

搭載されているパワートレインは、高出力モーターを搭載した第2 世代「e-POWER」だ。発電用エンジンには、日産が世界で初めて量産化に成功した可変圧縮比エンジン「VC ターボ」を用いた。力強く、なめらかな走りを実現するとともに、常用域から加速時までエンジン回転数を抑え、圧倒的な静粛性を実現している。

【発電用:1.5L直列3気筒VCターボエンジン】

  • 最高出力144ps
  • 最大トルク250Nm

【フロント:BM46型 モーター】

  • 最高出力は204ps
  • 最大トルクは330Nm

これはエンジンによって発電した電力によって駆動するモーターだ。

【リア:MM48型のモーター(4WD車のみ)】

  • 最高出力136ps
  • 最大トルク195Nm

WLTCモードの燃費性能は、2WD車は19.7km/L。4WD車は18.3~18.4km/Lだ。

 

駆動方式は2WD(FF)と4WDの2種類だ。4WDにはe-4ORCEという電動駆動四輪制御技術が用いられた。前後2 基の高出力モーター、左右のブレーキを統合制御することで、四輪の駆動力を最適化する。あらゆるシーンや路面状況において、高い走行安定性と、乗る人すべてに快適な乗り心地を提供する。

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アウトランダーPHEVは近・中距離はEV、長距離はハイブリッドと利便性が高い

三菱 3代目アウトランダーPHEVの特徴

3代目アウトランダーPHEVの全景

※上図:3代目アウトランダーPHEVの全景

3代目アウトランダーPHEVは、2021年に販売開始したミドルサイズSUVだ。国産プラグインハイブリッド車のベストセラーモデルである。

新開発のプラットフォームには、エンジンルームやキャビン周りに連続した環状構造を採用した。従来車よりもボディの曲げや、ねじり剛性を大幅に向上させている。

3代目アウトランダーPHEVに搭載されているプラグインハイブリッドシステムは、2.4L直列4気筒エンジンと2つのモーターを採用している。

 

2.4L直列4気筒エンジン

  • 最高出力133ps
  • 最大トルク195Nm

2つのモーター

  • フロント:最高出力116ps
  • リア:最高出力136ps

WLTCモードの燃費性能は16.2~16.6km/Lだ。満充電時のEV航続走行距離は83~87kmを実現している。これだけの距離をEVとして走れるので、日々使う通勤や買い物、送迎などでは、高価なガソリンをほとんど使わない生活が可能だ。

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バッテリーが重い分、燃費性能はアウトランダーPHEVがやや不利

1.燃費性能

新車エクストレイルの評価は4.0

中古車アウトランダーPHEVの評価は3.5

 

T33型エクストレイル(4代目)と、3代目アウトランダーPHEVの燃費(WLTCモード)は下記の通りだ。

 

2WD

4WD

T33型エクストレイル

1.5L エンジンハイブリッド

19.7km/L

18.3~18.4km/L

3代目アウトランダーPHEV

2.4Lエンジンハイブリッド

-

16.2~16.6km/L

両車ともに、エンジンを横置きしたFF(前輪駆動)のレイアウト採用している。

搭載しているパワートレインを比較してみよう。

T33型エクストレイルは1.5L直3VCターボエンジンで発電。その電力を使ってモーターを駆動させるシリーズハイブリッド方式だ。一方、3代目三菱アウトランダーPHEVは2.4L直列4エンジンを使う。

 

【WLTCモードの燃費性能】。

  • T33型エクストレイル:18.3~19.7km/L
  • 3代目アウトランダーPHEV:16.2~16.6km/L

最大で約2.9km/Lの差がある。4WD車同士で比べると、リッター当たり約2km/Lの差が付く。

これは、3代目アウトランダーPHEVのボディサイズがやや大きく、車重が重いことから差が生じている。

 

