PHEV(プラグインハイブリッド車)は、通常はEV(電気自動車)として走行する。家庭などの外部電源から車載用バッテリーに充電された電力を使い切ると、ガソリンを使いエンジンで発電して走行するハイブリッド車となる。
短距離の移動であれば安価な電力を使い、ほとんどガソリンを使わず走行できる。長距離走行ではガソリンが使えるので電欠の心配や充電の手間もない。
今回は、国産ミドルSUVのPHEVのパイオニアである三菱アウトランダーPHEVと、新興勢力と言えるマツダCX-60を徹底比較した。購入に失敗・後悔しないためにクルマ選びに役立ててほしい。
買い替え前に愛車の買取相場を確認する
- マツダCX-60 PHEVの特徴
- 三菱アウトランダーPHEVの特徴
- 前後に2つのモーターを搭載したアウトランダーPHEVのほうが高効率
- 快適装備はほぼ互角だが、運転支援機能はCX-60 PHEVに軍配
- 両車、値引きは厳しめだがアウトランダーPHEVのほうが期待大
- 同じSUVでも洗練さを強調するCX-60とタフさを主張するアウトランダー
- 贅沢な空間のCX-60と効率と利便性を追求するアウトランダー
- リセールバリューはほぼ互角。CX-60はプレミアムスポーツが人気
- 運転の楽しいCX-60と隙のない出来映えのアウトランダー
- マツダCX-60 PHEV価格
- 三菱アウトランダーPHEV価格
- マツダCX-60 PHEVスペック
- 三菱アウトランダーPHEV スペック
マツダCX-60 PHEVの特徴
※上図:CX-60 PHEVの全景
マツダはEV移行期において大型SUV4車種(ラージ商品群)の環境負荷低減と商品力の向上を図っている。
マツダCX-60は2022年から販売開始された、新世代ラージ商品群第1弾だ。1モーター2クラッチ式のPHEV で、2.5LガソリンエンジンとATの間にモーターを挟み込んでいる。最高出力は175ps、最大トルクは270Nmだ。
PHEVに組み合わされているトランスミッションは、新開発のトルコンレス8速ATだ。燃費性能はWLTCモードで14.6km/Lを実現。満充電時のEV走行の航続走行距離は約75kmとなっている。
CX-60のプラットフォーム(車台)は、新開発後輪駆動ベースの「SKYACTIVマルチソリューションスケラーブルアーキテクチャー」を採用した。
サスペンション形式は、フロントにダブルウィッシュボーン、リアにはマルチリンクを採用した。人間中心の開発思想に基づきサスペンションをスムーズに動かすことで、どんなシーンにおいてもしなやかな乗り心地を実現してくれる。
駆動方式は新開発の後輪駆動ベースのi-ACTIV AWDだ。減速時には回生協調ブレーキと連動し、前後の回生配分を最適化することで、効率的で安定した制動姿勢を実現する。
先進安全装備では、高度運転支援技術の1つとして「ドライバー異常時対応システムDEA」を初採用した。ドライバーの異常を検知し、事故の回避・被害低減を図る。またマツダ初採用の先進安全技術(i-ACTIVESENSE)を複数搭載しており、交差点右左折時の事故回避をアシストする機能などが含まれている。
三菱アウトランダーPHEVの特徴
※上図 アウトランダーPHEVの全景
三菱アウトランダーPHEVは、国産PHEVのパイオニアだ。現行モデルは2021年10月に登場した。
搭載しているPHEVシステムは新世代の4WDシステムだ。2.4L直列4気筒エンジンと、前後に搭載された2つのモーターを組み合わせた。駆動用バッテリーの出力を先代モデルより約40%高めることで、電動車らしい滑らかさが際立っている。
満充電時のEV航続走行距離は83~87kmと、先代モデルより大幅に延長している。これは駆動用バッテリーの総電力量を20kWhと大容量化したためだ。また、エアコンなどを使用しても十分な航続走行距離を確保しているため、充電頻度の低減にも貢献している。
アウトランダーPHEVには、進化した車両運動統合制御システム「S-AWC」を搭載している。ブレーキ制御である「ブレーキAYC」を後輪にも採用することで、前後輪の分散制御を可能とした。7つのドライブモードから、路面状況の変化に合わせたドライブモードを選ぶこともできる。
