外車メーカーでも数多くのSUVを販売しているBMW。ここでは電気自動車やハイパフォーマンスのMモデルも含めて、BMWのSUV「Xシリーズ」について徹底解説します。
中古車在庫情報
BMWのSUV「X」シリーズ一覧
数字 (全長目安) |
ガソリン/ ディーゼル |
電気自動車 | Mモデル |
---|---|---|---|
1 (約4,500mm) |
X1 | iX1 | - |
2 (約4,560mm) |
X2 | iX2 | - |
3 (約4,720mm) |
X3 | iX3 | X3 M |
4 (約4,760mm) |
X4 | - | X4 M |
5 (約4,940mm) |
X5 ※PHEVあり |
- | X5 M |
6 (約4,960mm) |
X6 | - | X6 M |
7 (約5,170mm) |
X7 | - | - |
他 (約4,960-5,110mm) |
- | iX | XM ※PHEV |
BMWは、SUVのラインナップが非常に豊富です。SUVの全車種にXの文字が入るため、「Xシリーズ」と呼ばれます。
種類はX1~X7までの7種類、さらに電気自動車やハイパフォーマンスのMモデルを含めると16種類存在します。 数字と分類の特徴などを、次章でご紹介します。
BMWのXシリーズの特徴
ここではBMWのXシリーズの特徴を、4つのポイントに分けてご紹介します。Xシリーズに限らず、BMW全体に共通する特徴でもありますので参考にしてください。
1) 数字が大きいほど高価格・大サイズ
車種名 | 全長×全幅×全高(mm) ※代表モデル |
新車価格 | 最高出力 ※代表モデル |
最大トルク ※代表モデル |
---|---|---|---|---|
X1 | 4,500×1,835×1,645 | 604万円~ | 204PS | 300Nm |
X2 | 4,555×1,845×1,575 | 628万円~ | 204PS | 300Nm |
X3 | 4,720×1,890×1,675 | 958万円 | 190PS | 400Nm |
X4 | 4,765×1,920×1,620 | 862万円~ | 190PS | 400Nm |
X5 | 4,935×2,005×1,770 | 1,198万円~ | 298PS | 670Nm |
X6 | 4,955×2,005×1,695 | 1,198万円~ | 298PS | 670Nm |
X7 | 5,170×2,000×1,835 | 1,390万円~ | 352PS | 720Nm |
XシリーズのベースとなるX1~X7は、BMWの他のボディタイプと同様、原則として数字が大きいほど高価格でサイズも大きい傾向があります。搭載エンジンも巨大化し、馬力やトルクも大きいです。
なお最高出力と最大トルクを見て分かるように、X1とX2、X3とX4、X5とX6はそれぞれ同じエンジンを採用しています。
Xシリーズの中には「iX」と「XM」という数字のないモデルが存在します。iXはBMW初の四輪駆動タイプのSUV電気自動車で、専用のボディを採用しています。またXMは、BMWの中でハイパフォーマンスモデルの開発を手掛けるM社が専用モデルとして独自に開発した車種です。
2) 奇数と偶数でタイプが異なる
BMWでは数字の奇数/偶数でもタイプが異なり、「2シリーズ」「X2」など偶数の車種はスポーティーなボディタイプ/ボディラインのモデルです。Xシリーズの場合、奇数と偶数の車種は以下のようにボディタイプが定義されています。
- 奇数:SAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)
- 偶数:SAC(スポーツ・アクティビティ・クーペ)
そもそもBMWは自社のSUVに「SAV」と「SAC」という独自のボディタイプ名称を付けています。SAVは王道のクロスオーバーSUV、SACはSUVクーペです。SACはSAVより全長が長く、全高が低いことが多いです。
3) 電気自動車は先頭に「i」が付く
車種名 | 全長×全幅×全高(mm) ※代表モデル |
新車価格 | 最高出力 ※代表モデル |
最大トルク ※代表モデル |
---|---|---|---|---|
iX1 | 4,500×1,835×1,620 | 718万円 | 272PS | 494Nm |
iX2 | 4,555×1,845×1,560 | 742万円 | 272PS | 494Nm |
