日産ノートの中古車はなぜ安い?理由とおすすめ年式を紹介

コンパクトカーは、日産ノートを筆頭に車両価格がリーズナブルで人気だ。とくに全長4m前後の国産Bセグメントコンパクトカーは居住性に優れ、燃費も良い。さらに走行性能も高いため、まさに隙が無い。

今回はBセグメントコンパクトカーの中でも人気を誇る日産ノートの、中古車が安い理由やおすすめの年式について解説する。

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ノートの中古が安い理由はモデルチェンジの登場にある

ノートの中古車が安い理由は、中古流通台数の多さと、フルモデルチェンジから年数が経っている点が大きい。ノートは2020年12月フルモデルチェンジをし、2024年1月にはマイナーチェンジ発売が予定されている。

2代目にあたるE12型ノートは、2012~2020年に発売された。2016年には、シリーズハイブリッドであるe-POWERを投入し大ヒットを記録する。現在E12型ノートの中古車価格は、E13型ノート(3代目)の登場によって、グッとリーズナブルな価格になっていきている。

ノート中古のおすすめ年式

ノートの中古車おすすめ年式は2017年式や2021年式があげられる。中古車らしい価格で好みの車両を見つけやすいだろう。中古車価格は概ねフルモデルチェンジやマイナーチェンジが発売されると先代モデルの価格は下がる傾向にある。

ノートの中古車を探す場合は、以下のような型式の販売年やマイナーチェンジした時をおさえておこう。

ノート 発売年 マイナーチェンジ
E12型 2012年~2020年 2015年7月
E13型 2020年12月~ 2024年1月

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E12型ノートの特徴

 

2代目にあたるE12型ノートは、2012~2020年に発売された。

デビュー時のエンジンは、ガソリン車のみだ。1.2LガソリンのHR12DE型と、1.2Lスーパーチャージャー付HR12DDRの2タイプが用意された。マイナーチェンジ前の車を購入検討する際はハイブリッド車がない点に注意したい。

全長4,100mmという数値は、ライバル車よりやや大きく、クラストップレベルの居住性を確保した。

2014年(改良前)のモデルには横滑り防止装置(VDC)が装備されていない車両もあるので、購入検討時は確認することをお勧めする。また自動ブレーキであるエマージェンシーブレーキも、2015年の改良までオプションもしくは設定が無い。

2015年にマイナーチェンジが行われた。この改良でエマージェンシーブレーキなどが標準装備化されている。

また2016年11月には、1.2L e-POWERが新設定された。電気自動車のリーフ用モーターなどを流用したシリーズハイブリッドで、燃費値は最終モデルで34.0km/L(FF、JC08モード)だ。1ペダルドライブ(アクセル操作で発進から停止が可能な)が可能なのも特徴的である。

また、e-POWERに使用されているモーターの最大トルクは254Nmと非常に力強い。この世代のコンパクトカーでは、最もパワフルな加速感を誇った。だが停止時の静粛性が物足りないのが惜しい。

2018年1月~12月の国内累計販売では、登録車販売ランキング1位を獲得するほどの人気車だった。

E12型ノートのグレード解説

【ガソリン車】

 

1.2Lガソリン車

1.2L+スーパーチャージャー

4WD

S系

-

S DIG-S

-

X系

X

X DIG-S

X FOUR

MEDALIST

-

MEDALIST

-

S系グレードは、装備がかなり簡素化されているので、選択肢から外した方が無難だろう。

【e-POWER】

 

2WD

4WD

S系

e-POWER-S

-

X系

e-POWER X

e-POWER X FOUR

MEDALIST

e-POWER MEDALIST

e-POWER MEDALIST FOUR

e-POWERもSグレードは燃費訴求用で、ほとんど売られていない。実質XとMEDALISTの2グレードになる。

 

ノートには数々のカスタマイズ車や特別仕様車が設定されている。NISMOやオーテック、シーギア、ライダーなど多彩だ。特別仕様車Vセレクションは、装備を充実させ価格アップを抑えたお買い得車といえる。中でもカスタマイズ車であるNISMO系は、スポーティなルックスと走りで高い人気を得た。リセールバリューも高めだ。

中古車E12型ノートのお勧めはe-POWER NISMO

ノートe-POWER NISMO(2018年式)の全景

※上図:ノートe-POWER NISMO(2018年式)

E12型ノートの中古おすすめはe-POWER NISMO Sだ。ただし、ノートe-POWER NISMO Sは、中古車流通量がかなり少ないので、なかなか車両が見つからないかもしれない。その場合、通常のノートe-POWER NISMOという選択もよいだろう。

中古車価格例は以下の通りだ。

  • E12型ノート 2019年式
  • グレード:e-POWER NISMO S
  • 中古車相場:約150~200万円

※中古車相場は2023年12月調べ

ノートNISMO Sは、専用ボディ補強に加え、専用サスペンションにインバーターとコンピューター(VCM)に専用チューニングを施し発電量が増加している。モーターは最高出力100kW、最大トルク320N・mと、ベースとなるインバーターPOWER NISMOに比べ約25%向上した。

