マニュアル(MT)車は、クルマを自分で積極的に操作できる点が大きな魅力です。ここでは新車と中古車、さらには外車のおすすめMT車をご紹介しています。
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クルマ好きを虜にするMT車
今や新車ではごく限られた車種でしか存在しないマニュアル(MT)車。しかしクルマ好きからは根強い人気があり、操作感を味わいたい人におすすめの選択肢です。
MT車の魅力は、何と言っても「自分でクルマを動かしている感覚」を味わえること。その場の判断力と手足を駆使し、クルマを意のままに動かすのは爽快です。エンジンを高回転で維持しながらコーナーを駆け抜けるなど、スポーツのような楽しさを味わえます。
そもそもMT車とはどんなクルマか
マニュアル(MT)車とは、変速(ギアチェンジ)を手動で行う車両のことです。「Manual Transmission(手動の変速機)」の略称でMT車とも呼ばれます。
MT車ではドライバーが足元のクラッチペダルと手元のシフトレバーを操作し、変速を行います。操作を誤ればエンストしてクルマが停止したり、エンジンに大きな負荷がかかったりします。そのためオートマ車(AT車)と比べて操作は難しいです。
オートマ(AT)車との違い
MT車 | AT車 | |
---|---|---|
変速操作 | ドライバーが手動で行う | クルマが自動で行う |
見た目の違い | ・数字表記がベースのシフト ・上下左右に動くシフトレバー ・足元のペダルは3つ |
・アルファベット表記の多いシフト ・動きの幅が少ないシフトレバー ・足元のペダルは2つ |
必要な免許 | 普通自動車第一種運転免許 ※AT限定を除く |
普通自動車第一種運転免許 ※AT限定でOK |
オートマ車は「Automatic Transmission(自動の変速機)」を搭載したクルマです。その名称通り、「変速を手動で行うか、自動で行うか」がMT車とは違います。
外見では、ペダルとシフト部分に違いがあります。 MT車の足元には、アクセル及びブレーキペダルに加えてクラッチペダルがあります。またシフトレバーには、1速・2速などのギアを示す数字が記載されています。
現在は新車市場のわずか1.5%に
かつては「クルマ」と言えば、MT車が主流でした。しかし 現在、日本の新車市場におけるMT車の割合はわずか1.5%程度です。
このように、MT車を新車で探すとなると選択肢が乏しいです。購入では中古車も含めた検討をお勧めします。
MT車の運転方法とコツ
MT車では、発進や加速・減速にクラッチペダルとシフトレバーを使います。この中でも特に重要なのが、クラッチペダルの操作です。
発進時や変速時には必ずクラッチペダルを踏み込み、シフトを変更してからアクセルペダルを踏みつつ、少しずつクラッチペダルを離していきます。この「少しずつ離す」操作が非常に重要で、早く離しすぎるとエンストを起こしたり、変速時にガタつきが生じたりします。
なお、クラッチペダルを緩やかに踏んだ状態を「半クラッチ」と呼びます。
新車で買えるおすすめMT車10選
ここでは、新車で購入できるMT車のおすすめ10車種をご紹介します。
※新車時価格や主要諸元はメーカー公式ページ、中古車相場はガリバー「車カタログ」より引用(2024年3月5日時点)
番号 | 車種名 | 新車時価格 | 中古車相場 | ボディタイプ |
---|---|---|---|---|
① | ホンダ「N-ONE」 | 206.3万円 | 6.8万円〜226.2万円 | 軽自動車 |
② | スズキ「ジムニー」 | 165.4万円~ | 5万円〜242万円 | 軽自動車 |
③ | ダイハツ「コペン」 | 188.9万円~ | 5万円〜279.9万円 | 軽自動車 |
④ | トヨタ「GRヤリス」 | 396万円~ | 179.3万円〜506万円 | コンパクト |
⑤ | マツダ「MAZDA2」 | 213.8万円~ | 88万円〜242.3万円 | コンパクト |