iX3 | 4,740×1,890×1,670 | 922万円 | 286PS | 400Nm |
iX | 4,955×1,965×1,695 | 1,098万円~ | 326PS | 630Nm |
電動化にも積極的なBMWでは、Xシリーズに多数の電気自動車を用意しています。電気自動車のモデルは「iX~」と先頭に「i」が付くのが特徴です。
なおプラグインハイブリッド車に関しては、「車種に独自の頭文字が付く」という特徴はありません。ただしグレード名まで見ると、「X5 xDrive 50e M Sport」など「e」の文字が入っています。
4) 高性能なMモデルも存在
車種名 | 全長×全幅×全高(mm) | 新車価格 | 最高出力 | 最大トルク |
---|---|---|---|---|
X3 M | 4,725×1,895×1,675 | 1,368万円 | 510PS | 650Nm |
X4 M | 4,760×1,925×1,620 | 1,414万円 | 510PS | 650Nm |
X5 M | 4,955×2,015×1,770 | 1,972万円 | 625PS | 750Nm |
X6 M | 4,955×2,020×1,695 | 2,012万円 | 625PS | 750Nm |
XM ※PHEV |
5,110×2,005×1,755 | 2,130万円~ | 653PS | 800Nm |
BMWのハイパフォーマンスモデルを手掛けるM社が開発するMモデル。XシリーズにもMモデルが多数存在し、ベース車両のX3~X6などとは異次元の走行性能を有しています。
X1やX2、X7にもM社がチューニングを施した「Mパフォーマンスモデル」(グレード)が存在しますが、M社が全面的に開発しているMモデルはさらにハイスペックです。
Xシリーズの各車種紹介
ここからは、Xシリーズの各車種の特徴を解説します。
※各車種の新車時価格や全体寸法、スペック情報は2024年4月24日時点の公式サイトより、中古車相場は同日のガリバー「車カタログ」より引用。また全体寸法やスペックは代表モデルの数値です。
X1 / iX1
※上記画像は2021年式
モデル | X1 | iX1 |
---|---|---|
新車時価格 | 604万円~ | 718万円 |
中古車相場 | 34.8〜798万円 | 418〜606万円 |
全長 | 4,500mm | |
全幅 | 1,835mm | |
全高 | 1,645mm | 1,620mm |
エンジン | 直列4気筒DOHC | - |
最高出力 | 204PS | 272PS |
最大トルク | 300Nm | 494Nm |
燃費(WLTC) | 12.9km/L ※ハイオク |
- |
一充電航続距離 (WLTC) |
- | 465km |
コンパクトSUVのX1は都市部でも乗りやすいサイズ感で、日本ではXシリーズの中で最も売れている車種です。
2022年にフルモデルチェンジし、ガソリン車・マイルドハイブリッドディーゼル車・電気自動車(iX1)を用意。全てのモデルで高い走行性能を発揮することから、2023-2024インポート・カー・オブ・ザ・イヤーに選ばれました。ただし新型モデルの新車価格は高価なので、ブランド力重視の場合は中古の型落ちモデルが狙い目です。
X2 / iX2
※上記画像は2021年式
モデル | X2 | iX2 |
---|---|---|
新車時価格 | 628万円~ | 742万円 |
中古車相場 | 149.9〜543万円 | - |
全長 | 4,555mm | |
全幅 | 1,845mm | |
全高 | 1,575mm | 1,560mm |
エンジン | 直列4気筒DOHC | - |
最高出力 | 204PS | 272PS |
最大トルク | 300Nm | 494Nm |
燃費(WLTC) | 12.8km/L ※ハイオク |
- |
一充電航続距離 (WLTC) |
- | (未発表) |
2024年春より2代目の販売が始まったX2。X1をクーペ風に仕上げていますが、X1とは明らかに雰囲気が異なります。特に新型車の顔つきはX1以上に迫力系。同じSACのX4やX6と比べても、やや角張ったデザインです。
先にモデルチェンジしたX1の好評ぶりから、X2も走行性能の高いモデルであると期待されます。ただしX1同様に新車時価格は大幅にアップ。中古なら5年落ちでも現行モデルの半額程度で購入できる可能性があります。
