ライズvsヤリスクロスを徹底比較!トヨタのSUVどっちがいい?

ライズvsヤリスクロスを徹底比較!トヨタのSUVどっちがいい?

トヨタ ライズは2019年11月に登場した5ナンバーSUV。ダイハツ ロッキーのOEM供給車で、トヨタSUVラインアップの中で最も小さなボディサイズだ。

しかし、残念なことに2023年5月にハイブリッドモデルの認証手続きに不正が判明し、2023年5月から販売・出荷停止が続いていた。その後2024年2月に道路運送車両法の基準に適合していることが確認され、3月から生産・出荷が再開された。

 

対するヤリスクロスは、デビューから約4年が経過した。1クラス上のSUVではあるものの、中古車価格も徐々に下落している。新車のライズハイブリッドと比較すると、同じ価格帯になってきた。中古車なら、1クラス上のヤリスクロスに乗れるようになってきたのだ。

そこで今回は、新車ライズハイブリッドを中心に、人気モデルであるトヨタ ヤリスクロスの中古車と燃費性能、価格、機能、デザインを徹底比較した。

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全長4m未満のサイズなのに広い室内のライズ

トヨタ ライズの特徴

ライズの全景の車両画像

※上図:ライズの全景

ライズは、ダイハツロッキーのOEM供給車で、ダイハツの新世代クルマづくりである「DNGA」を採用している。4m未満のコンパクトなボディながら、DNGAによるパッケージング技術を活かし5人が乗れる広い室内空間とクラストップレベルのラゲッジスペースを確保している。

 

ライズに搭載されているパワートレインは、駆動方式によって異なっている。2WD(FF)車は、1.2L直列3気筒DOHCエンジン+CVTだ(最高出力87ps、最大トルク113Nm)。さらにシリーズハイブリッド方式の「e-SMARTハイブリッド」を搭載、1.2L直列3気筒エンジンを発電に使用し、モーターを駆動させて走行する。

4WD車には、1.0L直列3気筒ターボエンジン+CVT(最高出力98ps、最大トルク140Nm)を搭載している。

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コンパクトSUVで数少ないハンズフリーパワーバックドアを設定

トヨタ ヤリスクロスの特徴

ヤリスクロスの全景の車両画像

※上図:ヤリスクロスの全景

ヤリスクロスは2020年8月に登場した。当時、トヨタの充実したSUVラインアップの中で7番目に追加されたモデルだった。

ヤリスクロスはヤリスと同じコンパクトカー向けGA-Bプラットフォームを採用している。全長4,180mm×全幅1,765mm×全高1,590mmと、ちょうどライズとC-HRの中間に位置するサイズだ。

 

ヤリスクロスはコンパクトSUVだが、ラゲッジ容量は390Lを確保している。さらに一部グレードでは6:4分割アジャスタブルデッキボードをトヨタのコンパクトSUVとして初採用している。また、スマートキーを携帯していれば、リアバンパー下に足を出し入れするだけでバックドアの自動開閉が可能なハンズフリーパワーバックドアを持ち、高い利便性を誇る。

 

ヤリスクロスに搭載されている1.5Lハイブリッドシステムは、システム合計出力116psを発生する。また、1.5Lガソリンも用意されている。

駆動方式はガソリン車、ハイブリッド車ともに2WDと4WDの設定だ。

ガソリン車は4WDシステムである。マルチテレインセレクトという3つのモードから選択できる機能等を搭載した。一方のハイブリッド車には、E-Fourという電気式4WDを採用している。後輪側に駆動用モーターを設置したものだ。

 

ヤリスクロスは2022年7月19日に一部改良を実施し、装備類を向上させた。また、GR SPORTとZアドベンチャーという2グレードを新設定している。

そして2024年1月にも一部改良を行った。一部グレードを除いて、アッパーグリルのパターンをよりSUVらしい力強いデザインに変更したのをはじめ、インテリアに新装備を採用し利便性を向上させている。