⑥ | スズキ「スイフトスポーツ」 | 216.5万円~ | 13万円〜273.6万円 | コンパクト |
⑦ | スズキ「ジムニーシエラ」 | 196.2万円~ | 34.8万円〜308.4万円 | SUV |
⑧ | ホンダ「シビック タイプR」 | 499.7万円 | 8万円〜600万円 | ハッチバック |
⑨ | トヨタ「GR86」 | 315.3万円~ | 239.8万円〜407.4万円 | クーペ |
⑩ | トヨタ「スープラ」 | 731.3万円 | 81.5万円〜839万円 | クーペ |
【軽自動車】ホンダ「N-ONE」
- 新車時価格:206.3万円
- 中古車相場:6.8~226.2万円
- 最高出力:64PS
- 最大トルク:104Nm
N-ONEは、日常生活での使用も踏まえてクルマを選びたい人におすすめの一台です。デザイン性も高く、通勤や買い物にも充分使えます。
MT車は最上位グレードRSにのみ用意されており、今回ご紹介する軽自動車の中でも加速力の優れた一台です。6速MTを採用しており、アグレッシブで軽快な走りと乗り心地の良さで高い質感に仕上がっています。燃費も21.6km/L(WLTCモード)と優秀です。
【軽自動車】スズキ「ジムニー」
- 新車時価格:165.4万円~
- 中古車相場:5~242万円
- 最高出力:64PS
- 最大トルク:96Nm
実はスポーツ系車両に限らず、SUVもMTとの相性が良いです。路面状況に応じたクラッチ操作や変速で走破性を高めることができます。
ジムニーは本格オフローダーの軽SUVで、使い勝手の良いサイズ感と優れた悪路走破性、手の届きやすい価格設定から非常に人気の高い車種です。3つのグレード全てにMT車を設定しています。新車では納期が長いため、中古で購入するのもおすすめです。
【軽自動車】ダイハツ「コペン」
- 新車時価格:188.9万円~
- 中古車相場:5~279.9万円
- 最高出力:64PS
- 最大トルク:92Nm
低予算でMTのスポーツカーに乗りたい場合は、コペンがおすすめです。車両価格200万円弱から購入でき、セカンドカーとして購入する人も少なくありません。
デザインは「Robe」「XPLAY」「Cero」「GR SPORT」の4種類があり、全モデルにおいてMT車が用意されています。スポーツカーらしくコーナリング性能にも優れ、また全車電動ルーフを装備している点も魅力です。
【コンパクト】トヨタ「GRヤリス」
- 新車時価格:396万円~
- 中古車相場:179.3~506万円
- 最高出力:272PS
- 最大トルク:370Nm
GRはトヨタのスポーツブランドで、「GR」の名を冠するモデルにはレーシングカー並みの高い剛性や専用チューニングされたパワートレインが採用されています。
GRヤリスはコンパクトで使い勝手が良く、且つスポーツコンパクトの中でも高い馬力とトルクを誇ります。また変速時に自動でエンジン回転数を合わせるよう制御する「iMT(インテリジェントMT)」を搭載しているため、MT初心者でも操作しやすいです。
【コンパクト】マツダ「MAZDA2」
- 新車時価格:213.8万円~
- 中古車相場:88~242.3万円
- 最高出力:105PS
- 最大トルク:225Nm
※最高出力と最大トルクは、XD SPORT+の場合
2019年にデミオから名称を変更して生まれ変わったMAZDA2。魅力は何と言ってもマツダならではのディーゼル車を選べることです。
ディーゼルモデル(XD SPORT+)の場合、車両価格は250万円弱でエントリーグレードより高価です。しかし燃費は25.2km/L(WLTCモード)と優秀。燃料費を抑えられます。
マツダでは、MAZDA2の他にMAZDA3 FASTBACKでもMT車を扱っています。日常使いもできるMT車を探している場合は、併せて検討してみましょう。
【コンパクト】スズキ「スイフトスポーツ」
- 新車時価格:216.5万円~
- 中古車相場:13~273.6万円
- 最高出力:140PS
- 最大トルク:230Nm