【車両重量】

  • T33型エクストレイル:1,740~1,890kg
  • 3代目アウトランダーPHEV:2,050~2,130kg

およそ240kgもの差がついた。これは、アウトランダーPHEVに搭載されたリチウムイオン電池の搭載量が大きいためだ。

車両重量の差を踏まえると、3代目アウトランダーPHEVの燃費性能は健闘していると言える。

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装備が充実した2年落ちの最上級グレードが同価格帯

2.価格比較

新車エクストレイルの評価は4.0

中古車アウトランダーPHEVの評価は4.5

 

T33型エクストレイルと3代目アウトランダーPHEVの最量販グレードの新車価格と中古車相場を比較したのが下記の表だ。

  • T33型エクストレイルG e-4ORCE新車価格:475万2000円
  • 3代目アウトランダーPHEV P 4WD新車価格(マイナーチェンジ前):602万3600円
  • 3代目アウトランダーPHEV P 4WD 2022年式中古車相場:約450~500万円

※中古車相場は、2024年10月調べ

 

3代目アウトランダーPHEV全グレードの中古車相場は、約450~500万円だ。発売直後ということも影響し、中古市場に出回っているほとんどの車両が、最上級グレードのPだ。

 

Pグレードは高級セミアリニンレザーシートを標準装備し、高級オーディオなど快適装備も充実しており、とても魅力的である。電動調整機能やシートヒーター機能を、運転席だけでなく助手席にも標準装備されており、リアシートの座面・背もたれ部分にもヒーター機能を備えている。またエアコンは、3ゾーン独立温度コントロール式オートエアコンを標準装備し、どのシートに座っても快適に移動できる。

9インチのディスプレイを採用したスマートフォン連携ナビゲーションに加えて、9スピーカーのBOSEプレミアムサウンドシステムも標準装備している。また、コネクテッドサービスであるミツビシコネクトも標準装備だ。

「動くバッテリー」としての機能もバッチリだ。家庭用電気機器を屋外で使用できるアクセサリーコンセント(AC100W、最大1500W)を標準装備しているのをはじめ、V2H用DC電源(10kW)も標準装備されている。

 

対するT33型エクストレイルは、カスタムカーのオーテックにはブラックレザーシートが標準装備されている。

以下はGグレードに標準装備またはオプション設定されている機能だ。

  • ナッパレザー(Gグレードのみオプション)
  • AC100V/1500Wのアクセサリーコンセント(ラゲッジルーム内に標準装備、他グレードはオプション)
  • ナビゲーションシステム(3インチのワイドディスプレイ)は(標準装備、他グレードはオプション)
  • 9スピーカーのBOSEプレミアムサウンドシステム(Gグレードのみオプション)

3代目アウトランダーPHEVと比べると、快適装備がオプションとなっていることが多い。ただし、両モデルともにサンルーフはオプション設定だ。

両車の登場したタイミングは、3代目アウトランダーPHEVが2021年12月、T33型エクストレイルが2022年8月だ。わずか8カ月の差なので、運転支援システムの充実度はほぼ同じだ。どちらも高速道路同一車線運転支援機能、プロパイロット/マイパイロットは全グレードで標準装備している。

 

価格帯を比較すると、新車T33型エクストレイルと中古車3代目アウトランダーPHEVは、ほぼ互角となった。

しかし、3代目アウトランダーPHEVは、大容量リチウムイオン電池を搭載し、人気の快適装備を標準装備している。新車価格で比較すると3代目アウトランダーPHEVは、T33型エクストレイルよりも130万円弱も高価だ。

中古車3代目アウトランダーPHEVのコストパフォーマンスは、かなり優れているといえる。

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T33型エクストレイルは納期も安定し、大幅値引きへの期待が膨らむ

3.購入時の値引き術

新車T33型エクストレイルの評価は3.5

中古車3代目アウトランダーPHEVの評価は3.0

 