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両車ともに国産車屈指の燃費性能を誇る

1.燃費性能

ライズの評価は4.0

ヤリスクロスの評価は4.5

 

ライズの燃費(WLTCモード)は下記の通りだ。

1.2L e-ハイブリッドFF(2WD)

28.0km/L

1.2L FF(2WD)

20.7km/L

1.0Lターボ 4WD  

17.4km/L

 

対するヤリスクロスの燃費は下記の通り。

 

FF(2WD)

4WD

1.5Lハイブリッド

25.0~30.8km/L

26.0~28.7km/L

1.5L

17.6~19.8km/L

17.1~18.4km/L

ライズとヤリスクロスは、ともにハイブリッド車を設定している。ライズはシリーズハイブリッド方式を採用し、1.2Lエンジンで発電した電力でモーターを駆動させる。対するヤリスはパラレル・シリーズ方式で、1.5Lエンジンとモーターを効率的に利用する。ハイブリッドシステムは異なるが、燃費性能はそれほど差がないのが特徴だ。

 

車両重量は、ライズが970~1,070kg。ヤリスクロスは1,110~1,270kgだ。ヤリスクロスのほうが140~200kg重い。しかも、排気量は300cc多い1.5Lである。車重が重く、排気量の多いヤリスクロスだが、燃費はほぼ互角だ。ヤリスクロスのハイブリッドシステムの優秀さが分かる。

 

ヤリスクロスの1.5Lガソリンとライズの1.2Lガソリンの燃費比較では、ライズが一歩リードする。しかし、ヤリスクロスにはアイドリングストップ機能が装備されていない。これで、ヤリスクロスにアイドリングストップ機能が装備されていれば、こちらもほぼ互角の燃費性能になる可能性が高い。燃費性能の向上だけでなく、環境問題の観点でもアイドリングストップ機能は必須だ。

ハイブリッドは新車ライズとヤリスクロス中古車が同等価格に

2.価格比較

ライズの評価は3.5

ヤリスクロスの評価は4.5

 

ライズとヤリスクロスの最量販グレードの新車価格と中古車相場を比較した。

  • 【新車】トヨタ ライズハイブリッドZ 2WD:233万8000円
  • 【中古車相場】トヨタ ヤリスクロスハイブリッドZ 2WD(2021年式) FF(2WD):約200万円~300万円

※中古車相場は、2024年5月調べ

ヤリスクロス中古車の安価な価格帯が、ライズハイブリッドの新車価格帯と同等レベルになっている。ライズハイブリッドより高価な中古車も多いが、その分ヤリスクロスハイブリッドの装備がライズハイブリッドを圧倒するほど充実している。

 

ヤリスクロスの中古車のグレード見てみると、ガソリン車、ハイブリッド車通じて最も流通台数が多いのが最上級グレードのZ 2WDだ。このグレードは快適装備が充実しているだけでなく、外観は前後にフルLEDランプを採用し、上質感がある。

 

インテリアは、シート表皮に合成皮革とツィード調ファブリックを採用した電動調整式のパワーシートを標準装備している。さらに、運転席・助手席にはヒーター機能も備わっているのだ。インパネセンタークラスターにはピアノブラック調加飾が施されている。インパネモールやドアトリムガーニッシュはガンメタリック塗装で上質感とスポーティ感を両立させている。

利便性の高いハンズフリーパワーバックドアはG、Xを除く全グレードに7万7000円のオプションで設定されている。鍵を持っている時に足をバンパー下に入れれば、手がふさがっている時でもバックドアが開閉できる機能だ。他にも、家庭用電気機器を屋外で使用できるアクセサリーコンセントはオプションで、ハイブリッド車に4万5100円で付けられる。

 

対するライズのシート表皮は、全グレードでファブリックを採用している。フロントシートのヒーター機能はZ、G、Xの4WD車に標準装備されているが、パワーシートの設定はない。インテリアでは、インサイドハンドルをはじめ、レジスターノブ、シフトベゼルオーナメントなどにメッキ加飾を施し、上質感を演出している。

 