X3 / iX3 / X3 M
※上記画像は2023年式
モデル | X3 | iX3 | X3 M |
---|---|---|---|
新車時価格 | 958万円 | 922万円 | 1,368万円 |
中古車相場 | 39〜860万円 | 448〜670万円 | 564〜1,100万円 |
全長 | 4,720mm | 4,740mm | 4,725mm |
全幅 | 1,890mm | 1,895mm | |
全高 | 1,675mm | 1,670mm | 1,675mm |
エンジン | 直列6気筒DOHC | - | 直列6気筒DOHC |
最高出力 | 190PS | 286PS | 510PS |
最大トルク | 400Nm | 650Nm | |
燃費(WLTC) | 10.5km/L ※ハイオク |
- | 9.1km/L ※ハイオク |
一充電航続距離 (WLTC) |
- | 517km | - |
セダンの3シリーズと同様、Xシリーズの中では中核を担うX3。X1やX2より先に電気自動車(iX3)が用意され、Mモデルまで用意されています。また2024年後半には一時販売されていたプラグインハイブリッド車も再登場する予定です。
大きさとしてはミドルサイズSUVで、街乗り、高速走行、アウトドアにも使える万能型。驚くべきことに、ガソリン車のX3より電気自動車のiX3の方が現在は新車時価格が安くなっています。
X4 / X4 M
※上記画像は2023年式
モデル | X4 | X4 M |
---|---|---|
新車時価格 | 862万円~ | 1,414万円 |
中古車相場 | 155.1〜840.7万円 | 558〜1,068万円 |
全長 | 4,765mm | 4,760mm |
全幅 | 1,920mm | 1,925mm |
全高 | 1,620mm | |
エンジン | 直列6気筒DOHC | 直列6気筒DOHC |
最高出力 | 190PS | 510PS |
最大トルク | 400Nm | 650Nm |
燃費(WLTC) | 10.5km/L ※ハイオク |
9.1km/L ※ハイオク |
X2と比べて流麗さが際立つX4。華やかさのあるX2と比べると、上品さや高級感を味わえます。ただし全幅が1,900mmを超えており、運転には注意が必要です。
現行モデルは2018年デビューで、X3とともにモデル末期です。しかし高級車ブランドのBMWなだけあって、2021年のマイナーチェンジ時にはインフォテイメントシステムにAI技術を活用。運転支援機能も充実しています。
X5 / X5 M
※上記画像が2020年式
モデル | X5 | X5 M |
---|---|---|
新車時価格 | 1,198万円~ | 1,972万円 |
中古車相場 | 43〜1,058万円 | 219〜1,478万円 |
全長 | 4,935mm | 4,955mm |
全幅 | 2,005mm | 2,015mm |
全高 | 1,770mm | |
エンジン | 直列6気筒DOHC | V型8気筒DOHC |
最高出力 | 298PS | 625PS |
最大トルク | 670Nm | 750Nm |
燃費(WLTC) | 12.5km/L ※軽油 |
7.8km/L ※ハイオク |
新車では車両価格が1,000万円を超えるラグジュアリーSUVのX5。全長と全幅はランドクルーザーを上回るサイズで、ディーゼルモデルのX5 xDrive40dでは7人乗りが可能です。
3列目の居住性は低く、ヘッドレストを上げるとリアの視認性も大幅に下がります。ただし2列目までは満足度が高く、走行性能も居住性も抜群。安全装備も充実しており、2023年のマイナーチェンジでより先進性を増しています。
X6 / X6 M
※上記画像は2022年式
モデル | X6 | X6 M |
---|---|---|
新車時価格 | 1,198万円 | 2,012万円 |
中古車相場 | 105〜1,119.9万円 | 188〜1,958万円 |
全長 | 4,955mm | |
全幅 | 2,005mm | 2,020mm |
全高 | 1,695mm | |
エンジン | 直列6気筒DOHC | V型8気筒DOHC |
最高出力 | 298PS | 510PS |
最大トルク | 670Nm | 650Nm |