低価格で使い勝手のよいスポーツコンパクトと言えば、MAZDA2の他にスイフトスポーツも候補に入るでしょう。MAZDA2よりも走行性能を重視したモデルで、デザインもスポーティーに仕上がっています。
日常使用にも趣味にも使いたい人におすすめです。 現行のスイフトスポーツはモデルチェンジ直前なので、新車では積極的に値引き交渉をすると良いでしょう。
【SUV】スズキ「ジムニーシエラ」
- 新車時価格:196.2万円~
- 中古車相場:34.8~308.4万円
- 最高出力:102PS
- 最大トルク:130Nm
軽SUVジムニーの兄貴分であるジムニーシエラ。ジムニーは軽自動車として維持費などを抑えることができますが、ジムニーシエラはジムニーよりハイパワーです。
先述の通り、SUVはMTとの相性も良いため、本格オフローダーに乗りたい人はぜひMT車を検討しましょう。ジムニーシエラのグレードは2展開で、双方にMT車が用意されています。全車パートタイム4WD採用で、悪路走行を楽しめる一台です。
【ハッチバック】ホンダ「シビック タイプR」
- 新車時価格:499.7万円
- 中古車相場:8~600万円(※シビック全体)
- 最高出力:330PS
- 最大トルク:420Nm
MT車の中でも極めて人気が高いのが、シビック タイプRです。日常使いにも便利な使い勝手でありながら外観は極めてスポーティーで、走行性能も非常に高いです。馬力と加速力にも優れているので、MT車ならではのレースマシンのような走りを楽しめます。
あまりの人気ぶりに、2024年3月5日現在は新車の受注が停止となっています。
【クーペ】トヨタ「GR86」
- 新車時価格:315.3万円~
- 中古車相場:239.8~407.4万円
- 最高出力:235PS
- 最大トルク:250Nm
GR86はトヨタとスバルが共同開発した車種で、スバルからは姉妹車のBRZが販売されています。サイズや基本スペックは変わらない一方、内外装には違いがあり、また採用しているサスペンションなどに違いがあるため、走りの傾向も異なります。
GR86はハンドリング性能や加速力に優れており、よりスポーティーに仕上がっています。2023年の一部改良で、MT車初のアイサイトがGR86とBRZの双方で採用されました。
【関連記事】トヨタ「GR86」とスバル「BRZ」の違いは?どっちがオススメ?
【クーペ】トヨタ「スープラ」
- 新車時価格:731.3万円
- 中古車相場:81.5~839万円
- 最高出力:387PS
- 最大トルク:500Nm
予算に余裕がある場合は、上級スポーツカーのスープラを選択肢に入れても良いでしょう。GRが手掛けているモデルで、MT車では3.0L直列6気筒エンジンを採用。上級モデルらしい圧倒的な馬力とトルクを誇ります。
走行面ではコーナリング性能に優れ、特にMT車でその魅力を強く感じられます。ワインディングロードでの走りを楽しみたい人におすすめです。
中古のおすすめMT車5選
ここでは、中古での購入をお勧めしたいMT車5選を一覧でご紹介します。
番号 | 車種名 | 新車時価格 | 中古車相場 | ボディタイプ |
---|---|---|---|---|
① | トヨタ「カローラスポーツ」 | (現在設定なし) | 95.9万円〜339万円 | コンパクト |
② | マツダ「CX-3」 | (現在設定なし) | 55.3万円〜314.1万円 | SUV |
③ | 日産「フェアレディZ」 | 539.9万円~ | 25万円〜798万円 | クーペ |
④ | マツダ「ロードスター」 | 289.9万円~ | 15万円〜418.3万円 | クーペ |
⑤ | スバル「BRZ」 | 330万円~ | 68.3万円〜431.7万円 | クーペ |
カローラスポーツでは、GRヤリスと同様にMT初心者でも操作しやすいiMTが採用されていました。またマツダでは、CX-3の他にCX-5やCX-30でMT車の設定がありました。