T33型エクストレイルの新車の納期は、ホームページ上では1カ月程度とされていた。すっかり納期遅延は解消されており、新車の値引きも拡大傾向にある。これまでは20万円程度だったが、商談次第でさらなる値引きが期待できそうだ。

ただし、何もしないと10万円前後で終わってしまう可能性が高い。トヨタRAV4や、ハリアーなどの見積りを先に取り、競合させることが重要だ。現金での値引きが厳しくなってきたら、ディーラーオプションやボディコーティングなどの無料サービスなどに切り替えるのもよい。

また、下取り車は必ず買取店で一度査定しておきたい。より高値で買い取ってくれる所に売ればよい。大幅値引きを得たとしても、下取り車で損をしては意味がないからだ。

 

一方、3代目アウトランダーPHEVは中古車での購入となるため、値引きは0円と考えたい。中古車価格が総額表示になってからは、ギリギリの利益で商売しているケースが多いからだ。もし、値引き提案が容易にされた場合、その販売店の信用度は低いと考えたほうが良いだろう。

両モデルSUVらしい逞しさを強調したデザイン

4.デザイン比較

新車T33型エクストレイルの評価は4.0

中古車3代目アウトランダーPHEVの評価は4.0

エクストレイル:先進的ながら、伝統工芸の流れを汲むデザインを採用

T33型エクストレイル(4代目)の後景

※上図:T33型エクストレイル(4代目)の後景

T33型エクストレイルの外観デザインは、初代から受け継ぐタフさや力強さに、余裕と上質さを感じられるエッセンスが加わった。この2つの要素が調和した、新しいSUV プロポーションに仕上げられている。

 

特徴的なヘッドランプは、上質感を演出する2 階建ての構造を採用している。上段にポジションランプとターンランプを、下段にメインランプを配置した。

リアコンビネーションランプのシグネチャーは、視認性が高い。無垢のインナーレンズには精密でキラキラと光り輝く加工が施された。この上質なデザインは、日本の伝統的な切子パターンからインスピレーションを得たものだ。

T33型エクストレイル(4代目)のフロントフェイス

※上図:T33型エクストレイル(4代目)のフロントフェイス

T33型エクストレイルのフロントマスクは、モダンで先進的かつ上質なプレミアム感を持ち合わせる。洗練されたピンストライプのV-モーションや、上下に分割された2段式のヘッドランプによるものだ。

フロントグリルには、立体的で非常に手の込んだグリルパターンを採用した。伝統工芸の「組み木」にインスパイアされ、日本の風景に溶け込む上質なデザインに仕立てられている。

T33型エクストレイル(4代目)のリヤエンド

※上図:T33型エクストレイル(4代目)のリヤエンド

リヤスタイルは、タフさや力強さが際立っている。ワイドなバンパーと最大限突出したリアフェンダーのボリュームや、ダイナミックなシルエットと共に張り出したタイヤの踏ん張り感によるものだ。

アウトランダー:逞しさと安心感を演出するデザイン

3代目アウトランダーPHEVの後景

※上図:3代目アウトランダーPHEVの後景

3代目アウトランダーPHEVの商品コンセプトは、「威風堂々」だ。

ボディデザインには、「BOLD STRIDE(ボールドストライド)」を掲げた。堂々とした佇まい、そして存在感と安定感を表現している。主に以下の点について、パッケージから大きく見直された結果と言える。

  • フロントからリアへと伸びる水平基調で力強くスタンスの良いプロポーション
  • 張りのある豊かな面と、エッジの利いたシャープなキャラクターラインのコントラス
  • 大径の20インチタイヤと、ワイドボディを強調する張り出したフェンダー

3代目アウトランダーPHEVのフロントフェイス

※上図:3代目アウトランダーPHEVのフロントフェイス

フロントは、パフォーマンスと、人とクルマを守る安心感を表現した「ダイナミックシールド」を進化させ、SUVとしての力強さを一段と高めた。デイタイムランニングランプとターンランプを薄くシャープな形状にして上部に配置したことで、対向車や歩行者から見えやすくなっている。