便利なアクセサリーコンセントは、ハイブリッド車のZとGグレードに4万4000円でオプション設定されている。ヤリスクロスが8インチディスプレイを採用したディスプレイオーディオプラスが6万1600円のオプションに対して、ライズはディスプレイサイズが9インチとなるものの、パノラミックビューパッケージは11万4400円とかなり価格差が生じる。

 

予防安全装備や運転支援機能は後述するが、こちらもヤリスクロスが一歩上をいく。中古車とはいえヤリスクロスハイブリッドと新車ライズハイブリッドを比べると、コストパフォーマンス面では中古車ヤリスクロスハイブリッドが優れている。

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販売再開したライズのガソリン車は、多少の値引きが期待できる

3.購入時の値引き術

ライズの評価は4.0

ヤリスクロスの評価は3.0

 

トヨタ ライズの新車納期は、ガソリン車が約3~4カ月で、ハイブリッド車は受注停止中だ。ガソリンエンジン車の納期が短くなっていることもあり、値引き額は10万~20万円程度だろう。車両本体だけでなく、オプションの値引きや下取り車の査定アップなどで攻略したい。

 

ヤリスクロスは中古車での購入となるため値引きは0と考えたい。もし値引きを提案されたのであれば、その販売店の信用度は低いと考えたほうが良いだろう。車検時期などの関係で納車を急ぎたいというのであれば、すでに流通しているライズの中古車を狙ってみるのもありだ。

 

ヤリスクロスの中古車といっても2020年登場なので、まだ最初の車検を迎えたばかりの高コンディション車が中心だ。ボディカラーやグレードなども豊富に流通しているので、自分の好みにあったクルマを見つけやすい。

ヤリスクロスの中古車は、ガソリン車、ハイブリッド車ともに最上級グレードのZ 2WDが多い。特にオプション装備のハンズフリーパワーバックドアとアクセサリーコンセント装着車を狙いたい。

ライズはアクティブ、ヤリスクロスはアバンギャルドなデザイン

4.デザイン比較

ライズの評価は3.0

ヤリスクロスの評価は4.0

SUVらしい逞しさを追求したライズ

ライズの後景の車両画像

※上図:ライズの後景

ライズはフロントマスクが特徴的だ。「力強く!新しい!アクティブスタイル」をコンセプトに角張ったバンパーコーナー形状や台形ロアグリルにより力強さとワイド感を表現した。

ライズのフロントフェイスの画像

※上図:ライズのフロントフェイス

また、安心感を表現した厚みのあるロアボディと、薄く軽快なキャビンを支える張り出したフェンダー、そして大径タイヤで躍動感のあるSUVらしい外観デザインとなっている。

ライズのリヤエンドの画像

※上図:ライズのリヤエンド

インテリアは、シルバー加飾を施した背の高いフロントコンソールや、高い位置にあるスポーティなシフトレバーとコックピットタイプのインパネデザインにより、アクティブ感を強調している。コックピットにはアクティブマルチインフォメーションメーターを採用し、先進性、プレミア感を表現している。

機能性を重視した洗練されたデザインのヤリスクロス

ヤリスクロスの後景の画像

※上図:ヤリスクロスの後景

ヤリスクロスの外観デザインは「ENERGETIC SMART」がキーワードだ。アクティブで洗練されたバランスの良いプロポーションを追求している。

ヤリスクロスのフロントフェイスの画像

※上図:ヤリスクロスのフロントフェイス

フロントビューは、フロントグリル、ロア、フェンダーで構成された立体構成が精悍な印象を与えている。また、バンパーコーナーでは2段整流を行い、機能性の高いデザインに仕上がった。

ヤリスクロスのリヤエンドの画像

※上図:ヤリスクロスのリヤエンド

リアビューは、スクエア形状の中央部と大きな開口のバックドアにより機能性の高さを表現した。大きく張り出したリアフェンダーによってSUVらしい力強さを強調している。また、リアウィンドウと一直線のリアコンビネーションランプは、ミニマルイメージを演出している。