先進安全装備では、高速道路同一車線運転支援技術「マイパイロット」を搭載した。高速道路などで、車間距離と車線中央をキープしながらの走行をサポートしてくれる。さらにナビリンク機能搭載車は速度標識を読み取って設定速度を自動で切り替えたり、ナビゲーションの地図情報を活用して、高速道路のカーブや分岐などで適切な車速に調整できる。
なお、アウトランダーPHEVの乗車定員は、5人乗りと7人乗りを選ぶことができる。
前後に2つのモーターを搭載したアウトランダーPHEVのほうが高効率
燃費比較
CX-60PHEVの評価は3.5
アウトランダーPHEVの評価は4.0
マツダCX-60 PHEVと、三菱アウトランダーPHEVの燃費(双方WLTCモード)と、車両重量(双方最上級グレード)は以下の通りだ。
|
燃費 |
車両重量 |
マツダCX-60 PHEV 4WD |
14.6km/L |
2,090kg |
三菱アウトランダーPHEV 4WD |
16.2~16.6km/L |
2,110kg |
車両重量は差がないが、燃費性能はアウトランダーPHEVが上回っている。出力を重視したCX-60PHEVと、電動駆動であることと出力と燃費のバランスを重視したアウトランダーPHEVとの個性の差が出ている。
CX-60PHEVとアウトランダーPHEVは、同じPHEVでもシステムが全く異なる。端的に言えば、CX-60PHEVは、エンジンとモーターの出力をミックスして使うが、アウトランダーPHEVは、ほぼモーター走行だ。
CX-60PHEVは、エンジンとミッションの間にモーターを挟んだ1モーター2クラッチ式だ。モーター走行もするが、エンジン出力とモーター出力を合算して力強く走ることを重視したシステムである。CX-60は最高出力188ps、最大トルク250Nmを発生する2.5L直列4気筒エンジンに、175㎰&270Nmの出力をもつモーターが組み合わされている。システム出力は327㎰&500Nmと、かなりパワフルだ。
対するアウトランダーPHEVは、最高出力133ps、最大トルク195Nmを発生する2.4L直列4気筒エンジンを使い発電する。発電された電力を使いフロントに最高出力115ps、最大トルク255Nm、リアに最高出力135ps、最大トルク195Nmを発生する2つのモーターを駆動して走行する。
快適装備はほぼ互角だが、運転支援機能はCX-60 PHEVに軍配
価格比較
CX-60 PHEVの評価は4.0
アウトランダーPHEVの評価は4.0
CX-60 PHEV とアウトランダーPHEVの最上級グレードの価格は下記の通り。
マツダCX-60 PHEV |
6,462,500円 |
三菱アウトランダーPHEV |
6,304,100円 |
マツダCX-60 PHEVの最上級グレードであるプレミアムスポーツ/プレミアムモダン と三菱アウトランダーPHEVの最上級グレード、ブラックエディションとの価格差は約15万円。マツダCX-60PHEVの方が高額だ。この価格差がどうして生じるのか、装備を比較してみよう。
◎:標準装備
|
CX-60 PHEV |
アウトランダーPHEV |
駆動方式 |
4WD |
4WD |
タイヤサイズ |
255/45R20 |
255/45R20 |
乗員定員 |
5人 |
7人 |
運転支援機能 |
◎i-ACTIVESENSE |
◎e-Assist |
コネクテッドサービス |
◎ |
◎ |
電動サンルーフ |
◎ |
◎ |
高級オーディオ |
◎12スピーカーBOSEサウンドシステム |
◎9スピーカーBOSEプレミアムサウンドシステム |
AC100Vコンセント |
◎ |
◎ |
シート表皮 |
ナッパレザー |
セミアニリンレザー |
フロントパワーシート |
◎ |
◎ |
フロント&リアシート ヒーター |
◎ |
◎ |