3代目アウトランダーPHEVのリヤエンド

※上図:3代目アウトランダーPHEVのリヤエンド

リアは一つの面から切り出したような、シャープな六角形のテールゲートを用いた。タイヤを背負ったクルマである「パジェロ」伝統のリアスタイルからインスピレーションを受けた造形だ。

両車ともに、逞しさを強調した外観デザインが採用されている。特にフロントは、各ブランドのアイデンティティを主張した個性的なデザインを持つ。

ボディ小さいが、優れたパッケージングのT33型エクストレイル

5.室内空間と使い勝手

新車T33型エクストレイルの評価は5.0

中古車3代目アウトランダーPHEVの評価は4.5

 

T33型エクストレイルと3代目アウトランダーPHEVのボディサイズ・室内サイズ・荷室容量を比較した。

【T33型エクストレイル】

全長×全幅×全高

4,660mm(一部4,665mm)×1,840mm×1,720mm

ホイールベース

2,705mm

室内長×室内幅×室内高

1,980mm(一部1,990mm)×1,540mm×1,255mm(パノラミックガラスルーフ装着時1,215mm)

3列シート車の
室内長×室内幅×室内高

2,530mm(一部2,545mm)×1,540mm×1,255mm

荷室容量

595L(2列シート車・後席利用時)

 

【3代目アウトランダーPHEV】

全長×全幅×全高

4,740mm×1,860mm×1,745mm(一部1,740mm)

ホイールベース

2,705mm

室内長×室内幅×室内高

1,920mm×1,520mm×1,240mm

3列シート車の
室内長×室内幅×室内高

2,450mm×1,520mm×室内高1,240mm(一部1,215mm)

荷室容量

498L(2列シート車・後席利用時)

 

3代目アウトランダーPHEVの運転席

※上図:3代目アウトランダーPHEVの運転席

3代目アウトランダーPHEVの2列目シート

※上図:3代目アウトランダーPHEVの2列目シート

3代目アウトランダーPHEVの3列目シート

※上図:3代目アウトランダーPHEVの3列目シート

両車ともミドルサイズSUVだが、ボディサイズを比較すると、3代目アウトランダーPHEVが上回っている。全長は最大で80mm、全幅20mm、全高25mm大きい。

T33型エクストレイル(4代目)の運転席

※上図:T33型エクストレイル(4代目)の運転席

T33型エクストレイル(4代目)の後席

※上図:T33型エクストレイル(4代目)の後席

しかし、室内のサイズを比較すると、すべての数値でT33型エクストレイルが上回っている(メーカーによって若干測定方法が異なることがあるかもしれないが)。これはT33エクストレイルのほうが優れたパッケージングであることを表している。

T33型エクストレイル(4代目)の荷室

※上図:T33型エクストレイル(4代目)の荷室

3代目アウトランダーPHEVの荷室

※上図:3代目アウトランダーPHEVの荷室

2列シート車の5人乗車時のラゲッジ容量を比べると、T33型エクストレイルは595L、3代目アウトランダーPHEVは498Lだ。T33型4代目日産エクストレイルが100L近く上回る。リアシートを畳めばラゲッジスペースはさらに拡大する。長尺物やキャンプ道具などの大きなモノを積む際には、圧倒的な利便性を誇るのはT33型4代目日産エクストレイルだ。

 

ボディサイズが大きい3代目アウトランダーPHEV。取り回しの良さの目安となる最小回転半径は、5.5mだ。対するT33型4代目エクストレイルの最小回転半径は5.4m。同じ20インチという大径タイヤを装着しているにも関わらず、この数字は両車ともに素晴らしい。

 

ボディサイズが小さいながら、室内空間の広さやラゲッジルームの積載量を考えると、T33型エクストレイルのパッケージングの素晴らしさが浮き彫りになる。ラゲッジスペースの容量では劣っているが、キャビンスペースの広さに関しては3代目三菱アウトランダーPHEVも十分と言える。

