ハリアーの現行モデルである80系は、2020年に登場した。発売当時は納期の長期化によって中古車が新車価格を大幅に超えるという異常事態も起きたほどだ。2024年1月現在は新車とそれほど変わらない価格で販売されている。
気になるのは先代の60系ハリアーだ。こちらも人気モデルで、中古車価格は高めを維持している。だが80系ハリアーよりは大幅に安価になってきているので、60系ハリアーは今が狙い目だろう。今回は80系ハリアーも含め、新旧ハリアーの中古車を解説する。
買い替え前に愛車の買取相場を確認する
- 60系ハリアー(3代目)の特徴
- 60系ハリアーの注意点
- 60系ハリアー(前期、後期)のおすすめグレード
- 60系ハリアーの中古車のお勧めはハイブリッドのプログレス
- 80系ハリアー(4代目)の特徴
- 80系ハリアーの注意点
- 80系ハリアーのグレードは3種類
- 80系ハリアーの中古車のお勧めはハイブリッドZ
60系ハリアー(3代目)の特徴
60系ハリアーは2013~2020年に発売された。初代、2代目ハリアーはレクサスRXと共通のプラットフォームだ。当時、ハリアーをベースに北米展開軸のレクサスRXが発売されたためだ。3代目にあたる60系ハリアーから、レクサスRXとは異なるモデルとなった。
60系ハリアーは、RAV4ベースのラグジュアリーSUVだ。デビュー時の搭載パワーユニットは2.5Lハイブリッドと2.0Lガソリンの二種類で、2017年のマイナーチェンジでパワフルな2.0Lターボエンジンが追加されている。
各パワーユニットの燃費性能は下記の通りだ。(すべて最終モデルのカタログ値、JC08モード)
|
燃費 |
最高出力 |
最大トルク |
2.0Lターボ(FF車) |
13.0km/L |
231ps |
350Nm |
2.0L自然吸気(FF車) |
16.0km/L |
151ps |
193Nm |
2.5Lハイブリッド(E-Four) |
21.4km/L |
197ps ※ |
- |
※システム最高出力
60系ハリアーの注意点
60系ハリアーの購入にあたって注意したい点は予備安全装備だ。マイナーチェンジ前後で予防安全装備に大きな差がある。2017年6月のマイナーチェンジで、歩行者検知式自動ブレーキなどをセットにしたトヨタセーフティセンスPが標準装備された。マイナーチェンジ前のモデルには、歩行者検知式自動ブレーキなどは装備されていない。
また、パワーユニットもそれぞれの特徴を考慮して選ぶとよいだろう。
2.0Lターボ
最もパワフルでスポーティ。しかし、燃費性能は物足りない。さらに、ハイオクガソリン仕様なので、燃料費は高めになる。
2.0L自然吸気エンジン車
ややアンダーパワー気味に感じる。
2.5Lハイブリッド車
4WDであるE-Fourのみの設定。後輪に小さなモーターを装備しているが出力が小さいため、悪路をガンガンと走れるタイプではない。あくまで、雪道など滑りやすい路面でのアシストと考えたほうが良い。
燃費は、当時のクラストップレベルだ。静粛性も高い。
60系ハリアー(前期、後期)のおすすめグレード
60系ハリアーの基本グレード構成はマイナーチェンジ前期、後期ともに3種類だ。おすすめのグレードは前期と後期で異なる。
- マイナーチェンジ前…グランド、エレガンス、プレミアムの3グレード。特別仕様車にG’sなど。
- マイナーチェンジ後…エレガンス、プレミアム、プログレスの3グレード。特別仕様車にG’sなど。
※ガソリン車、ハイブリッド車共通
特別仕様車G’s(ガソリン車)は、専用エアロパーツなどを装備しており人気が高い。
前期(マイナーチェンジ前)
プレミアムアドバンスドパッケージがお勧めだ。ラグジュアリーSUVに相応しい充実した装備を味わえる。エントリーモデルのグランドだと、パワーシートも装備されていない。エレガンスでも、装備はシンプルだ。
プレミアムの中でも、純正ナビなどの多くのオプションを装着している車両がよい。
後期(マイナーチェンジ後)
最上級グレードのプログレスがお勧めだ。パノラミックビューモニターやJBLプレミアムサウンドシステムなど充実したガジェット類が標準装備されている。中間グレードのプレミアムでも十分だが、オプションの純正ナビやインテリジェントクリアランスソナーが装備されていればベストだ。
60系ハリアーの中古車のお勧めはハイブリッドのプログレス
※上図:ハリアーハイブリッド プログレス(2019年式)