インテリアは、スイッチ類やメーター類、センターディスプレイも高い位置にレイアウトされ、ドライバーの視線移動が少なくて済むように工夫されている。

ライズはヤリスクロスに負けないキャビンスペースを確保

5.室内空間と使い勝手

現行型ライズの評価は4.5

現行型ヤリスクロスの評価は4.5

 

ライズとヤリスクロスのボディサイズ・室内サイズ・荷室容量を比較した。

【トヨタ ライズ】

全長×全幅×全高

3,995mm×1,695mm×1,620mm

室内長×室内幅×室内高

1,955mm×1,420mm×1,250mm

ホイールベース

2,525mm

荷室容量

369L

 

【トヨタ ヤリスクロス】

全長×全幅×全高

4,180mm×1,765mm×1,590mm

室内長×室内幅×室内高

1,845mm×1,430mm×1,205mm

ホイールベース

2,560mm

荷室容量

390L

ライズの運転席の画像

※上図:ライズの運転席

ライズの後席の画像

※上図:ライズの後席

両車のボディサイズを比較すると、ヤリスクロスのほうが、全長で185mm、全幅も70mm上回っている。3ナンバーサイズのヤリスクロスに対して、ライズは5ナンバーサイズボディサイズに収めている。

ヤリスクロスの運転席の画像

※上図:ヤリスクロスの運転席

ヤリスクロスの後席の画像

※上図:ヤリスクロスの後席

室内空間の広さに影響のあるホイールベースはヤリスクロスが35mm長いが、逆に全高はライズのほうが高くなっている。

しかし、室内サイズを比べると、ライズが室内幅で10mm小さい以外は、室内長110mm、室内高は45mm大きいのが特徴だ。

ライズの荷室の画像

※上図:ライズの荷室

ヤリスクロスの荷室の画像

※上図:ヤリスクロスの荷室

荷室の容量は、ライズの369Lに対してヤリスクロスは390Lと僅差だ。ライズが優れたパッケージングになっていることが分かる。また、リアシートの座り心地はヤリスクロスが上回るが、ヘッドクリアランスはライズが上回っている。これはライズが実用性重視のエントリーモデルであることを示している。

シートアレンジは、ライズのリアシートが6:4の分割可倒式なのに対して、ヤリスクロスは2:4:2の分割可倒式リアシートを採用しており、より多彩なシートアレンジが可能だ。

 

取り回しの良さの指標となる最小回転半径は、ライズは5ナンバーサイズを活かして4.9~5.0m。対するヤリスクロスは18インチという大径タイヤを装着しても5.3mに抑えている。使い勝手面では、ボディサイズの小さいライズが優勢だ。

 

大きな荷物を積む人にはヤリスクロスがお勧めだ。ラゲッジルームの積載量やシートアレンジの多彩さが光る。一方5ナンバーサイズのライズは、ボディサイズではヤリスクロスに譲るものの、限られた中でも室内&ラゲッジスペースの広さを両立した優れたパッケージングは評価できる。

基本的な装備は互角だが、ヤリスクロスは高度な運転支援機能も設定

6.安全装備&運転支援機能の比較

ライズの評価は4.0

ヤリスクロスの評価は4.5

ライズのインパネデザインの画像

※上図:ライズのインパネデザイン

ライズの予防安全装備は先進の運転支援システム「次世代スマートアシスト」だ。以下の8つの機能は全グレードで標準装備されている。

  • 衝突回避支援ブレーキ(対車両・対歩行者[昼夜])
  • 衝突警報機能(対車両・対歩行者[昼夜])
  • 車線逸脱警報機能/車線逸脱抑制制御機能
  • ふらつき警報
  • 路側逸脱警報
  • ブレーキ制御付誤発進抑制機能(前方・後方)
  • 先行車発進お知らせ機能

GとXグレードはこれに加えて、オートハイビームが装備される。

※上図:ライズのメーター

最上級グレードのZは、以下が標準装備されている。

  • アダプティブドライビングビーム
  • 全車速追従機能付ACC(アダプティブクルーズコントロール/停止保持機能あり)
  • サイドビューランプ
  • レーンキープコントロール
  • コーナリングトレースアシスト