かなりスポーティなモデルとなっているが、普段の足としても十分使えるフレキシブルなモデルでもある。ボディ補強や専用サスペンションを装着したことにより、基準車よりも乗り心地もよく感じるほどだ。装備面も充実しており、満足度も高い。

NISMOモデルは、リセールバリューが総じて高いのもメリットのひとつだ。

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E13型ノート(3代目)の特徴

3代目E13型ノートは、2020年から2023年12月現在まで発売中のモデルだ。ルノーとのアライアンスで新開発されたプラットフォーム「CMF-B」を採用したことで、運動性能が大幅に向上している。

1.2L e-POWERは第2世代だ。2代目ノートe-POWERからモーターを変更したことで、トルクを10%、出力は6%向上させ、よりパワフルになった。さらにインバーター類も、40%の小型化と30%の軽量化を実現している。

また、充電制御は大きく変更された。停止時にエンジンが始動しないなどの制御によって、静粛性の大幅な向上を実現した。

燃費値は28.4km/L(FF、WLTCモード)だ。トヨタ アクアの燃費33.6km/L(FF、Zグレード、WLTCモード)と比べるとやや差がある。

なおガソリン車の設定は無く、1.2Lハイブリッドのみだ。

室内の広さは、先代E12型ノートと同等程度だ。後席は若干狭く感じる。

 

E13型は以下の予防安全装備がオプションとなっている。

  • インテリジェント BSI(後側方衝突防止支援システム)
  • BSW(後側方車両検知警報)
  • RCTA(後退時車両検知警報)

2023年12月にマイナーチェンジし、主に外観と内装の変更が行われた。

E13型ノートのグレード解説

E13型のグレードは、デビュー当初S、F、Xの3種類で構成されていた。しかし、モデル途中からXの1グレードのみの設定に変更され、Xグレードをベースにセットオプションを自ら選択する方式となっている。

また、カスタマイズ車両として、上質感をアップしたオーテックを設定。さらにオーテックをベースとして、最低地上高をアップしたオーテッククロスオーバーも用意された。

中古車E13型ノートのお勧めはマイナーチェンジ前期

ノート X(2021年式)の全景

※上図:ノート X(2021年式)

E13型ノートの中古おすすめはマイナーチェンジ前の車だ。中古車価格例は以下の通りだ。

  • E13型ノート 2021年式
  • グレード:e-POWER X
  • 中古車相場:約160~220万円

※中古車相場は2023年12月調べ

3代目E13型ノートは2020年に登場しただけに、車両価格はまだ高価だ。ただ、2023年12月にマイナーチェンジを発表したため、マイナーチェンジ前のモデルは価格を徐々に下げてきている。

新車価格が約200~220万円だったので、中古車相場の約160~220万円はほとんど安くなっていないように見えるかもしれない。だが、なんらかのセットオプションを選択しないと十分な装備にならないため、実質的な車両価格は+30万円以上とみていいだろう。

その上で、ザックリ計算すると新車価格の70~90%程度になっている。200万円以上の車両であれば、買い得感があまりないので新車を買った方がよいだろう。

2021年式と高年式なので、安価な価格帯でも状態がよい車両が多い。ただ、中には5万km以上走っている過走行気味の車両もある。基本的に3万km以下の車両を選ぶと良いだろう。

13型ノートの場合、中古車価格はセットオプション次第で決まる傾向にある。十分に満足できる装備は以下の通りだ。

  • インテリジェント アラウンドビューモニター(移動物 検知機能付)
  • インテリジェント ルームミラー
  • ステアリングスイッチ(アドバンスドドライブアシストディスプレイ設定、オーディオ、ハンズフリーフォン、プロパイロット)
  • 統合型インターフェースディスプレイ
  • USB電源ソケット(タイプA 1個、タイプC 1個)
  • NissanConnectナビゲーションシステム(地デジ内蔵)
  • 車載通信ユニット(TCU[Telematics Control Unit])
  • 0ユニット(ビルトインタイプ)
  • プロパイロット(ナビリンク機能付)
  • プロパイロット緊急停止支援システム(SOSコール機能付)
  • SOSコール
  • インテリジェント BSI(後側方衝突防止支援システム)
  • BSW(後側方車両検知警報)
  • RCTA(後退時車両検知警報)

上記の装備が装着されている車両を選択すれば、満足度は高くなる。

さらに、ワイヤレス充電器やLEDフォグ、16インチアルミホイールが装備されていれば、ほぼフル装備の車両だ。

ボディカラーでは、赤や青系がやや安価傾向になっている。

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日産ノートの予算別のお勧めモデル

中古ノートのおすすめモデルを考えると、予算が150万円を超えることが多いだろう。コンパクトカーを選ぶユーザーにとってはもう少し予算を下げたい場合が考えられる。そこで、予算100万以下、50万以下の場合のおすすめモデルについて紹介する。