60系ハリアーの一番のおすすめはハイブリッドのプログレスだ。ただし、購入予算が300万円を超えてくるので予算を抑えたい場合はマイナーチェンジ前やパワーユニットの変更などの検討も入ってくるだろう。60系ハリアーハイブリッド プログレスの中古車相場例は以下の通りだ。
- 60系ハリアー ハイブリッド プログレス(2018年式)
- 中古車相場:約260~370万円
*中古車相場は2023年12月調べ
ハリアーハイブリッド プログレスの販売開始当時の新車価格は、約460万円だった。新車価格に対して、中古車価格は約57~80%となった。中古車価格に幅があるのは、人気モデルであるため、かなり強気な値付けをしている中古車店が多いことが要因のひとつだろう。
60系ハリアーハイブリッドは、今後徐々に買い得感が増してくるとみられる。マイナーチェンジ後のモデルも年式が古くなっているからだ。さらに現行モデルである80系ハリアーハイブリッドの中古車流通量が徐々に増えるため、中古車価格はジリジリと値を落としていくと思われるからだ。
ただ2018年式で300万円越えの中古車は、コストパフォーマンスとしては微妙だ。この価格帯なら、多少無理してでも80系ハリアーハイブリッドの中古車を探した方がよいだろう。
最上級グレードであるプログレスの装備に関しては十分に満足できるだろう。ただ、ムーンルーフはオプションだ。ムーンルーフが必要な場合、じっくりと探す必要がある。
さらに、プログレスには、レザーシートなどを装備したメタル&レザーパッケージと呼ばれる特別仕様車も設定されていた。価格にもよるが、よりラグジュアリーSUVを満喫したいのであればメタル&レザーパッケージ車を選ぶとよい。
ハリアー(年式2013年~2020年)の中古車情報をチェックする>
予算250万円以下なら60系後期のプログレスがお勧め
予算250万円以下で60系ハリアーの購入を検討している場合、おすすめはマイナーチェンジ後期で2.0L自然吸気車のプログレスだ。中古車相場例は以下の通り。
- 60系ハリアー 2.0L自然吸気車 プログレス(2018年式)
- 中古車相場:約210~300万円
*中古車相場は2023年12月調べ
マイナーチェンジ後期がおすすめな理由は、歩行者検知式自動ブレーキを含む予防安全装備パッケージ「トヨタセーフティセンスP」が標準装備化されてるからだ。
また、2.0L自然吸気車がおすすにしたのは燃費や中古車流通数を考慮したためだ。
ガソリン車のプログレスには、自然吸気の2.0Lと2.0Lターボの設定がある。2.0Lターボ車はパワフルだが、燃料がハイオク仕様で燃費も物足りない。新車でも販売台数が少なかったため、中古車流通量も非常に少ない。
このモデルも非常に高値で売られている。新車価格が約380万円だったので、中古車価格は約55~79%という高値が付いている。そのため、250万円以上するならば、多少無理をしてでも80系ハリアーの中古車を探した方がよいだろう。
予算170万円以下なら60系前期のプレミアムがお勧め
※上図:ハリアー プレミアム(2015年式)
予算170万円以下で60系ハリアーの購入を検討している場合、おすすめはマイナーチェンジ前期のプレミアムだ。中古車相場例は以下の通り。
- ハリアー 2.0L自然吸気車 プレミアム(2014年式)
- 中古車相場:約120~200万円
*中古車相場は2023年12月調べ
ハリアーのリセールバリューは、低年式になっても高値を維持している。2014年式でも、中古車相場は約120~200万円だ。
一般的に、2014年式で安価な価格帯の車両は走行距離が10万kmを超えている等、あまり状態が良くない車両が増えてくる。だが3代目60系ハリアーの場合、意外と状態のよい車両が多い。大切にしていたオーナーが多いのか、走行距離が7万km以下などの車両も見つかりやすい。
マイナーチェンジ前のモデルでは、プレミアムが最上級グレードだ。中間グレードのエレガンスになると、フロントガラスがスーパー UVカット&IR<赤外線>カット機能・撥水機能付では無くなり、UVカット機能・撥水機能付にグレードダウンする。プレミアムに装備されていた以下の機能も外され、ラグジュアリーSUVとしてはやや物足りない仕様となる。
- オートマチックハイビーム
- 自動防眩インナーミラー
- 電動チルト&テレスコピックステアリング
- パワーバックドア
- 運転席パワーシート
やや高価になるが、以下を装備したプレミアム アドバンスドパッケージもお勧めだ。