標識認識機能はZとGグレードに標準装備され、Xグレードにはオプション設定だ。またブラインドスポットモニター+リアクロストラフィックアラート、パノラミックビュー。そして駐車支援システムのスマートパノラマパーキングアシストはZとGグレードのみ装着可能なオプション装備である。

ヤリスクロスのインパネデザインの画像

※上図:ヤリスクロスのインパネデザイン

一方、ヤリスクロス(デビュー時)は、予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」をX“Bパッケージ”を除く全グレードに標準装備している。

衝突被害軽減ブレーキであるプリクラッシュセーフティは、昼夜の歩行者をはじめ、自転車運転者や昼間の自動二輪車を検知する。さらに、以下を全グレードに標準装備。

  • レーントレーシングアシストプラスレーンディパーチャーアラート
  • レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)
  • ロードサインアシスト
  • ドライバー異常時対応システム
  • 発進遅れ告知機能

また、プロアクティブドライビングアシストはハイブリッド車に標準装備されている。

ヤリスクロスのメーターの画像

※上図:ヤリスクロスのメーター

Zグレード以上が標準装備している機能は以下の通りだ。

  • ブラインドスポットモニター+安心降車アシスト
  • パーキングサポートブレーキ(前後方静止物+後方接近車両)
  • パノラミックビューモニター

GとXグレードは、パーキングサポートブレーキ(前後方静止物)が標準装備されている。また、高度な運転支援のトヨタチームメイトは、Gグレード以上のハイブリッド車のみオプション設定で、アダプティブハイビームシステムはZとZアドベンチャーのみオプション設定だ。

 

ライズ、ヤリスクロスともに基本となる運転支援機能は標準装備となっている。だが、ヤリスクロスは機能充実度で上回っている。自動ブレーキの検知対象や高速道路などで便利なレーダークルーズコントロールが全車標準装備となっている点などが優位に働いている。

同じコンパクトSUVでも走りのテイストは大きく異なる

7.走行性能の比較

ライズの評価は4.0

ヤリスクロスの評価は4.5

 

ライズとヤリスクロスのハイブリッドシステムとエンジンのスペックは以下のとおり。

【トヨタ ライズ】

 

最高出力

最大トルク

1.2Lハイブリッド

106ps(※)

170N・m

1.2Lガソリンエンジン

87ps

113N・m

1.0Lターボエンジン

98ps

140N・m

(※)フロントモーター最高出力

 

【ヤリスクロス】

 

最高出力

最大トルク

1.5Lハイブリッド

116㎰(※)

-

1.5Lガソリンエンジン

120ps

145N・m

(※)システム出力

1Lターボの軽快な走りがライズのベストバイ

ライズのエンジンルームの画像

※上図:ライズのエンジンルーム

ライズは3種類のパワートレインを搭載している。

  • 2Lエンジンのシリーズハイブリッドシステム(e-スマートハイブリッド)
  • 2L直3エンジン
  • 1L直3ターボ

e-スマートハイブリッドは、最高出力82ps、最大トルク105Nmを発生する1.2L直3エンジンを発電用に搭載。このエンジンで発電した電力によって、最高出力106ps、最大トルク170Nmを発生するモーターを駆動させて走行するシリーズハイブリッドだ。

2WD(FF)車には1.2L直3DOHCエンジンを搭載。そして4WD車には、1L直3ターボエンジンを搭載している。

1.5Lガソリン車でも走行&燃費性能は文句なしのヤリスクロス

ヤリスクロスのエンジンルームの画像

※上図:ヤリスクロスのエンジンルーム

現行型ヤリスクロスは、2種類のパワートレインを搭載している。

1.5Lガソリンハイブリッドシステムの駆動方式はガソリン車、ハイブリッド車ともに2WDと4WDを用意しているのが特徴だ。

ガソリン車は3つのモードから選択できるマルチテレインセレクトなどの機能を搭載した4WDシステム。一方のハイブリッド車にはE-Fourという電気式4WDを設定した。