予算100万円以下のお勧めモデル

ノートe-POWER メダリスト(2017年式)の全景

※上図:ノートe-POWER メダリスト(2017年式)

  • E12型ノート 2017年式
  • グレード:e-POWER メダリスト
  • 中古車相場:約70~140万円

※中古車相場は2023年12月調べ

3代目E13型ノートe-POWERが登場したことで、2代目E12型ノートe-POWERの中古車価格は、すでにかなり安くなっている。2017年式であれば、予算100万円以内でも購入が可能になってきている。

中古車相場が約70~140万円と、やや幅が広いものの、新車価格に対し約30~60%にまで価格を下げている。ただ、e-POWER車は人気が高いため、100万円以下の車両だと走行距離が7万km以上の場合が多い。価格を重視するのであれば、人気が低めのボディカラーであるピンクや赤系を選ぶとよい。

「装備はそれほど豪華でなくてもよいが、より程度の良い車両が欲しい」のであればe-POWER Xグレードもお勧めだ。中古車相場は、60~130万円程度と少し安価になる。

最上級グレードのメダリストは、LEDヘッドライトなどの装備が充実している。オプションだったインテリジェントアラウンドビューモニターや純正ナビが装備されていれば、十分に満足できる仕様といえる。

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予算50万円以下のお勧めモデル

ノートX DIG-S(2014年式)の全景

※上図:ノートX DIG-S(2014年式)

  • E12型ノート 2014年式
  • グレード:X DIG-S エマージェンシーブレーキパッケージ
  • 中古車相場:約30~70万円

※中古車相場は2023年12月調べ

ノート X DIG-Sは、1.2L+スーパーチャージャーエンジンを搭載した中間グレードのモデルだ。パワフルさと低燃費性能を兼ね備えたエンジンで、なかなか気持ちよく走る。

2014年式だと、自動ブレーキであるエマージェンシーブレーキが標準装備されていない。そのため、エマージェンシーブレーキパッケージがベストな選択といえる。その上で、アルミホイールやアラウンドビューモニター、純正ナビが装着されている車両を探したい。

予算50万円以下だと、走行距離が7万kmを超えたモデルが多い。ただ、中には5万km前後の車両もあるので、じっくりと程度の良い車両を探したい。

日産ノートのニーズ別のお勧めモデル

コンパクトカーを選ぶうえで、燃費や走行性能、安全性能といった項目を重視する人もいるだろう。ノートの各項目ごとのおすすめモデルを紹介する。

ノート(2013年、2014年式)中古をチェックする>

燃費重視の場合はE12型e-POWER

  • E12型ノート 2019年式
  • グレード:e-POWER

E12型e-POWER(ハイブリッド)の燃費値は、最終モデルで34.0km/L(FF、JC08モード)だ。対するE13型e-POWERの燃費値は28.4km/L(FF、WLTCモード)と、旧型のほうが5km/L以上も燃費が良いという結果になった。

なおe-POWER(ハイブリッド)を望む場合、E13型かE12型のマイナーチェンジ後モデルから選ぶことになる。逆にガソリン車を選びたい場合は、E13型には用意されていないので必然的にE12型となる。

走る楽しさ重視ならE13型e-POWER X FOUR

  • E13型ノート 2021年式
  • グレード:e-POWER X FOUR

新開発の電動4WDをお勧めしたい。リヤには、先代の約14倍もの駆動力を発生する50kWのモーターを設置した。前後のモータートルクを緻密にコントロールし、滑りやすい路面からドライ路面まで、最適な駆動力を確保する。駆動力配分を自在にコントロールすることで、走る楽しさもプラスした。

なおE12型はこの世代のコンパクトカーでは最もパワフルな加速感を誇っていたものの、乗り心地は突き上げ感がやや強く、直進安定性に少々欠ける点が惜しい。

安全性能重視ならE13型

  • E13型ノート 2021年式
  • グレード:e-POWER X

安全性能を重視する場合はE12型よりE13型が良いだろう。E13型は360°セーフティアシスト(全方位運転支援システム)など、安全装備が進化している。E13型はオプションの予防安全装備が充実した車両を選ぶとさらに良いだろう。

なお先代のE12型の場合、安全性能を重視するのであれば2016年式以降の車両を選択したい。2014年(改良前)のモデルには横滑り防止装置(VDC)が装備されていない車両もある。また自動ブレーキであるエマージェンシーブレーキも、2015年の改良までオプションもしくは設定が無いので注意したい。

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ノートのカタログ情報

日産,ノート
現行モデル
令和2年12月(2020年12月)〜現在
新車時価格
203.0万円〜306.4万円

ノートの在庫が現在563件あります

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ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員