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アウトランダーPHEVの運転支援機能は全グレード標準装備

6.安全装備&運転支援機能の比較

新車T33型エクストレイルの評価は4.0

中古車3代目アウトランダーPHEVの評価は5.0

 

T33型エクストレイルは2022年、3代目三菱アウトランダーPHEVは2021年に登場した。2024年現在、両モデルともまだフレッシュなので、安全装備や運転支援機能は両車ともに充実している。

T33型エクストレイル(4代目)のインパネデザイン

※上図:T33型エクストレイル(4代目)のインパネデザイン

T33型エクストレイルの最量販グレードであるG e-4ORCEは、以下を標準装備している。

  • ナビリンク機能付プロパイロット
  • プロパイロット緊急停止支援システム(SOSコール機能付)

T33型エクストレイルのメーター

※上図:T33型エクストレイルのメーター

さらに、以下の後方支援装備も充実している。車両の360°をチェックしてドライバーのサポートを行ってくれる機能が満載だ。

  • インテリジェントBSI(後側方衝突防止支援システム)
  • BSW(後側方車両検知警報)
  • RCTA(後退時車両検知警報)

※上図:3代目アウトランダーPHEVのインパネデザイン

対する3代目アウトランダーPHEVは、e-Assist(イーアシスト)という9つの運転支援機能パッケージを全車に標準装備した。さらに高速道路同一車線運転支援機能である「マイパイロット」も全車標準装備だ。

3代目アウトランダーPHEVのメーター

※上図:3代目アウトランダーPHEVのメーター

安全装備や運転支援機能は、3代目アウトランダーPHEVを高く評価したい。

コネクテッドサービスのMITSUBISHI CONNECT(ミツビシコネクト)もMグレードを除いて標準装備となっている点も高評価だ。

T33型クストレイルの走行安定性は感動モノ

7.走行性能の比較

新車T33型エクストレイルの評価は5.0

中古車3代目アウトランダーPHEVの評価は4.5

 

T33型4代目エクストレイルと3代目アウトランダーPHEVのパワートレインのスペックは以下のとおりだ。

 

【T33型4代目エクストレイル】

  • 5Lターボエンジンハイブリッド
  • 最高出力144ps、最大トルク250N・m
  • フロントモーター:最高出力204ps、最大トルク330N・m
  • リアモーター:最高出力136ps、最大トルク195N・m

 

【3代目アウトランダーPHEV】

  • 4L直4エンジンハイブリッド
  • 最高出力133ps、最大トルク195N・m
  • フロントモーター:最高出力 116ps、最大トルク255N・m
  • リアモーター:最高出力136ps、最大トルク195N・m
エクストレイル:ベストバイは、20インチホイール仕様のオーテック

T33型エクストレイル(4代目)のエンジンルーム

※上図:T33型エクストレイル(4代目)のエンジンルーム

T33型エクストレイルは、BEVに近い走行フィールと静粛性を実現した電動車だ。質の高い走行性能を支えているのが、1.5L直3VCターボエンジンを採用した第2世代のe-POWER、そしてe-4ORCEという4WDシステムだ。

 

e-4ORCEは、「走る、曲がる、止まる」性能を飛躍的に向上させた4WDシステムだ。日産が持つ電動化技術と4WD制御技術、さらにシャシー制御技術を融合させることで実現した。前後に搭載した2基の電動モーターを繊細にコントロールすることで、車体の揺動を抑える制御を行う。

コーナリング時は、ロール(=クルマの傾き)を抑えながら鋭く曲がる。また、加速時や凹凸のある路面を通過する際には、モーターを最適にコントロールすることで車体姿勢の変化を抑えるのが特徴だ。EVやe-POWERならではの、1ペダルの「運転が楽である」という特長を活かしたまま、乗る人すべてに快適な乗り心地を提供する。