運転支援機能は、CX-60 PHEVが充実している。のスマート・ブレーキ・サポートという衝突被害軽減ブレーキは、右直事故回避アシスト機能や交差点事故回避アシスト機能を採用。さらにドライバーモニタリングをはじめ、ドライバー異常時対応システム、緊急時車線維持支援などを標準装備している。
快適装備の違いは、アウトランダーPHEVが9インチのスマートフォン連携ナビゲーションを標準装備しているのに対して、CX-60 PHEVは、ナビゲーション用SDカードがオプションだ。
CX-60 PHEVとアウトランダーPHEVの最上級グレードを比べてみると、快適装備はほぼ互角だが、運転支援機能がCX-60PHEVのほうが充実しており、価格差が生じたと言える。しかし、アウトランダーPEHVは7人乗りを選べるというメリットもあるので、CX-60PHEVの価格設定が高めと言える。ちなみに両車ともに補助金は55万円だ。(2024年5月現在)
CX-60 PHEVプレミアムスポーツ/プレミアムモダンに標準装備で、アウトランダーPHEV ブラックエディションに装着されていない主な装備は以下の通りだ。
- ドライバーモニタリング
- ドライバー異常時タイプシステム
- スマート・ブレーキ・サポート 右直事故回避アシスト機能
- スマート・ブレーキ・サポート 交差点事故回避アシスト機能
アウトランダーPHEV ブラックエディションに標準装備で、CX-60 PHEVプレミアムスポーツ/プレミアムモダンに装着されていない主な装備は以下の通りだ。
- 高速道路同一車線運転支援機能のマイパイロット
- ナビゲーション
- サードシート
CX-60 PHEVとアウトランダーPHEVの最上級グレードの価格を比較すると、約15万円CX-60 PHEVのほうが高い。その差は運転支援機能の充実度によるものだと言える。しかし、コスパの高さならアウトランダーPHEVがお勧めだ。
両車、値引きは厳しめだがアウトランダーPHEVのほうが期待大
購入時の値引き術
CX-60PHEVの評価は3.5
アウトランダーPHEVの評価は4.0
新車を購入する際に気になることと言えば、納期だろう。2024年5月現在、マツダCX-60 PHEVは1カ月。一方三菱アウトランダーPHEVも1~2カ月とほぼ即納が可能だ。
CX-60 の値引き交渉はかなり厳しい。特にPHEVは最も苦戦するようで、値引きの目標額は5万~15万円といったところだ。クルマ本体からの値引きは相当渋いので、用品オプション装備や下取り価格を上げてもらうようにしたい。
アウトランダーPHEVは、CX-60 PHEVと比べるとモデルライフが若干長い。そのため値引きの目標額は10万~25万円だ。こちらもオプション装備や下取り価格を上げてもらうといいだろう。
そして、両車ともに商談時にはライバル車の見積りを取り競合させることが重要だ。今回比較している2台の他に、トヨタ RAV4 PHEVなどの見積りを取って競合させるとより効果的だ。
同じSUVでも洗練さを強調するCX-60とタフさを主張するアウトランダー
デザイン比較
CX-60 PHEVの評価は4.5
アウトランダーPHEVの評価は4.0
後輪駆動車であることが一目でわかる特徴的なスタイルのCX-60
※上図:CX-60 PHEVの後景
CX-60の外観デザインは" クルマに生命を宿す" という魂動デザイン。動体であるクルマの美しさが、あたかも生き物が疾走するような造形を創造することを目指している。
※上図:CX-60 PHEVのフロントフェイス
フロントフェイスとロングノーズ/ショートデッキによって、力強く動きのある造形を実現した。特にフロントフェイスは、新開発された縦置6 気筒のエンジンが風格を漂わせている。
上級モデルに設定された“プレミアムモダン”は都会的なセンスでつくり上げられたモデルだ。面質に周りの環境を映し込むという魅力を大切にしながら、内面からの強さを表現。シグネチャーウィング、サイドシグネチャー、ウィンドウ周りにはメタルパーツを上品に使い、ホイールも切削し上質感を出している。
※上図:CX-60 PHEVのリヤエンド
一方の“プレミアムスポーツ”はラグジュアリーで上質な雰囲気を持つ。スポーツといっても、アグレッシブで他を威嚇するようなものではなく、知的で品格がありながら内に秘めたエモーションが外にはじけたように心昂る表現が特徴だ。