- プレミアムにJBLオーディオシステム
- 純正ナビ
- パノラミックビューモニター
- インテリジェントクリアランスソナー
- プリクラッシュセーフティシステム(ミリ波レーダー方式)
- レーダークルーズコントロール
ハリアー(年式2013年~2020年)の中古車情報をチェックする>
80系ハリアー(4代目)の特徴
80系ハリアーは2020年から発売された現行モデルだ。RAV4と同じ、最新のGA-Kプラットフォームを採用しており、運動性能は劇的な進化を遂げた。パワーユニットもRAV4と共通で、2.5Lハイブリッドと2.0L自然吸気ガソリンエンジンが用意された。
2022年9月に一部改良され、PHEVを追加した。トヨタセーフティセンスの機能向上や12.3インチTFTカラーメーター+マルチインフォメーションディスプレイの採用などが行われている。
各パワーユニットの燃費性能は下記の通りだ。
*すべて、最新モデルのカタログ値、FF車 WLTCモード
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燃費 |
最高出力 |
最大トルク |
2.0L自然吸気 |
15.4km/L |
171ps |
207Nm |
2.5Lハイブリッド |
22.3km/L |
218ps ※ |
- |
※システム最高出力
2.5Lハイブリッド
新たにFF(前輪駆動)車を設定した。E-Four(4WD)は継続採用だ。
E-Fourは、出力の大きいモーターを装備した。3代目である60系ハリアーハイブリッドのE-Fourは、あくまでアシスト程度の4WDだった。しかし4代目80系ハリアーハイブリッドは、ある程度の悪路も走行可能となった。
システム出力は218psと、なかなかパワフルだ。燃費は22.3km/L(FF WLTCモード)と圧倒的な低燃費性能を誇る。
80系ハリアーの注意点
80系ハリアーの中古車価格は、かなり高価だ。新車を買った方が良い車両も多い。
また、マイナーチェンジ前後で予防安全装備に大きな差がある。2022年9月の改良後の予防安全装備パッケージ「トヨタセーフティセンス」は性能差がやや大きい。
2.0L自然吸気エンジン車は、アイドリングストップ機能がない。やや高回転型エンジンでパワフルだが、高回転域では室内が少々賑やかになる。
80系ハリアーのグレードは3種類
- S、G、Zの3グレード(ガソリン車、ハイブリッド車共通)
- 改良前モデルには、GとZにそれぞれレザーパッケージが設定されている。
Z(最上級グレード)
純正ナビ+JBLプレミアムサウンドシステムが標準装備されている。調光パノラマルーフやパノラミックビューモニター(シースルービュー機能付)などのオプション選択が可能だ。
80系ハリアーの中古車のお勧めはハイブリッドZ
※上図:ハリアー ハイブリッド Z(2023年式)
- ハリアー ハイブリッド Z(2020年式)
- 中古車相場:約310~470万円
*中古車相場は2023年12月調べ
お勧めは最上級グレードのハイブリッド Zだ。ラグジュアリーSUVらしい豪華装備と圧倒的な低燃費性能、パワフルな走りと優れた静粛性をもつ。加えてパノラミックビューモニターや調光パノラマルーフが装備されていれば、さらにお勧めといえる。
80系ハリアーハイブリッドは現行モデルなので、中古車価格はかなり高い。新車価格が約450~500万円だったので、最も安価な価格帯の比較でも、新車価格の約69%を維持している。
安価な価格帯だと、走行距離は5万kmを超え、やや過走行気味の車両も多くなる。
また、ディーラー系中古車店では、かなり強気な価格付けをしている傾向がある。少しでも安価に購入したいのであれば、一般的な中古車店で購入する方が良さそうだ。
ガソリン車で最上級グレードであるZの場合、中古車価格は約290~430万円だ。安価な価格帯では、ハイブリッド車とあまり変わらない。車両価格の傾向はハイブリッド車と同様なので、ハイブリッド車としっかりと価格を比較してみることをお勧めする。
新車価格では、ハイブリッド車がガソリン車に対して約60万円高価だ。中古車の場合、むしろハイブリッド車の方が買い得感も高い。
ハリアーのカタログ情報
- 現行モデル
- 令和2年6月(2020年6月)〜現在
- 新車時価格
- 299.0万円〜453.8万円
ハリアーの在庫が現在359件あります
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