アウトランダー:荒れた路面を走行した際に車両重量の重さにより安定性に欠ける面も

3代目アウトランダーPHEVのエンジンルーム

※上図:3代目アウトランダーPHEVのエンジンルーム

3代目アウトランダーPHEVは、2.4Lエンジンと2つのモーターを組み合わせたプラグインハイブリッドシステムを搭載している。駆動方式は、後輪側にもモーターを設置した電動4WDのみだ。

また、様々な電子デバイスも搭載している。例えば、さらに進化した車両運動統合制御システム「S-AWC」や、ブレーキ制御「ブレーキAYC」などだ。

 

ドライブモードでは、7つのモードから路面状況の変化に合わせたドライブモードを選べる。ターマックモードでは、後輪側の駆動力配分を増やせる。路面状況によっては、SUVなのにドリフトが楽しめるほどだ。

 

3代目アウトランダーPHEVは、キレイな路面では、フラットな乗り味を実現していた。しかし、起伏のある路面では、ボディの上下の揺れが収まりにくくなる。これは大容量バッテリーを搭載した車両重量の重さのデメリットとも言える。

 

また、モーターで走行している際は、高い静粛性を実現していた。だが、バッテリー残量が減りエンジンが始動すると、ややノイズが気になった(ハイブリッドモード時や、高速道路走行中など)。

走行安定性と静粛性の高さではT33型4代目日産エクストレイルがリード

両車のハイブリッドシステムの方法は異なるものの、モーター走行時や、平坦な路面での走行性能は互角だ。電子制御4WDや様々な電子デバイスによる恩恵は大きい。

 

3代目三菱アウトランダーPHEVは、荒れた路面状況の際や、エンジンに切り替わったときに、それまでの静粛性や安定性の高さを失ってしまう。その点、T33型エクストレイルは静寂性・安定性の変化はほとんどない。

したがって、走行性能ではT33型エクストレイルが優勢だ。

2年落ちの残価率は僅差でT33型エクストレイルが上回る

8.リセールバリュー比較

新車T33型エクストレイルの評価は4.5

中古車3代目アウトランダーPHEVの評価は4.5

 

【T33型エクストレイルG e-4ORCE】

  • 中古車相場(2022年式):約380~440万円
  • 当時の新車価格:約450万円
  • リセールバリュー:新車価格の約84~98%

【3代目アウトランダーPHEV P 4WD】

  • 中古車相場(2022年式):約450~500万円
  • 当時の新車価格:約602万円 *国の補助金55万円
  • リセールバリュー:新車価格の約75~83% *補助金分を引いた場合、新車価格の約82~91%

T33型エクストレイルの中古車相場は、コロナ禍に起きた納期の超長期化によって、かなりの高値を維持している。現在の納期は1カ月程度なので、徐々に中古車相場は下がると予想される。それでも人気SUVなので、高いリセールバリューになることは確実だ。

 

3代目アウトランダーPHEVを新車で購入すると、国の補助金が55万円支給される。PHEVやBEV(バッテリー電気自動車)のリセールバリューは、補助金を引いて計算されるケースが多い。補助金を引いた新車価格で2022年式の中古車相場で計算すると、新車価格の約82~91%程度となった。それでも、T33型エクストレイルに若干負けている状態だ。

これは、クルマの良し悪しというよりは、PHEVに対するニーズがまだまだ低いということだろう。PHEVのリセールバリューは全般的に低めになる傾向があるからだ。

中古車購入のコスパで考えると、T33エクストレイルはまだまだ様子見だ。対する3代目アウトランダーPHEVは、そろそろ買い時だろう。

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マイナーチェンジ後で、さらにお買い得感がでる3代目アウトランダーPHEVは、まさに買い時に!