燃費(WLTC) | 13.1km/L ※軽油 |
7.8km/L ※ハイオク |
X6はボディサイズが大きいことに加え、クーペスタイルでAピラーが寝ていること、リアの高さがないことから運転には技術が必要です。他方でX2やX4よりも存在感があり、クルマ好きには満足度の高い一台と言えます。
乗り心地は非常によく、長距離運転にも向いています。ただしBMWならではの軽快さはやや乏しく、ゆったりとした走りをするため、反応の良さを楽しみたいのであれば他のモデルを選んだ方が良いでしょう。
X7
※上記画像は2019年式
モデル | X7 |
---|---|
新車時価格 | 1,390万円~ |
中古車相場 | 635〜1,655万円 |
全長 | 5,170mm |
全幅 | 2,000mm |
全高 | 1,835mm |
エンジン | 直列6気筒DOHC |
最高出力 | 352PS |
最大トルク | 720Nm |
燃費(WLTC) | 12.4km/L ※軽油 |
2019年に登場した、Xシリーズの中で最も大きなX7。乗車定員は6人または7人から選択可能です。2列目は極めて居住性が高く、SUVの剛性の高さがあることからミニバン以上ともいえる静粛性や乗り心地を実現しています。
全長の長さを活かしたスカイ・ラウンジ・パノラマ・サンルーフは開放感が大きく、夜にはライトが点灯します。2列目の使用を中心に考えた購入がおすすめです。
iX
モデル | iX |
---|---|
新車時価格 | 1,098万円~ |
中古車相場 | 568〜1,339.9万円 |
全長 | 4,955mm |
全幅 | 1,965mm |
全高 | 1,695mm |
最高出力 | 326PS |
最大トルク | 630Nm |
一充電航続距離 (WLTC) |
455km |
BMWがXシリーズで最初に電気自動車モデルとして発表したのが、iX3とiXです。このうちiXには、BMWが電気自動車用に開発した専用プラットフォームが採用されています。
全長5,000mm近い巨体で車両重量も重いながら、パワフルで加速力にも優れています。他方で走り出せば電気自動車らしく伸びやかに走り、静粛性も高いです。選択するグレード次第で最大航続距離は650kmまで伸びます。
【関連記事】BMW iX試乗記-快適なEV専用モデルの価格やサイズ、性能
XM
モデル | XM |
---|---|
新車時価格 | 2,130万円~ |
中古車相場 | 1,606〜1,900万円 |
全長 | 5,110mm |
全幅 | 2,005mm |
全高 | 1,755mm |
エンジン | V型8気筒DOHC |
最高出力 | 653PS |
最大トルク | 800Nm |
燃費(WLTC) | 8.5km/L ※ハイオク |
一充電航続距離 (WLTC) |
102.6km |
XMは、M社が独自開発したプラグインハイブリッド車。V8エンジン搭載のハイパワーモデルでありながら、一定距離をEV走行します。
サイズが大きく、またスペックが高すぎるという点でも日本での走行は向かないように感じられます。他方でマイルドな乗り方もでき、高性能な運転支援機能も搭載されています。
Xシリーズの中で人気の車種は?
新車市場でも中古車市場でも、BMWのXシリーズで人気が高いのは小型のX1やミドルサイズのX3です。
都市部での利用が多い人や運転に不安がある人、年式も予算も重要な人はX1が良いでしょう。一方、SUVらしい存在感や乗り心地を重視するのであれば、X3がおすすめです。
Xシリーズは中古だと安い?
BMWのXシリーズは、今や最も小型なX1でも新車時価格が600万円を超えます。BMWは中古でも人気のメーカーであり、特にSUVは現在人気のボディタイプなので、中古でも価格は「特別安い」とは言えません。
しかし、輸入車は国産車に比べて中古での値下がり率が大きいです。特にフルモデルチェンジとマイナーチェンジを挟むと、相場価格が大きく下がります。
予算が気になる場合は相談を
BMWのXシリーズは、中古であっても高額な車両が少なくありません。中古では特に「見極めが難しい」という人もいるでしょう。
クルマの購入予算に迷ったらプロに相談してみましょう。ガリバーでは、購入予算や月々の支払希望額からお客さまにピッタリなクルマをご紹介する無料相談サービスをご用意しています。「予算200万円でできるだけ高年式のX1が欲しい」など、お気軽にご相談ください。