軽快な乗り味のライズ・シットリとした乗り味のヤリスクロス

ライズ、ヤリスクロス共に、サスペンション形式はフロントがマクファーソンストラット式、リアがトーションビーム式と同じだ。ただし、ヤリスクロスの4WD車は2リンク・ダブルウィッシュボーン式を採用しており、トーションビーム式より乗り心地は優れている。

カテゴリーは同じコンパクトSUVに属する。車両重量が1トン程度のライズは軽快な走りを披露し、ヤリスクロスはシットリとした乗り味が特徴だ。

よりアクティブさを強調したツール感があるのがライズで、ヤリスクロスは快適装備が充実したプレミアムコンパクトというのがしっくりとくる。快適装備が充実した上級グレードほど両車の個性はハッキリとわかれてくる。

両車ともに3年落ちで残価率80%以上!特にガソリン車が高い

8.リセールバリュー比較

ライズの評価は4.5

ヤリスクロスの評価は4.5

 

ヤリスクロスの中古車で、最も中古車が多い2021年式は初の車検サイクルを迎える。中古車相場のボリュームゾーンは約220万~約250万円だ。

流通台数の多いハイブリッド車のZ 2WDの残価率は約85.1%。ガソリン車の人気グレード1.5Z 2WDはこれ以上の残価率となりそうだ。これは、ガソリン車の中古車流通量の少なさも影響しているだろう。

 

ライズの新車価格は171万7000円~233万8000円。売れ筋グレードの1.2Z 2WD車は204万9000円だ。この1.2Zの2021年式の残価率は約84.7%なので、ヤリスクロスと遜色ない状況だ。また2021年に実施した一部改良前にしか存在しない1.0Lターボの2WD車は、残価率約88.1%とかなりの数値となっている。

リセールバリューは、ライズ、ヤリスクロス共に、今後も高い残価率をキープするのは間違いない。しかも、ハイブリッド車よりガソリン車が高くなっているというのが注目のポイントと言える。

3ナンバーサイズさえクリアできれば、中古車のヤリスクロスが最良の選択

9.まとめ・総合評価

トヨタのSUVはセンチュリーを除いても11車種も用意されている。その中でコンパクトSUVのカテゴリーには、ライズとヤリスクロスの2台がある。“両雄並びたたず”となるどころか、ライズ、ヤリスクロス揃って高い残価率を記録するほどの人気モデルとなっているのが特徴だ。

トヨタ最小SUVのライズは、5ナンバーサイズの取り回ししやすいボディに、e-スマートハイブリッドを含む3種類のパワートレインを搭載している。エンジンの排気量が小さいことから、ランニングコストも抑えることができる。

1.2Lエンジンやe-スマートハイブリッドも満足できるが、最もライズらしい軽快感を味わえるのが、1.0Lターボエンジン搭載車だ。現在新車では4WDしか設定されていないが、1.2Lエンジンやe-スマートハイブリッド搭載車は2WDしか設定されていないので、本命は1.0Lターボ4WD車としたい。車両重量の軽さと低回転域からパワーを発生するターボエンジンの相乗効果で、街乗りをはじめどんなシチュエーションでもアクティブに走行できる。

ライズはグレードによる装備差が大きいので、購入後に高い満足を得られるのは最上級グレードのZだ。安全装備をはじめ快適装備も充実している。Zグレードしか装着できないオプションもあるのでオススメだ。

 

2020年に登場したヤリスクロスの中古車は、圧倒的にハイブリッド車が多い。だが、中古車で人気が高いのは1.5Lのガソリン車だ。つまり中古車で割安感が高いのはハイブリッド車といえる。

ライズと異なり、ヤリスクロスのハイブリッド車は駆動方式が2WD、4WDが選べるうえ、どちらも燃費性能26.0~27.8km/L(Zグレード)とトップレベルの実力だ。ただし、グレード選びは注意したい。これはライズ同様にグレードによって装備差が大きく、設定されているオプションに差があるからだ。