SUVらしいタフさを全身に纏ったアウトランダー
※上図:アウトランダーPHEVの後景
アウトランダーは、機能美を力強く表現した三菱独自のSUVデザインをベースに新たなコンセプトを取り入れ、堂々とした存在感のある佇まいや大地を踏みしめる力強さを強調している。
アウトランダーPHEVの外観デザインは、ボールドストライドという新たなコンセプトを取り入れ、存在感・力強さ・頼もしさを表現した。
※上図:アウトランダーPHEVのフロントフェイス
存在感のあるフロントデザインは、三菱車共通のデザインコンセプトである「ダイナミックシールド」を進化させて採用した。
※上図:アウトランダーPHEVのリヤエンド
サイドビューでは、20インチの大径ホイールや筋肉質なフェンダーフレアを採用し、逞しさを強調している。
贅沢な空間のCX-60と効率と利便性を追求するアウトランダー
室内空間と使い勝手
CX-60 PHEVの評価は4.0
アウトランダーPHEVの評価は4.5
マツダCX-60 PHEVと三菱アウトランダーPHEVのボディサイズ、ホイールベース、荷室容量は以下のとおり。
マツダCX-60 PHEV
全長×全幅×全高 |
4,740mm×1,890mm×1,685mm |
ホイールベース |
2,870mm |
荷室容量 |
570L(後席利用時) |
三菱アウトランダーPHEV
全長×全幅×全高 |
4,710mm×1,860mm×1,745mm |
ホイールベース |
2,705mm |
荷室容量 |
469~498L(5人乗りの場合) |
※上図:CX-60 PHEVの運転席
※上図:CX-60 PHEVの後席
同じミドルサイズSUVだが、CX-60の方が全長・全幅は30mm大きい。ワイド&ローのフォルムを採用し、走行性能の高さを表現している。
※上図:アウトランダーPHEVの運転席
※上図:アウトランダーPHEVの後席(2列目シート)
※上図:アウトランダーPHEVの荷室
※上図:アウトランダーPHEVの3列目シート
その反面、全高はアウトランダーの方が60mm大きくなっている。これはアウトランダーが7人乗りの3列シートモデルを用意している影響だ。
室内の広さに大きく影響するホイールベースは、CX-60のほうが175mmも長くなっている。これは後輪駆動を活かした走行安定性の高さに良い影響を与えている。
※上図:CX-60 PHEVの荷室
荷室容量は、5人乗りで比較すると、CX-60のほうが約70L大きい。しかし室内の高さはアウトランダーのほうが高いので、数字ほどの使い勝手に差がないと言える。
CX-60が空間を贅沢に使っているのに対して、アウトランダーは3列シートをレイアウトして、空間効率の高さを追求した。ミニバンのような多人数乗車が可能な3列シートをもつアウトランダーの利便性はかなり高い。
ドライバーモニタリング機能が搭載されているCX-60がリード
安全装備&運転支援機能
CX-60 PHEVの評価は4.5
アウトランダーPHEVの評価は3.5
マツダCX-60 PHEV、三菱アウトランダーPHEVの運転支援機能を含めた予防安全装備は、両車とも国産ミドルサイズSUVの中ではトップレベルの充実度を誇っている。
※上図:CX-60 PHEVのインパネデザイン
※上図:CX-60 PHEVのメーター
CX-60 PHEVの最上級グレード、プレミアムスポーツ/プレミアムモダンは、機能は数も質も充実している。
- スマート・ブレーキ・サポート(右折時や交差点での事故を回避)
- 全車速追求機能付マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール
- ドライバー異常時対応システム、ドライバーモニタリング(ドライバーが突然の病気などを発症した際に、安全な場所に停車させる)
※上図:アウトランダーPHEVのインパネデザイン
※上図:アウトランダーPHEVのメーター