9.まとめ・総合評価

2022年に登場したT33型エクストレイル。そして2021年に登場した3代目アウトランダーPHEV。両車の登場はわずか半年しか変わらないので、運転支援技術やコネクテッド等での差はほとんどない。

しかし、3代目三菱アウトランダーPHEVは、2024年10月にマイナーチェンジした。マイナーチェンジすれば、前期型の中古車の値落ちが進むのは必至だ。マイナーチェンジにより中古車相場が下がったこのタイミングが、3代目アウトランダーPHEVの中古車の買い時と言える。

3代目三菱アウトランダーPHEVの中古車流通量が最も豊富なのが最上級グレードであるPだ。 4WD 7人乗りの場合、運転支援システム、コネクテッドサービスに加えて、セミアリニンレザーシート、BOSEサウンドシステムなど快適装備がほとんど標準装備となっているため、高い満足度が得られる。

Pグレードの中古車で、諸費用込み・乗り出し価格500万円以下で手に入るのであれば、バリュー感は相当高い。BEVと異なり電欠の心配もないし、最大83kmまでEV走行が可能だ。日々、短距離移動の繰り返しであれば、ほとんどガソリンを使うこともなく経済的である。現在最も魅力的な電動車のひとつであることは間違いない。

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  エクストレイル アウトランダー
総合得点(40点満点) 34.0 33.5
1.燃費 4.0 3.5
2.価格 4.0 4.5
3.購入時の値引きしやすさ 3.5 3.0
4.デザイン 4.0 4.0
5.室内空間と使い勝手 5.0 4.5
6.安全装備 4.0 5.0
7.走行性能 5.0 4.5
8.リセールバリュー 4.5 4.5

日産 T33型エクストレイル(4代目)新車価格帯

  • S(2WD):360万1400円
  • G e-4ORCE(4WD):475万2000円

三菱 3代目アウトランダーPHEV新車価格帯(マイナーチェンジ前)

  • M (4WD):499万5100円
  • P(4WD):602万3600円
  • P(4WD)中古車相場(2022年式):約450~500万円

新車T33型エクストレイルスペック

代表グレード

G e-4ORCE

全長×全幅×全高

4,660mm×1,840mm×1,720mm

ホイールベース

2,705mm

最低地上高

185mm

車両重量

1,880kg

エンジン型式

KR15DDT

エンジンタイプ

直列3気筒DOHCターボ

総排気量

1,497cc

最高出力

144ps(106kw)/4,400~5,000rpm

最大トルク

250N・m(25.5kgm)/2,400~4,000rpm

フロントモーター型式

BM46

モーター最高出力

204ps(150kw)

モーター最大トルク

330N・m(33.7kgm)

リアモーター型式

MM48

モーター最高出力

136ps(100kw)

モーター最大トルク

195N・m(19.9kgm)

燃費(WLTCモード)

27.7km/L

駆動方式

四輪駆動(4WD)

トランスミッション

-

サスペンション型式

前:ストラット式 後:マルチリンク式

タイヤサイズ前後

235/55R19

最小回転半径

5.4m

3代目アウトランダーPHEVスペック

代表グレード

P 7人乗り

全長×全幅×全高

4,710mm×1,860mm×1,745mm

ホイールベース

2,705mm

最低地上高

200mm

車両重量

2,110kg

エンジン型式

4B12

エンジンタイプ

直列4気筒DOHC

総排気量

2,359cc

最高出力

133ps(98kw)/5,000rpm

最大トルク

195N・m(19.8kgm)/4,300rpm

フロントモーター型式

S91

モーター最高出力

116ps(85kw)

モーター最大トルク

255N・m(26.0kgm)

リアモーター型式

YA1

モーター最高出力

136ps(100kw)

モーター最大トルク

195N・m(19.8kgm)

燃費(WLTCモード

16.2km/L

駆動方式

四輪駆動(4WD)

トランスミッション

-

サスペンション型式

前:ストラット式 後:マルチリンク式

タイヤサイズ 前後

255/45R20

最小回転半径

5.5m

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員