この他に、新車で高価なフェアレディZを中古で購入したり、ロードスターやBRZの上級グレードを中古で選んだりするのもおすすめです。
各車種の詳細は、以下でご紹介しています。
【関連記事】マニュアル車の中古車おすすめ5選
まだまだ多い販売終了のMT車
過去には、以下のような車種でもMT車の販売がありました。
- トヨタ「C-HR」
- 日産「ノート(ニスモ)」
- 日産「マーチ(ニスモ)」
- マツダ「CX-5」
- マツダ「CX-30」
- スバル「WRX」
- スバル「インプレッサスポーツ」
- 三菱「ランサーエボリューション」
- スズキ「アルトワークス」
なかには、この2~3年の間に販売を終了したモデルもあります。「もう少し選択肢を広げたい」という人は、中古での購入も検討してみてください。
外車のおすすめMT車2選
実は、外車でもMT車の設定は著しく減っています。そんな中で、今回お勧めするのは以下の2車種です。
【コンパクト】アバルト「アバルト595」
長年レース車両用のエンジンなどを供給しているアバルト。その中の代表車種がアバルト595です。2024年3月現在、新車ではF595が、中古ではよりハイパワーな595コンペティツィオーネなどが販売されています。コンパクトなボディでも充分な加速力を味わえます。
なおアバルトはエンジン車の販売終了を宣言しており、新車に関しては近々ガソリン車が姿を消すと考えられます。
【クーペ】BMW「M2」
BMWの中でもレーシングカーの設計・製造を担ってきたBMW M社。このM社が開発した「Mシリーズ」の1つが、クーペのM2です。3.0L直列6気筒エンジンを搭載し、スープラと同様にハイパワーです。またハンドリング性能も秀逸で、レスポンスが非常に良いので「クルマを操縦する楽しみ」をより深く味わえる一台と言えます。
MT車に関してよくある質問
ここではMT車に関してよくある質問に答えています。
Q. MT車の運転に必要な免許は?
乗用MT車の運転には、普通自動車第一種運転免許が必要です。ただしAT限定免許ではMT車を運転できません。
AT限定を後に解除することもできますが、その場合も3~5日教習所で講習を受けるか、運転免許試験場で審査を受ける必要があります。教習所に通う場合、限定解除には5万円前後の費用がかかります。
【関連記事】免許の限定解除がしたい!かかる時間と講習内容とは?
Q. MT車も乗れる人の割合は?
現在、初めて運転免許を取得する人の約7割はAT限定免許を選択しています。つまりMT車も乗れる普通自動車免許を取得している人は約3割です。ただし以前はMT車が主流だったこともあり、40代以上では限定なしの免許を取得している人の方が多いようです。
Q. MT車の運転はなぜ難しい?
MT車の操作では、特にクラッチ操作が難しいと言われています。発進や変速の際に緩やかにクラッチペダルを踏む「半クラッチ」の操作が初心者には難しく、失敗が多いです。
エンジン回転数が足りない状況でクラッチを離すと、エンストによりクルマが停止します。
Q. MT車とAT車はどちらの方が安全?
MT車は発進にクラッチ操作が必要なため、AT車のような誤発進のリスクが低いです。しかし現在のクルマは安全性能が日々向上しており、誤発進抑制装置を含めた多くの先進安全装備が搭載されています。
実は、MT車では自動ブレーキなどの先進安全装備が搭載されていないことも多いです。そのため同じ車種で比較すると、AT車の方が安全装備が整っている場合があります。
Q. MT車の寿命はAT車より短い?
MT車だからと言って、「AT車より寿命が短い」ということはありません。丁寧に整備をすれば、長い年数・長い距離を乗ることができます。
【関連記事】車のクラッチの交換費用の目安は?交換時期など整備士が解説
MT車は中古も含めた検討を
MT車は年々選択肢が減っているため、走行性能や予算を考慮して新車・中古車問わず検討するのがおすすめです。車種の選択や予算で迷った場合は、お店に相談してみましょう。
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