一方、アウトランダーPHEVの最上級グレード、ブラックエディションも運転支援機能e-Assistを標準装備している。同一車線運転支援機能のマイパイロットをはじめとしてパッケージ化されたが、ドライバーモニタリングシステムは設定されていない。
販売開始年は1年の差だが、運転支援機能に関しては、CX-60 PHEVが大きくリードしている。
電動車ライクな走りが魅力のアウトランダーPHEVとエンジンメインのCX-60 PHEV
走行性能の比較
CX-60PHEVの評価は4.0
アウトランダーPHEVの評価は4.5
マツダCX-60 PHEV/三菱アウトランダーPHEVのエンジンとモーターの最高出力、最大トルク、車両重量は以下のとおり。
|
マツダCX-60 PHEV |
三菱アウトランダーPHEV |
エンジン最高出力 |
188ps |
133ps |
エンジン最大トルク |
250Nm |
195Nm |
モーター最高出力 |
175㎰ |
フロント116㎰/リヤ136㎰ |
モーター最大トルク |
270Nm |
フロント255Nm/リヤ195Nm |
車両重量 |
2,060~2,090kg |
2,010~2,130kg |
オンロードでの高い走行性能を重視したCX-60
※上図:CX-60 PHEVのエンジンルーム
CX-60 PHEVの特徴は、新開発のFRプラットフォームを活かしたハンドリングの良さと、走行安定性の高さだ。
SUVでもマツダらしい人馬一体が表現されていて、ステアリングを切った際のシャープな動きと修正舵の少なさは、後輪駆動のメリットが表れている。大きなボディのCX-60をドライバーは思いのままにコントロールすることが可能だ。
PHEVを除くCX-60の乗り心地は、かなり硬めだった。特にリヤサスペンションの突き上げ感が強めに出ていた。しかし、CX-60 PHEVは、車重が増えたことで、他のグレードよりも少しマイルドな乗り心地になっている。それでも、このクラスのSUVの中では硬めと言える。
前後2つのモーターで路面を問わない走破性を誇るアウトランダー
※上図:アウトランダーPHEVのエンジンルーム
アウトランダーPHEVの特徴は、スムーズな加速性能だ。モーター駆動を積極的に行う電動車らしさが出ている。加えて、以下がCX-60を上回っているのも見逃せない。
- 搭載しているプラグインハイブリッドシステムの燃費性能
- 満充電時のEV航続走行距離
さらにアウトランダーPHEVはドライブモードを採用しており、走行シーンに合わせて7つのモードから選べる。モードごとに前後駆動力配分やアクセルレスポンス、AYCを専用にチューニングすることで、どんなシチュエーションでも安定した高い走行性能を発揮する。
アウトランダーPHEVの乗り心地は、スポーティな走りを実現しつつ、しなやかさもあり快適だ。カーブでは、それなりに車体は傾くものの不安感は無い。また、後輪側に高出力モーターを設置したこともあり、横滑り防止装置などをオフにして走ると、滑りやすい路面ではドリフト走行も可能なほど楽しい走りを披露する。
リセールバリューはほぼ互角。CX-60はプレミアムスポーツが人気
リセールバリュー
CX-60 PHEVの評価は4.5
アウトランダーPHEVの評価は4.5
両車の販売開始時期は、アウトランダーPHEVが2021年、CX-60 PHEVが2022年だ。今回は2022年の最上級グレードの残価率を調べてみた。
- アウトランダーPHEV Pの残価率…約8%
- CX-60 PHEV プレミアムスポーツ/プレミアムモダンの残価率…約4~76.5%
残価率はほぼ互角だ。
CX-60 PHEVで残価率が高いのはプレミアムスポーツだ。対するアウトランダーPHEVの残価率はかなり健闘している。そしてこれは両車に言えることだが、装備の充実した最上級グレードは残価率も高いが、価格の安いグレードは残価率も下がることを覚えておきたい。
運転の楽しいCX-60と隙のない出来映えのアウトランダー
まとめ・総合評価