 

中古ヤリスクロスのおすすめグレードはハイブリッドZだ。これに、オプション装備のディスプレイオーディオプラス、アクセサリーソケット、ハンズフリーパワーバックドア。そして高度運転支援システム、トヨタチームメイトが装着されていたら、即買いレベルだ。

 

新車のライズ1.0Z 4WDの新車価格が230万9200円。諸費用を含めた乗り出し価格は約260万円。この予算があれば、中古ヤリスクロス1.5ハイブリッドZ 2WDならば十分に狙える。駐車場などの関係で、5ナンバーサイズでないとNGという人を除けば、ヤリスクロスハイブリッドZのほうが購入後の満足度は非常に高くなるはずだ。運転支援機能の充実や燃費性能差を如実に感じるだろう。

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ライズ

ヤリスクロス

総合得点(40点満点)

31.5

34.0

1.燃費

4.0

4.5

2.価格

3.5

4.5

3.購入時の値引きしやすさ

4.0

3.0

4.デザイン

3.0

4.0

5.室内空間と使い勝手

4.5

4.5

6.安全装備

4.0

4.5

7.走行性能

4.0

4.5

8.リセールバリュー

4.5

4.5

トヨタ ライズ 新車価格(2021年11月一部改良後モデル)

  • 2X 2WD:171万7000円
  • ハイブリッドZ 2WD:233万8000円

ヤリスクロス 新車価格(2024年1月一部改良後モデル)

  • 5X 2WD:190万700円
  • ハイブリッドZアドベンチャー 4WD:315万6000円

ヤリスクロス 中古車相場

  • ハイブリッドZ 2WD(2021年式、FF):約200万円~300万

ライズのスペック

代表グレード

ハイブリッドZ 2WD

ボディサイズ

3,995 mm×1,695 mm×1,620 mm

ホイールベース

2,525 mm

最低地上高

185mm

車両重量

1,070kg

エンジン型式

WA-VEX

エンジンタイプ

直列3気筒DOHC

総排気量

1,196cc

最高出力

82ps(60kW)/5,600rpm

最大トルク

105N・m(10.7kgm)/3,200~5,200rpm

フロントモーター型式

E1A

モーター最高出力

106ps(78kW)

モーター最大トルク

170N・m(17.3kgm)

燃費(WLTCモード)

28.0km/L

駆動方式

前輪駆動(2WD)

トランスミッション

-

サスペンション型式

前:マクファーソンストラット 後:トーションビーム

タイヤサイズ前後

195/60R17

最小回転半径

5.0m

ヤリスクロスのスペック

代表グレード

ハイブリッドZ 4WD

ボディサイズ

4,180 mm×1,765 mm×1,590 mm

ホイールベース

2,560 mm

最低地上高

170mm

車両重量

1,250kg

エンジン型式

M15A-FXE

エンジンタイプ

直列3気筒DOHC

総排気量

1,490cc

最高出力

91ps(67kW)/5,500rpm

最大トルク

120N・m(12.2kgm)/3,800~4,800rpm

フロントモーター型式

1NM

モーター最高出力

80ps(59kW)

モーター最大トルク

140N・m(14.4kgm)

リアモーター型式

1MM

モーター最高出力

5.3ps(3.9kW)

モーター最大トルク

52N・m(5.3kgm)

燃費(WLTCモード)

26.0km/L

駆動方式

四輪輪駆動(4WD)

トランスミッション

CVT

サスペンション型式

前:ストラット 後:2リンク・ダブルウィッシュボーン

タイヤサイズ前後

215/50R18

最小回転半径

5.3m

ライズのカタログ情報

トヨタ,ライズ
現行モデル
令和1年11月(2019年11月)〜現在
新車時価格
167.9万円〜233.8万円

ライズの在庫が現在259件あります

以下車両の保証内容詳細は画像をクリックした遷移先をご確認ください。

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ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員