CX-60PHEVとアウトランダーPHEVは、同じPHEVでもシステムが異なる。CX-60は、シンプルな1モーター2クラッチ式を採用し従来のガソリン車の延長線上にあるシステムを使い、走る楽しさをアピールする。一方、アウトランダーPHEVは、ほぼモーターで駆動するEVに近い走りで低燃費化している。
個性が異なるので、選択する際は両車を試乗してから決めることをお勧めしたい。
CX-60 PHEVがお勧めの人
- 後輪駆動ベースの優れたハンドリングを求める
- 充実した予防安全・運転支援機能がほしい
- SUVでも人馬一体感を味わいたい
アウトランダーPHEVがお勧めの人
- 電動車独特のフィーリングを味わいたい
- ミニバンのように7人乗りがほしい
- どんな路面状況でも高い走行安定性が必要
CX-60PHEV |
アウトランダーPHEV |
|
総合得点(40点満点) |
32.5 |
33.0 |
1.燃費 |
3.5 |
4.0 |
2.価格 |
4.0 |
4.0 |
3.購入時の値引きしやすさ |
3.5 |
4.0 |
4.デザイン |
4.5 |
4.0 |
5.室内空間と使い勝手 |
4.0 |
4.5 |
6.安全装備 |
4.5 |
3.5 |
7.走行性能 |
4.0 |
4.5 |
8.リセールバリュー |
4.5 |
4.5 |
マツダCX-60 PHEV価格
エクスクルーシブスポーツ4WD |
6,099,500円 |
エクスクルーシブモダン4WD |
6,099,500円 |
プレミアムスポーツ4WD |
6,462,500円 |
プレミアムモダン4WD |
6,462,500円 |
三菱アウトランダーPHEV価格
M 4WD 5人乗り |
4,995,100円 |
G 4WD 5人乗り |
5,498,900円 |
G 4WD 7人乗り |
5,590,200円 |
P 4WD 7人乗り |
6,023,600円 |
ブラックエディション4WD 7人乗り |
6,304,100円 |
マツダCX-60 PHEVスペック
代表グレード |
プレミアムスポーツ 4WD |
ボディサイズ |
4,740mm×1,890mm×1,685mm |
ホイールべース |
2,870mm |
最低地上高 |
180mm |
最小回転半径 |
5.4m |
車両重量 |
2,090kg |
エンジン型式 |
PY-VPH型 |
エンジンタイプ |
直列4気筒DOHC |
総排気量 |
2,488cc |
最高出力 |
188ps(138kW)/6,000rpm |
最大トルク |
250N・m(25.5kgm)/4,000rpm |
モーター最高出力 |
129kW(175ps)/5,500rpm |
モーター最大トルク |
270N・m(27.5kgm)/400rpm |
燃費(WLTCモード) |
14.6km/L |
EV走行換算距離(WLTCモード) |
75km |
電力用主電池 |
リチウムイオン電池 |
駆動方式 |
4輪駆動(4WD) |
サスペンション |
前:ダブルウィッシュボーン、後:マルチリンク |
タイヤサイズ |
235/50R20 |
三菱アウトランダーPHEV スペック
代表グレード |
P 4WD 7人乗り |
ボディサイズ |
4,710mm×1,860mm×1,745mm |
ホイールべース |
2,705mm |
最低地上高 |
200mm |
最小回転半径 |
5.5m |
車両重量 |
2,110kg |
エンジン型式 |
4B12 |
エンジンタイプ |
直列4気筒DOHC |
総排気量 |
2,359cc |
最高出力 |
133ps(98kW)/5,000rpm |
最大トルク |
195N・m(20.0kgm)/4,300rpm |
モーター最高出力 前/後 |
40kW/40kW |
モーター最大トルク 前/後 |
255N・m/195N・m |
燃費(WLTCモード) |
16.2km/L |
EV走行換算距離(WLTCモード) |
83km |
電力用主電池 |
リチウムイオン電池 |
駆動方式 |
4輪駆動(4WD) |
サスペンション |
前:ストラット 後:マルチリンク |
タイヤサイズ |
255/45R20 |